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提案書10(1802頁~2002頁)医療技術評価・再評価提案書 (178 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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医療技術名

③再評価の根
拠・有効性

鏡視下咽頭悪性腫瘍手術(軟口蓋悪性腫瘍手術を含む)、鏡視下喉頭悪性腫瘍手術

令和4年度の評価時(咽頭、喉頭含む)では、全生存率、病理学的断端陽性率、化学放射線治療併用割合において、ロボット支援手術が非ロボッ
ト支援手術と比べ有意に優れていたという海外ビッグデータ(参考文献1)を報告する共に、国内データ(N0症例68例)でも鏡視下手術(N0症例236
例)に比べ有意に低い断端陽性率(Sano, et al 2021)を示した(参考文献2)ことを報告した。今回、レジストリを活用し、より多くの症例(N0
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 症例134例:咽頭、喉頭含む)で同解析を行ったところ、前回同様、有意に低い病理学的断端陽性率(11.2% vs 29.3%, p<0.001)が確認された。さ
後等のアウトカム
らに、非ロボット支援下手術に比べ術後追加治療(放射線治療)割合が有意に低い(3.0% vs 7.1%, p<0.05)という結果が得られた。術後追加放射
線治療を回避できれば、入院期間の短縮、早期社会復帰による医療費の削減につながることが期待される。これは外保連の「既存技術と比較した
優越性の定義」におけるA)Ⅱaを満たすと共に、B)Ⅳb, eにも寄与していると考える。

ガイドライン等での位置づけ

④普及性の変化
※下記のように推定した根拠

年間対象者数の
変化

年間実施回数の
変化等

国内ライドラインにおいて、鏡視下手術、本提案技術を含めた経口的手術が包括的に記載
ガイドライン等での記載なし(右欄にガイドライン等
されている。今回の新たなエビデンスが論文化されれば、次回のガイドライン改訂におい
の改訂の見込み等を記載する。)
て修正が検討される見込である。

2022年4月の保険収載より1年が経過した現在は、普及への過渡期の状況であり、2022年度には196件が実施された。令和4年度の提案時に記載した
通り、本提案技術が広く普及すれば、最終的に年間310人が対象になると予想している。

見直し前の症例数(人)

310人

見直し後の症例数(人)

310人

見直し前の回数(回)

196回

見直し後の回数(回)

196回

⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

当該技術は外保連試案に掲載されており(S91-0148050 S91-0148060 S91-0153450)、技術度はDないしEである。関連学会である日本頭頸部外科学
会より施設の要件(下記)、医師の資格基準(下記)、教育プログラム(トレーニングコース等)が作成され、2019年2月に公表されており、
2019年4月より学会としての教育システムがスタートしている。教育プログラムはブタを使った機器の使用方法のトレーニングだけでなく、学会
が主導して献体を用いたアドバンスコースの受講を必須とし、安全性を担保している。これまでに学会へ78件の申請がなされ、50名がプログラム
を修了している。本技術の安全な普及を目的として、前向きレジストリが運用され、2022年4月の保険収載後、196例が登録されている。

1.頭頸部がん専門医制度(日本頭頸部外科学会)における指定研修施設あるいは準認定施設であること。
2.緊急手術の実施体制を有すること。
施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 3.24時間の院内検査実施体制を有すること。
4.医療機器の保守管理体制を有すること。
制等)
5.医療安全管理委員会を有すること。
・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

1.耳鼻咽喉科専門医かつ頭頸部がん専門医であり、かつ術者あるいは指導的助手として、鏡視下咽頭悪性腫瘍手術並びに声門癌を除く鏡視下喉
頭悪性腫瘍手術を20例以上(もしくはアシスタント術者としてロボット支援手術を10例以上)経験し、咽喉頭の内腔からの解剖に十分な知識を有
する常勤医師が在籍していること。
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門 2.常勤の耳鼻咽喉科専門医が3名以上在籍すること。
3.麻酔科標榜医が在籍していること。
性や経験年数等)
4.常勤放射線治療科医または常勤放射線科医が1名以上在籍すること。
5.常勤の臨床工学技士が在籍していること。

関係学会から示されている指針に基づき、当該手術が適切に実施されていること。
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の (尚、日本頭頸部外科学会より「耳鼻咽喉科・頭頸部外科におけるロボット支援手術に関わる指針」が示され、レジストリと共に運用されてい
る。)
要件)

⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

国内全101例と鏡視下の過去の国内データ(参考文献3)の有害事象を比較したところ、術後出血(3.8% vs 2.6%)、喉頭浮腫・窒息(2.9% vs
6.9%)、高度嚥下障害(1% vs 5.2%)、意識消失(1% vs 0%)、周術期死亡(1% vs 0%)のいずれにおいても頻度に有意差を認めなかった。尚、
本手術で1例において術前よりあった間質性肺炎の急性増悪により術後14日目に死亡したが、施設内委員会でインシデントレベル不明の判定を受
けている。その後、2023年3月までの間に国内において重篤な有害事象の発生は確認されていない。

⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

米国を中心に標準的な医療として普及しており、問題ない。

⑧点数等見直し
の場合

見直し前

中咽頭悪性腫瘍手術(前壁切除)138,321点、中咽頭悪性腫瘍手術(前壁以外)80,921点、喉頭・下咽頭悪性腫瘍手術 112,785点

見直し後

中咽頭悪性腫瘍手術(前壁切除)138,321点、中咽頭悪性腫瘍手術(前壁以外)80,921点、喉頭・下咽頭悪性腫瘍手術 112,785点

その根拠

当該技術で算定されているK374-2(38,740点), K394-2(1切除 42,200点、2全摘67,200点)からの増点を要望しており、試算点数は変わらない。

区分
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)

特になし

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番号
技術名

特になし
特になし

具体的な内容

特になし

増(+)

プラスマイナス
予想影響額(円)

183,281,500円

⑩予想影響額

1979