提案書11(2003頁~2199頁)医療技術評価・再評価提案書 (111 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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■処置の算定回数
静脈圧迫処置は、慢性静脈不全による難治性潰瘍の患者であって、次のいずれにも該当する場合に、月に1回に限り、3月を限度として算定する。ただし、初
回の潰瘍の大きさが100cm2 を超える場合は6月を限度として算定する。
■療養費支給
・支給回数:1回限り。一度に購入する弾性着衣等は装着部位ごとに2着(弾性包帯は2巻)を限度。
・支給申請費用:数量と金額に上限規定あり(弾性ストッキング上限28,000円×2本又は弾性包帯上限14,000円×2巻)
・弾性包帯については、医師の判断により弾性ストッキングを使用できないと指示がある場合に限り支給する。
見直し後
■処置の算定回数
静脈圧迫処置は、慢性静脈不全による難治性潰瘍の患者であって、次のいずれにも該当する場合に、月に4回に限り、3月を限度として算定する。ただし、初回
の潰瘍の大きさが100cm2 を超える場合、又は3ヶ月で治癒せず延長することで奏功が認められる場合は6月を限度として、月1回に限り算定する。
■療養費支給
・支給回数:1回に限る。患者に合わせて治療期間に使用する弾性包帯および弾性着衣等を適宜指示書を発行し患者購入させることができる。
・支給申請費用:弾性包帯および弾性着衣等の購入総計の上限を30,000円とする。
・(削除)※主たる使用材料に優先順位はなく、患者にあわせて医師の判断でいずれのも適宜使用ができることを要望するため。
⑧点数等見直し
の場合
■算定回数の見直し:
・滲出液も多く浮腫のある治療の初期段階では、創の評価や処置とともに、静脈鬱滞の軽減にむけて圧迫療法の評価や実施・指導を頻回少なくとも週1回程度
を行う必要がある。現状の月1回算定とする頻度での処置では不十分であるのが実態である。また静脈学会の実態調査1)では、傷の大きさが100cm2以下で、小
さいにもかかわらず、3ヶ月を超える症例は一定数はいるので、継続的な圧迫療法の処置・指導を有する必要がある。
その根拠
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)
■療養費支給:
2)
日本静脈学会の慢性静脈不全症による静脈性下肢潰瘍の診断・治療指針 に沿って、治療の実情あわせて、処置料の期間内で変化する患部の状態やアドヒアラ
ンスに合わせて、費用総額は超えない範囲で、圧迫療法の材料選択および必要量を支給できるようにする。
現制度では弾性ストッキング56,000円(28,000円×2本)又は弾性包帯28,000円(14,000円×2巻)が上限となる。初期は弾性包帯中心で必要量を使用しつつ、
後半は弾性ストッキングなど弾性着衣を活用するなど患者の状態に合わせて使用するとした場合、弾性包帯80%程度、弾性ストッキング20%の使用率として現
行上限費用を使って加重平均56,000×20%+28,000円×80%=33,600円を参考に、総額上限を30,000円で必要な資材と必要な数量を支給運用する形で見直しを
要望する。
区分
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番号
技術名
該当なし
該当なし
具体的な内容
該当なし
減(-)
プラスマイナス
予想影響額(円)
197,340,000
対象となる患者数: 17,350人(=(1)適切に圧迫療法が行われている患者:7,800人+(2)適切に行われていない患者:9,550人)
1.予想される当該技術にかかる医療費
・適切な圧迫療法による治癒期間 3ヶ月(一部、期間3ヶ月を超える床例を30%程度)とする(3ヶ月+3ヶ月×30%=3.9ヶ月相当)
・処置料算定(要望)初め3ヶ月に月4回を限度に算定、奏功見込みのある場合(創サイズに関係なく)は6ヶ月を限度に月1回算定
処置点数:(現状) 750点/人(=初回350+200+200)→(要望)2,730点/人(=初回350+200×11回+200×3×30%)
・療養費 :(現状)上限56,000円/人(=下肢 28,000円×2本) → 上限30,000円/人(弾性ストッキング上限と弾性包帯上限との加重平均より)
(1)適切に圧迫療法を受けている患者(7,800人)
①処置料: 212,940,000円 (=2,730(点/人)×7,800人×10円)
⑩予想影響額
その根拠
②薬剤 : 273,780,000円 (=9,000円(/人・月)×7,800人×3.9ヶ月 ※下腿潰瘍用の軟膏5g/日使用
③療養費: 234,000,000円 (=上限30,000円×7,800人)
合計: 720,720,000円 (=①+②+③)
(2)適切に行われていない患者(9,550人)
