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提案書10(1802頁~2002頁)医療技術評価・再評価提案書 (140 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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研究結果

⑤ ④の根拠と
なる研究結果等

1b

ガイドライン等での位置づけ

⑥普及性

年間対象患者数(人)
国内年間実施回数(回)

ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
る。)

ガイドライン:≪保存前白血球除去フィルター使用を強く推奨す
る日本自己血輸血・周術期輸血学会のガイドライン≫
2007年、208年、2014年に改訂し2020年に最終改訂を行った貯血
式実施基準2020は、貯血式自己血輸血のガイドラインとして最低
限順守すべき必須事項を記載している。
・バッグ内凝集塊産生を抑制する観点から,保存前白血球除用血
液バッグの使用を強く推奨すら,保存前白血球除用血液バッグの
使用を強く推奨する
・貯血の禁忌として,1 か月以内の重症の下痢発症者

60,000人
70,000回

※患者数及び実施回数の推定根拠等

平成30年度血液製剤使用実態調査結果では貯血式自己血輸血実施患者予測値は98,000人であり、保存前白血球除去操作が有
効と考える診療科として特に整形外科と産婦人科を考えた場合、全体の約64%を占めるために、年間対象患者は6万人とし
た。自己血貯血回数は全体で22万単位なので11万回の6割として7万回と予想される。

⑦医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

学会誌「自己血輸血」における保存前白血球除去に関する論文は多く、その有効性に関する報告は多い。令和3年3月開催の
第34回日本自己血輸血・周術期輸血学会学術総会ではシンポジウムⅢ「保存前白血球除去」が開催された。学会としてもこ
の件に関するアンケート調査をすでに実施しており、前向き臨床治験の実施に向けて計画している。基本的には保存前白血
球除去の手技自体は全血を白血球除去フィルターを通すだけであり比較的容易である。

・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体
制等)
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門
性や経験年数等)
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の
要件)

輸血管理料取得施設において貯血式自己血貯血および輸血を実施しており、医師・看護師・検査技師は協力して安全に貯血
式自己血輸血が実施されている。貯血式自己血輸血管理体制加算を取得している施設である。
学会認定・自己血輸血責任医師と学会認定・自己血輸血看護師が1名以上勤務し、自己血輸血の製剤の取り扱いと保管管理
に携わる臨床検査技師が1名以上常勤していることが望ましい。
貯血式自己血輸血実施指針を遵守し、また国の「血液製剤の使用指針」および「輸血療法の実施に関する指針」を遵守して
いる。

⑧安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

自己血保存前の白血球除去用フィルター付き血液バッグは閉鎖回路であり、採血後はオープンになること無く清潔に操作が
可能である。白血球除去した自己血製剤は保存障害(凝集塊産生、溶血)がなく、また生理活性物質産生の予防およびエル
シニア菌などの細菌やウイルス(サイトメガロウイルス)伝播の予防が可能である(参考資料2,3)。

⑨倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

日本赤十字社では2007年より輸血用血液製剤は全例保存前白血球除去を導入しており、その有用性が確立しており、自己血
輸血においても同等の品質を確保するために保存前白血球除去を実施することは妥当である。


妥当と思われる診療報酬の区分
点数(1点10円)
⑩希望する診療
報酬上の取扱い
その根拠

自己血貯血(液状保存(全血200mlごとに)(保存前白血球除去)800点
(ここから)外保連試案データ--------------------------外保連試案費用(人件費+償還できない材料等):27,351円
外保連試案2022掲載ページ:340-341ページ
外保連試案ID(連番):T73-28065
技術度:C 医師(術者含む):1 看護師:1 その他:1 所要時間(分):60
------------------------------------------------------------------(ここまで)

区分
関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(③対象疾
患に対して現在
行われている医
療技術を含む)

予想影響額



番号
技術名

K920 3
自己血貯血(液状保存)

具体的な内容

現時点ではK920-3の自己血貯血(液状保存)は残した方が良いが、いずれ自己血貯血を実施する全例に対して保存前白血球
除去バッグを用いて行うようになれば、将来的には減少していくと考えられる。

プラスマイナス
予想影響額(円)

286,538,000

減(-)

その根拠

主に整形外科および妊婦に対する自己血貯血に対して全例保存前白血球除去バッグを用いて保存前に白血球除去を実施した
場合、1回400ml貯血に対して減額分250x2点を7万回実施すると3.5億円・・・①となる。
凝集塊などが産生したことで貯血していた自己血が5%使用できなくなったとすると、70,000x5%=3,500回を日赤の赤血球液
で代用しなければいけない。日赤Ir-RBC-LR-2=18,132円・・・②なので、本来代用として使用すべき日赤血②を保存前白血
球除去による自己血貯血を行うことで使用しなくて良くなるので、この分18,132x3,500=63,462,000円が増額になる。よっ
て①-②=286,538,000円の減額となる。なお、患者にとっては折角貯血しておいた自己血が使用できないという精神的負担
は大きいし、自己血作製を担当した医師・看護師・臨床検査技師にとっても廃棄自己血の代用の同種血の費用以上に精神的
ダメージは大きい。

備考

特記事項無し

⑪提案される医療技術において使用される医薬品、医療機
器又は体外診断薬
白血球除去用フィルター付き採血バッグ (400mL採血用、200ml採血用)
(主なものを記載する)
⑫提案される医療技術の海外における公的医療保険(医療
保障)への収載状況

※ 該当する場合、国名、制度名、保険適用上の特徴
(例:年齢制限)等

1)収載されている

1)を選択した場合は、下の欄に詳細を記載。

欧州、米国、カナダなどにおいてはすでに保存前白血球除去操作における保存障害や有害反応防止作用は確立されており、
ガイドラインやテクニカルマニュアルに安全性と有効性は記載されている(①Guide to the preparation, use and quality
assurance of blood components,14th ed, Council of Europe, Strasbourg Cedex,2008;137-140,②AABB Technical
Manual,16th ed, American Association of Blood Banks, Bethesda Maryland,2008;653, ③Clinical Guide to
Transfusion, 4th ed, Canadian Blood Services, Canada,2006;74-114)

⑬提案される医療技術の先進医療としての取扱い

d. 届出はしていない

⑭その他

特記事項なし

⑮当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等

特記事項なし

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