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提案書10(1802頁~2002頁)医療技術評価・再評価提案書 (27 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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②現在の診療報酬上の取扱い
・対象とする患者
・医療技術の内容
・点数や算定の留意事項

大腿骨近位部の骨折に対して、骨折後48時間以内に人工骨頭の挿入を行った場合は、緊急挿入加算として、4,000点を所定点数に加算する。緊急
挿入加算は、75歳以上の大腿骨近位部骨折患者に対し、適切な周術期の管理を行い、骨折後48時間以内に人工骨頭の挿入を行った場合(一連の入
院期間において区分番号「B001」の「34」の「イ」二次性骨折予防継続管理料1を算定する場合に限る。) に、1回に限り所定点数に加算する。
当該手術後は、早期離床に努めるとともに、関係学会が 示しているガイドラインを踏まえて適切な二次性骨折の予防を行うこと。なお、診療報
酬明細書の摘要欄に骨折した日時及び手術を開始した日時を記載すること。施設基準あり。


診療報酬区分(再掲)
診療報酬番号(再掲)

081 1

医療技術名

人工骨頭挿入術・股



緊急挿入加算

治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予
後等のアウトカム

75歳以上の大腿骨近位部骨折は、できるだけ早期(病院到着後48時間以内)に多職種で連携して手術を行うと、受傷前の機能が維持され、合併症
が少なく、生存率が高く、入院期間が短いことが明らかになっている。患者の健康寿命が延伸し、医療資源の効率化と介護費用の削減につなが
る。
FFN-J大腿骨近位部骨折データベースは、令和4年3月31日の疑義解釈でFFN-Jのレジストリに登録することが明確となり、オンライン登録の準備に
半年を要した。今後FFN-J大腿骨近位部骨折データベースにより、術後のアウトカムが解析可能となる予定である。

ガイドライン等での位置づけ

早期手術の有用性は強く推奨から常識レベルに格上げされた。 (大腿骨頸部/転子部骨折
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
診療ガイドライン2021第三版日本整形外科学会・日本骨折治療学会監修)
る。)
現在ガイドラインの改訂中である。

③再評価の根
拠・有効性

④普及性の変化
※下記のように推定した根拠

日本骨折治療学会・日本整形外科学会大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドライン、令和3年社会医療診療行為別統計より算出。再評価によって対象
患者数や実施回数が変化するものではない。

見直し前の症例数(人)

59,820

見直し後の症例数(人)

59,820

見直し前の回数(回)

59,856

見直し後の回数(回)

59,856

年間対象者数の
変化

年間実施回数の
変化等

⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

専門医クラスが手術を指導することが望ましい。外保連試案では難易度:Dである。

施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体制 病院到着後48時間以内に手術が可能な病院(現在の施設基準および変更要望点は「その他」に記載)
等)
病院到着後48時間以内に手術が可能な病院、すなわち、すぐに対応できる麻酔科医、看護師、レントゲン技師などが必要である。手術翌日より連
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門性 続7日間のリハビリを受けることが望ましい。術前から老年病医または内科医の診察を受け、周術期も診察することで周術期の死亡率を低下させ
ることができる。
や経験年数等)

・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

現在の施設基準 <R4 保医発0304第3号>
1 緊急整復固定加算及び緊急挿入加算に関する施設基準
(1)整形外科、内科及び麻酔科を標榜している病院であること。
(2)整形外科について5年以上の経験を有する常勤の医師が2名以上配置されていること。
(3)麻酔科標榜医が配置されていること。
(4)常勤の内科の医師が1名以上配置されていること。
(5)緊急手術が可能な体制を有していること。
(6)大腿骨近位部骨折患者に対する、前年の区分番号「K046」骨折観血的手術及び「K081」人工骨頭挿入術の算定回数の合計が60回以上であるこ
と。
その他
(7)当該施設における大腿骨近位部骨折後48時間以内に手術を実施した前年の実績について、院内掲示すること。
(遵守すべきガイドライン等その他の要 (8)関係学会等と連携の上、手術適応等の治療方針の決定及び術後の管理等を行っていること。
件)
(9)多職種連携を目的とした、大腿骨近位部骨折患者に対する院内ガイドライン及びマニュアルを作成すること。
(10)速やかな術前評価を目的とした院内の内科受診基準を作成すること。
(11)運動器リハビリテーション料(Ⅰ)又は運動器リハビリテーション料(Ⅱ)の施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届け
出ていること。
(12)二次性骨折予防継続管理料1の施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届け出ていること。
(13)関係学会から示されているガイドライン等に基づき、当該手術が適切に実施されていること。
変更要望点:(7)を以下のように変更を要望する。
当該施設における病院到着後48時間以内に大腿骨近位部骨折手術を実施した前年の実績について、院内掲示すること。

⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

早期に手術を行うことで合併症の発生を減少させることができる。術前から老年病医、内科医の診察を受け、手術後も診察することで周術期の死
亡率を低下させることができる。

⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

問題なし

見直し前

19,500点+緊急挿入加算4,000点

見直し後

19,500点+緊急挿入加算40,000点

その根拠

病院到着後48時間以内に手術を行うことを可能にするには、すぐに対応できる麻酔科医、看護師、レントゲン技師などが必要である。手術翌日よ
り途切れのないリハビリを受けることで術前のADLが維持され、術前から老年病医または内科医の診察を受け、周術期も診察することで周術期の
死亡率を低下させることができる。早期手術の体制を新たに構築するためには、40,000点以上の点数が必要である。

⑧点数等見直し
の場合

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