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提案書10(1802頁~2002頁)医療技術評価・再評価提案書 (52 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 卵巣癌の発症率は79%、乳癌発症は51%低減。全死亡率は60%低減する(文献2、3)
後等のアウトカム
③再評価の根
拠・有効性
ガイドライン等での位置づけ

④普及性の変化
※下記のように推定した根拠

年間対象者数の
変化

年間実施回数の
変化等

日本人の各がん種(乳癌、卵巣癌、膵癌、前立腺癌)別BRCA1/2変異保持率と癌罹患数(国立がん研究センター がん情報サービス 2020年のが
ん統計予測)から推定される1年間に新たにBRCAの診断がつく癌患者数は、3,880人乳癌、2,144人卵巣癌、1,448人膵癌、1,243人前立腺癌である
(全9,508人)。予防的卵巣卵管切除術は挙児希望のないことが前提となるため、施行時期に関しては、一般には35~40歳で出産が終了した後と
なる(文献1)。しかし、実施に伴う費用や実施後の卵巣欠落症状、女性としてのアイデンティティや、パートナーとの関係性の変化などに対す
る不安から、対象者の約2割が希望すると想定される。見直し前の対象症例は、BRCA変異保持者の乳癌症例のみのため3,880人とした。見直し後の
症例数は、見直し前の乳癌症例に加え、膵癌の約半数(724人)、BRCAの診断がついた全症例(9,508人)の血縁者に少なくとも1人BRCA未発症の
血縁者がおり、そのうち半数(4,754人)が女性と想定し、すべてを加えて9,358人となる。その内、約5%の患者が開腹を選択すると想定される。

見直し前の症例数(人)

3,880

見直し後の症例数(人)

9,358

見直し前の回数(回)

約50

見直し後の回数(回)

約100

⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)診療ガイドライン2021年版(文献1):BRCA病的バリアント保持者
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
に対して、予防的卵巣卵管切除術を実施することを条件付きで推奨する(エビデンスの確
る。)
実性強)。

前述のとおり、遺伝性乳癌卵巣癌症候群診療(HBOC)の手引きにおいて、BRCA病的変異保持者の卵巣癌発症予防は、第一として予防的卵巣卵管切
除術が推奨されている。子宮附属器腫瘍摘出術(開腹)は安全性が高い手術であり、外保連試案において難易度はDである。

施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 産婦人科または婦人科、麻酔科、病理部
制等)
人的配置の要件
産婦人科および婦人科腫瘍の専門的研修経験を合わせて6年以上もつ常勤医師、臨床遺伝学の診療経験を3年以上もつ常勤医師、麻酔科標榜医、病
(医師、看護師等の職種や人数、専門 理医
性や経験年数等)
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の 遺伝カウンセリング加算の施設基準を届け出ている。
要件)

⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

手術の難易度は低く、合併症は1%未満。

⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

遺伝カウンセリングを実践し、患者が遺伝学的リスクを十分理解して手術を選択できるようにする。

⑧点数等見直し
の場合

見直し前
見直し後
その根拠

該当しない
該当しない
該当しない

区分
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)

特になし

その他(右欄に記載。)

番号
技術名

特になし
特になし

具体的な内容

特になし
増(+)

プラスマイナス
⑩予想影響額

予想影響額(円)

約3,500万円

その根拠

(100人-50人)×70,000点(手術、麻酔、入院費、検査費等含む)=約3,500万円

備考

予防的卵巣卵管切除術による卵巣癌発症予防によるコスト削減効果は大きいもののここでは考慮していない(文献4、5)

⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬

特になし

⑫その他

特になし

⑬当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等

日本遺伝子診療学会、日本癌治療学会、日本臨床腫瘍学会、日本人類遺伝学会、日本婦人科腫瘍学会、日本乳癌学会、日本泌尿器科学会、日本膵
臓学会日本遺伝カウンセリング学会、日本遺伝性腫瘍学会、がんゲノム医療中核拠点病院等連絡会議診療WG
がんゲノム医療中核拠点病院等連絡会議二次的所見WG(SFWG)、全国遺伝子医療部門連絡会議

⑭参考文献1

1)名称

遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)診療ガイドライン2021年版

2)著者

山内英子、他

3)雑誌名、年、月、号、ページ

遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)診療ガイドライン2、021年版、182-187ページ

4)概要

BRCA病的バリアント保持者に対して、予防的卵巣卵管切除術を実施することを条件付きで推奨する(エビデンスの確実性強)。

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