提案書11(2003頁~2199頁)医療技術評価・再評価提案書 (95 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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年間対象患者数(人)
国内年間実施回数(回)
50
50
※患者数及び実施回数の推定根拠等
日本小児泌尿器科学会の保険委員会による調査(2021年)では、精巣部分切除術(良性腫瘍)16件/年の実施が確認され、未回
答の施設や泌尿器科・小児外科で施行されている件数を加えて推定した。
⑦医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)
精巣部分切除術の難易度は高く、専門性も高い。尚、外保連試案では、精巣部分切除術:試案ID S94-0296350の技術度はDで
ある。実施に当たっては、当該領域の手術に習熟した専門医が行うことが望ましい。
・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)
施設の要件
小児泌尿器科医、小児外科医、泌尿器科医、外科医が常勤し、専門医クラスの泌尿器科手術を行える施設ならば特に施設の要
(標榜科、手術件数、検査や手術の体制 件は不要と考える。
等)
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門性 特になし
や経験年数等)
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の要 特になし
件)
⑧安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度
精巣の成熟奇形腫(思春期前型)や良性疾患に対しては再発の危険性が低い点、妊孕性温存の点から本術式が推奨される。思
春期以降の成人症例に関しての適応はcontrovertialであり、今後継続して検討を行う必要がある(文献5)。
⑨倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)
問題なし
K
妥当と思われる診療報酬の区分
点数(1点10円)
⑩希望する診療
報酬上の取扱い
その根拠
関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(③対象疾
患に対して現在
行われている医
療技術を含む)
予想影響額
33,843
(ここから)外保連試案データ--------------------------外保連試案費用(人件費+償還できない材料等):338,430円
外保連試案2022掲載ページ:248-249
外保連試案ID(連番):S94-0296350
技術度:D 医師(術者含む):2 看護師:2 その他:0 所要時間(分):120
------------------------------------------------------------------(ここまで)
区分
K
番号
技術名
該当なし
該当なし
具体的な内容
該当なし
プラスマイナス
予想影響額(円)
15,536,500
その根拠
(338,430-27,700)×50=15,536,500
年間件数50件、精巣部分切除術(良性腫瘍)33,843点、精巣摘出術(K830)2,770点。
備考
特になし
増(+)
⑪提案される医療技術において使用される医薬品、医療機
器又は体外診断薬
特になし
(主なものを記載する)
⑫提案される医療技術の海外における公的医療保険(医療
保障)への収載状況
※ 該当する場合、国名、制度名、保険適用上の特徴
(例:年齢制限)等
2)調べたが収載を確認できない
該当なし
⑬提案される医療技術の先進医療としての取扱い
⑭その他
1)を選択した場合は、下の欄に詳細を記載。
d. 届出はしていない
特になし
⑮当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等
日本泌尿器科学会、日本小児外科学会
1)名称
2)著者
3)雑誌名、年、月、号、ページ
EAU-ESPU pediatric urology guideline on testicular tumors in prepubertal boys
Stein R, et al
J Pediatr Urol, 2021, 17: 529-533
4)概要
思春期前の精巣腫瘍に関する文献(1391文献から98文献を抽出)を検討した結果、2021年度版のEAU-ESPUガイドラインでは、
術前の超音波検査により良性が疑われる思春期前の精巣腫瘍においては精巣の部分切除(partial orchiectomy)を推奨する
(エビデンスレベル3 強く推奨)。
一方、精巣摘除は、正常精巣組織が画像検査にて同定できない、かつ(または)年齢が1歳以上、AFP>100ng/mlで卵黄嚢腫瘍
が疑われる場合にのみ考慮すべきである。
精巣温存手術(organ preserving surgery)の手術手技としては鼠径部アプローチで血管を阻血しながら行うことが良好な視野
の展開に有用であるが、阻血によって腫瘍の散布が防止できるエビデンスには乏しいとしている。可能であれば術中病理診断
を行うべきである。術中病理診断で切除断端が陰性のRO切除が達成できれば腹膜鞘状突起を閉鎖し、精巣を元の位置へ戻す。
断端陽性でR1切除の状況で悪性所見または悪性の可能性がある場合は、初回手術で精巣摘除へ変更する。術後永久標本で悪性
所見があれば、再手術で精巣摘除を行うべきである。
1)名称
2)著者
3)雑誌名、年、月、号、ページ
Testicular sparing surgery in pediatric testicular tumors
Kooij CD, et al
Cancers, 2020, 12: 2867:doi:10.3390/cancers12102867
4)概要
20論文、777精巣についてのシステマティックレビューでは、良性の胚細胞腫瘍の61.9%、性索間質性腫瘍の61.2%に精巣温
存手術(testis sparing surgery)が行われ、残存精巣が萎縮した症例はなく、4例の胚細胞腫瘍のみ再発が認められた。12
歳未満の思春期前の患者における精巣温存手術(testis sparing surgery)は、良性の胚細胞腫瘍、低悪性度の性索間質性腫
瘍では安全な治療である。術前の超音波検査所見で良性が疑われ、手術手技的に可能であると判断された症例において、さら
に術中迅速病理診断で良性と判断されたものに対しては精巣温存手術を選択しうる。
⑯参考文献1
⑯参考文献2
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