提案書11(2003頁~2199頁)医療技術評価・再評価提案書 (134 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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整理番号
338201
※事務処理用
提案される医療技術名
申請団体名
局所陰圧閉鎖処置(算定期間の延長)
一般社団法人
日本褥瘡学会
33形成外科
主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科
13外科
関連する診療科(2つまで)
23皮膚科
提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した
医療技術の提案実績の有無
「実績あり」の
場合、右欄も記
載する
有
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
提案当時の医療技術名
令和4年度
局所陰圧閉鎖処置
有
追加のエビデンスの有無
診療報酬区分
診療報酬番号
再評価区分(複数選択可)
J
J003
1-A
算定要件の見直し(適応)
該当する場合、リストから○を選択
1-B
算定要件の見直し(施設基準)
該当する場合、リストから○を選択
1-C
算定要件の見直し(回数制限)
2-A
点数の見直し(増点)
該当する場合、リストから○を選択
2-B
点数の見直し(減点)
該当する場合、リストから○を選択
3
項目設定の見直し
該当する場合、リストから○を選択
4
保険収載の廃止
該当する場合、リストから○を選択
5
新規特定保険医療材料等に係る点数
該当する場合、リストから○を選択
6
その他(1~5のいずれも該当しない)
該当する場合、リストから○を選択
「6
提案される医療技術の概要(200字以内)
文字数: 177
○
その他」を選んだ場合、右欄に記載
局所陰圧閉鎖療法(以下 NPWT)は、既存治療に奏功しない、或いは奏功しないと考えられる難治性創傷に対して、管理された陰圧を付加し、創
の保護、肉芽形成の促進、滲出液と感染性老廃物の除去を図り、創傷治癒の促進を目的とする。NPWTの保険算定期間は、局所陰圧閉鎖処置開始日
より3週間を標準とし、特に必要と認められる場合については4週間を限度として算定できる。
『令和元年度 次世代医療機器・再生医療等製品 評価指標作成事業 難治性創傷治療機器 審査WG報告書』によると、近年、高齢化や生活習
慣病の蔓延等により糖尿病、動脈硬化及び静脈うっ滞を伴う患者や、わが国特有ではあるが、血液透析患者が増加傾向にあり、当該患者を治療す
るにおいて、足壊疽や褥瘡等、標準治療では治癒が困難な難治性創傷が認められることが多く、創傷の重症度によっては、下肢切断を余儀なくさ
せる場合もあり、患者QOLを著しく低下させる要因となっている。治癒に至るまでの期間は、基礎疾患の有無や創傷の状況によるため一概には言
えないが、これまで国内においても4週間で治癒しない症例の報告やNPWT機器の使用実態※)があり、また海外のMeta-analysisによる報告※)にお
いても平均創傷治癒期間は4週間を超える45日であった。
再評価が必要な理由
長期の漫然とした、NPWTの継続使用は適切な創閉鎖術実施の判断を遅らせることがあり注意すべきだが、 効果的な治療を行い総合的な創傷治
癒期間の短縮を図るために、4週間の時点で再評価を行い著明な治療効果が認められ継続的に治療が必要と認められる症例においては6週間までの
保険適用期間の延長を要望する。
4週間のNPWTの治療期間中に、その効果が見られる場合に治療期間を延長することで、保存的加療と比べ創傷治癒率の向上、総合的な創傷治療
期間の短縮、患者のADLの向上が期待され、さらに皮弁や植皮などの外科的な創閉鎖を回避できる可能性があることから、患者の身体的負担の低
減及び医療経済上も有用であると考えられる。
【評価項目】
外保連試案データ--------------------------外保連試案費用(人件費+償還できない材料等):①100平方センチメートル未満 25,372円 ②100平方センチメートル以上200平方センチメート
ル未満 30,677円 ③200平方センチメートル以上 36,561円
外保連試案2022掲載ページ:320-321
外保連試案ID(連番):T61-14180, T51-14181, T51-14190
技術度:B 医師(術者含む):2名 看護師:1名 その他:0名 所要時間(分):①30分、②40分、③50分
-----------------------------------------------------------------保険算定期間の上限を4週間(28日)から6週間(42日)へ変更することを希望する。
①再評価すべき具体的な内容
(根拠や有効性等について記載)
NPWTは、既存治療に奏功しない、或いは奏功しないと考えられる難治性創傷に対して、肉芽形成の促進、滲出液と感染性老廃物の除去を図り、
創傷治癒を促進する治療法であり、既存治療と比較して創傷治癒期間が短縮すると多数の報告がなされている。しかし、慢性化した褥瘡や下肢潰
瘍、骨露出・皮下ポケット・瘻孔を認める難治性創傷、栄養状態の不良、血流障害に伴う創傷治癒障害を有する難治性創傷、血液透析を実施して
いる症例における難治性創傷等において、NPWTを実施した場合、4週間の保険算定上限では十分に創閉鎖まで至らない場合が見られる。
1)
●田港ら は、4週間をこえて陰圧閉鎖療法を施行した症例を検討しており、32例中7例(22%)において、4週間をこえての治療延長が必要で
あった。4週間以降の陰圧閉鎖療法期間の平均は43日であったと報告をしている。
2)
●小坂らの報告 では、褥瘡に対しNPWTを実施するにあたり感染・炎症の抑制と壊死組織の除去を行っているが治療に4週間以上要しており、NPWT
は褥瘡治療に有効であるが4週間の使用上限は短いと考察している。
3)
●※Zensら は、創傷の二次治癒を目的とした使用における、NPWTと標準的な創傷治療を比較した無作為化比較試験のSystematic Reviewを行っ
た。文献検索により48試験(合計4,315例)が同定され、そのうち創傷治癒期間が評価され、本邦におけるNPWTの適用対象となる症例を取り扱っ
た文献は4報(160例)あり、NPWTの平均創傷治癒期間は45日と比較的長期に及んでいる。
●※本学会では、現在据え置き型のNPWT機器(単回使用型ではない)を、本邦においてレンタル貸し出しとして取り扱う2社(ケーシーアイ株式
会社、スミス・アンド・ネフュー株式会社)に協力を仰ぎ、2022年にレンタル使用された陰圧維持管理装置の貸出期間うち、どの程度の割合で4
週間をこえての使用があったかの調査を依頼し、回答を入手した。2022年にレンタル使用された陰圧維持管理装置のうち12.5%が4週間をこえて使
用されており、その平均の使用日数は41.0日であった。(ケーシーアイ株式会社:12.0%、40.22日、スミス・アンド・ネフュー株式会社:13.0%、
42.0日)。4週間のNPWTの治療期間中に、その効果が見られる場合に治療期間を延長することで、保存的加療と比べ創傷治癒率の向上、総合的な
創傷治療期間の短縮、患者のADLの向上が期待され、さらに皮弁や植皮などの外科的な創閉鎖を回避できる可能性があることから、患者の身体的
負担の低減及び医療経済上も有用であると考えられる。
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