よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


提案書10(1802頁~2002頁)医療技術評価・再評価提案書 (173 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。



診療報酬区分(再掲)
診療報酬番号(再掲)

931

医療技術名

超音波凝固切開装置等加算

③再評価の根
拠・有効性

口腔癌における超音波凝固切開装置の有効性については既に複数の臨床研究があり、それらを集約したメタ解析も報告されている。従来手術と比
較した臨床報告のメタ解析によれば、超音波凝固切開装置等グループの手術時間は 29.3 分短縮[平均差: -29.29; 95% CI = (-44.26, -14.32);
P = 0.0001]、排液量が 64.9 ミリリットル減少した [平均差: -64.86; 95% CI = (-110.40, -19.32); P=0.005]と報告されている。(Zhen-Hu
Ren, et al. PLoS One. 2015 Jul 10;10(7):e0132476)
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 口腔領域の手術においては筋軟組織の切開時、電気凝固では止血に難渋する事もあるが、超音波凝固切開装置を用いることにより無血切開が可能
後等のアウトカム
となり、出血や創傷治癒を含む合併症の低減、患者の良好な術後回復が期待できる。(Yoann Pons, et al. Head Neck Oncol. 2009; 1: 21.)
2014年に報告された電メスと超音波凝固切開装置を用いた無作為化比較試験でもドレーンの留置期間は、1.3 日 (p < 0.001) 短縮させ(Alicia
Dean,J Craniomaxillofac Surg. 2014 Jan;42(1):84-7.) 疼痛スコアも電気メス群より有意に有意に減少させることが報告されている.
(Giancarlo Tirelli, et al.J Craniomaxillofac Surg. 2014 Jul;42(5):544-7.)

ガイドライン等での位置づけ

④普及性の変化
※下記のように推定した根拠

年間対象者数の
変化

年間実施回数の
変化等

再評価によって対象患者数や回数が変化するものではない。年間対象患者数ならびに年間実施回数は第7回NDBオープンデータによる。

見直し前の症例数(人)

3,262

見直し後の症例数(人)

3,262

見直し前の回数(回)

3,262

見直し後の回数(回)

3,262

⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

超音波凝固切開装置のエビデンスも報告されており、次回の改定で記載される見込みであ
ガイドライン等での記載なし(右欄にガイドライン等 る。「軟部腫瘍診療ガイドライン2020」では「悪性軟部腫瘍切除術において、出血コント
の改訂の見込み等を記載する。)
ロールを目的として超音波凝固切開装置を使用する事を提案する。(推奨度2、合意率
100%、エビデンスの強さD)」とある。(参考文献5)

超音波凝固切開装置等加算は咽頭喉頭の手術で認められており、当該手術と器具使用の技術に習熟した医師による実施が求められる。

施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 特になし
制等)
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門 特になし
性や経験年数等)
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の 特になし
要件)

⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

すでに確立された手術手技であり、安全性は担保されている。

⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

問題なし

⑧点数等見直し
の場合

見直し前
見直し後
その根拠

3,000
3,000
従来の超音波凝固切開装置等加算と同点数

区分
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)

区分をリストから選択

番号
技術名

なし
なし

具体的な内容

なし
減(-)

プラスマイナス

⑩予想影響額

予想影響額(円)

29,700,000

その根拠

当該技術による年間医療費は約99,000,000円(3,300件×30,000円)と推測される。
一方で超音波凝固切開装置の使用によりドレーン留置期間が1.3日短縮できる。令和4年DPC点数表の「頭頸部悪性腫瘍 皮膚悪性腫瘍切除術等 処
置1なし 処置2なし(03001xxx0200xx)の入院期間ⅡまたはⅢの点数、医療機関群Ⅱ群およびⅢ群の医療機関別係数の中央値である1.48または
1.36から、頭頸部悪性腫瘍手術の1日あたりの包括入院費用は概ね30,000円と仮定できる。
これらより入院医療費(30,000円×1.3日×3,300件)128,700,000円の削減が試算できる。

備考

ドレーン留置期間は、Alicia Dean, et al.”Neck dissection with the harmonic scalpel in patients with squamous cell carcinoma of the
oral cavity” J Craniomaxillofac Surg. 2014 Jan;42(1):84-7.
医療機関別係数の中央値「日本病院会 平成30年度 診療報酬等に関する定期調査,集計結果 最終報告書(概要)」より。

⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬

なし

⑫その他

なし

1974