①処置料: 260,715,000円 (=2,730(点/人)×9,550人×10円))
②薬剤 : 335,205,000円 (=9,000円(/人・月)×9,550人×3.9ヶ月)
③療養費: 286,500,000円 (=上限30,000円×9,550人)
合計: 882,420,000円 (=①+②+③)
・・・A予想される医療費総額: 1,603,140,000円(=(1)+(2))
2. 従来の治療状況での医療費
・圧迫療法を行っていない治癒期間 12ヶ月(圧迫しない場合は治癒率で1/2×再発率2倍)、圧迫療法実施は1参照(処置点数は750点(/人)
(1)適切に圧迫療法を受けている患者(7,800人)
①処置料: 58,500,000円 (=750(点/人)×7,800人×10円))
②薬剤費: 273,780,000円 (=9,000円(/人・月)×7,800人×3.9ヶ月)
③療養費: 436,800,000円 (=上限56,000円 × 7,800人)
合計: 769,080,000円 (=①+②+③)
(2)適切に行われていない患者(9,550人)
②薬剤費:1,031,400,000円
(=9,000円(/人・月)×9,550人×12ヶ月)
備考
⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬
特になし
⑫その他
特になし
⑬当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等
⑭参考文献1
⑭参考文献2
⑭参考文献3
日本フットケア・足病医学会
1)名称
静脈性潰瘍(Venous Ulcer)本邦における静脈疾患に関するSurveyXiX
2)著者
3)雑誌名、年、月、号、ページ
日本静脈学会静脈疾患サーベイ委員会
静脈学 2018年 29号(1):1-12
4)概要
平成28年の1月~12月の1年間での静脈性潰瘍の診療実態ついてのアンケート調査(97施設回答)。静脈疾患受診者31,827例に対して513例(1.5%)が静脈性潰
瘍患者。専門施設受診前の圧迫療法の実施は44%、受信後は94.1%実施。治療をうけた静脈性潰瘍520肢のうち、治癒したのは(平成29年3月末まで)409肢
(78.7%)。治癒までの期間は中央値で71日(最小値1日~最大420日)であった。
1)名称
慢性静脈不全症による静脈性下肢潰瘍と圧迫療法
2)著者
3)雑誌名、年、月、号、ページ
孟 真 (日本静脈学会 弾性ストッキング・圧迫コンダクター養成委員会)
日本フットケア・足病医学会誌1(3):132-140, 2020
4)概要
「慢性静脈不全症による静脈性下肢潰瘍の診断・治療指針」
診断の際には血流評価を行うこと、治療の基本は圧迫療法である。慢性静脈不全症による静脈性下肢潰瘍は静脈高血圧を背景として発症し、難治性で再発が多
い。診断には超音波検査法、ABIなどの血流検査は必須。治療には生活指導、圧迫療法を適切な圧迫圧でかけること、ただし患者のアドヒアランスを考慮しな
がら、弾性包帯・弾性ストッキングなどを使い分けて潰瘍治療、再発防止を行うこと。
1)名称
慢性静脈不全症による静脈性下肢潰瘍
2)著者
岩井武尚監修 孟
3)雑誌名、年、月、号、ページ
新 弾性ストッキング・コンダクター(第2版増補版)静脈疾患・リンパ浮腫における圧迫療法の基礎と臨床応用
4)概要
1)名称
2)著者
3)雑誌名、年、月、号、ページ
⑭参考文献4
4)概要
真、佐久田斉編
2020年10月、p140-p149
慢性静脈不全症による潰瘍治療について、診断には超音波検査法、ABIなどの血流検査は必須。治療には生活指導、適切な圧迫圧をかける圧迫療法を基本とす
る。圧迫療法は患者のアドヒアランスを考慮しながら、弾性包帯・弾性ストッキングなどを使い分けて潰瘍治療、再発防止を行う。
静脈不全による足病(第3章) (追加)
日本フットケア・足病医学会ガイドライン委員会 (委員長 東 信良)
重症化予防のための足病診療ガイドライン 2022年9月 P47ーP58
慢性静脈不全の診断および重症度の判定には、臨床症状とともに血栓や壁外性圧迫による閉塞や狭窄と静脈弁不全を評価する画像および機能診断を行うこと。
静脈不全症による静脈性潰瘍の治療の第一選択は圧迫療法である(推奨1A)。圧迫療法に使用されるものは、弾性包帯、弾性ストッキング、ベルクロ付き装
具などがある。圧迫圧は40mmHg以上が推奨されているが、患者のアドヒアランスを考慮して、圧迫圧や圧迫方法を選択することが重要である。
1)名称
⑭参考文献5
2)著者
3)雑誌名、年、月、号、ページ
4)概要
※⑬については、1.の「主たる申請団体」および「上記以外の申請団体」以外に、提案される医療技術に関する研究、会合、論文発表等を実施している学会等の関連団体や研究者等の名
称を記載すること。
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