提案書10(1802頁~2002頁)医療技術評価・再評価提案書 (135 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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※下記のように推定した根拠
年間対象者数の
変化
年間実施回数の
変化等
見直し前の症例数(人)
0人
見直し後の症例数(人)
200人
見直し前の回数(回)
0回
見直し後の回数(回)
1,000回
⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)
・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)
小児がん情報サービス(https://ganjoho.jp/child/dia_tre/about_childhood/about_childhood.html) によると小児がん年間約3,000人程度で
ある。その約6割が固形がんであり、固形がんの全員が生存し、5年間年1回経過観察したと仮定して、最大で年間9,000回程度の検索が必要と考え
られる。また、小児の骨髄炎の頻度は10万人中2-13人程度と報告されており、15歳未満人口1,478万人で換算すると、年間300-1,800人程度と計算
される。
実際には小児がんには予後不良な疾患が少なからず含まれており、5年生存率は8割弱である。また、全身MRIを撮影可能な施設として日本医学
放射線学会に登録されている施設は2023年9月現在、MRI機器を有し、安全管理を行う1,067施設中、94施設(9%)と限られており、施設数から推定
すると全身MRIを撮影する人数、回数は多くとも200人、1,000回程度と予想される。
2004年に考案された技術で、装置の進歩(全身撮影可能装置)の普及とともに5年ほど前から撮像時間が 全体的に短縮し、実用的に施行可能に
なってきた。日本磁気共鳴医学会のワーキンググループで研究がなされており、半年に1度研究会が行われている。
撮像においては、脂肪抑制とコントラスト、信号雑音比、アーチファクトの抑制などにおいて専門的な知識が必要である。また、画像再構成に
おいて、各部位の画像を接続し、他の画像と重ね合わせ表示 (Fusion)する技能はWindow調整にとくに習熟を要する。
施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 1.5Tもしくは3T装置を具備する施設。画像診断管理加算2算定施設。
制等)
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門 小児MRIに熟達した医師:1
性や経験年数等)
通常のMRIと同等である。
⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)
特に問題点はない。
見直し前
600点
見直し後
600点(変更なし)
その根拠
成人の全身MRI撮影の加算(E202
区分
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)
その他:放射線技師2
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の 本検査を施行した場合には、同月の他の躯幹部MRI撮影を施行できない
要件)
⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度
⑧点数等見直し
の場合
看護師:1
注9:600点)に準じる。実際には小児では医師が立ち会う必要性が高く、より人的資源への負荷は大きい。
E
番号
技術名
E100 E200
シンチグラム、CT撮影
具体的な内容
シンチグラム、造影剤を併用するCT撮影を置換可能であるが、悪性腫瘍の種類や患児の状況により置換可能なCT撮影、シンチグラムは様々であ
る。
以下の予想影響額では仮にCT撮影および造影剤加算を置換したと仮定した。
増(+)
プラスマイナス
⑩予想影響額
予想影響額(円)
4,300,000
その根拠
造影剤併用CT撮影を全身MRI撮影に置換すると仮定した場合、1件当たりの点数の増加は
全身MRI撮影 (1.5T 1,330点 + 加算600点) - CT撮影(64列(共同利用施設ではない場合)1,000点 + 造影剤加算
上記のごとく国内実施回数1,000回と推定すると影響額は
430点×1,000件×10円 =4,300,000円
備考
実際にはCT撮影よりも高額なシンチグラムを一部では置換する。またDPC併用で入院している場合には診療報酬の増加はない。従って、影響額は
さらに減少すると予想される。
⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬
1.あり(別紙に記載)
⑫その他
特になし
⑬当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等
⑭参考文献1
⑭参考文献2
⑭参考文献3
500点)=430点
小児科学会
1)名称
ACR Appropriateness Criteria
2)著者
American College of Radiology.
3)雑誌名、年、月、号、ページ
https://www.acr.org/Clinical-Resources/ACR-Appropriateness-Criteria
4)概要
5歳以下の小児の骨髄炎に対して、全身MRIは22%の症例で新たな情報を提供し、CTやシンチグラムより推奨度は高い。
1)名称
Sensitivity and Specificity of Whole-body MRI for the Detection of Pediatric Malignancy.
2)著者
Cochran T, Patel S, Kruse T, Lyden E, Comer S, Ford J.
3)雑誌名、年、月、号、ページ
J Pediatr Hematol Oncol. 2023 Jan 1;45(1)
4)概要
小児悪性腫瘍の全身MRIでの感度、特異度を検討した。142例の検討によれば、全身MRI撮影の感度は93.8%、特異度は93.4%と良好であった。
1)名称
(123)Iodine-metaiodobenzylguanidine scintigraphy versus whole-body magnetic resonance imaging with diffusion-weighted imaging in
children with high-risk neuroblastoma - pilot study.
2)著者
Gassenmaier S, Bares R, Barreuther M, Flaadt T, Lang P, Schaefer JF, Tsiflikas I.
3)雑誌名、年、月、号、ページ
Pediatr Radiol. 2021 Feb 5. doi: 10.1007/s00247-020-04960-2. Online ahead of print.
4)概要
神経芽腫患児 17人25組のMIBGシンチグラフィと全身MR撮影Iを比較した。両者で算出したスコアを比較すると、予後には明らかな差は認められな
かった。全身MRI撮影の方がわずかにスコアが高く、全身MRI撮影の方が感度が高いことが示唆された。
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