提案書11(2003頁~2199頁)医療技術評価・再評価提案書 (46 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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整理番号
※事務処理用
提案される医療技術名
申請団体名
333101
潰瘍性大腸炎関連腫瘍大腸粘膜下層剥離術
日本消化器病学会
主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科
04消化器内科
18消化器外科
関連する診療科(2つまで)
34病理診断科
提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
提案当時の医療技術名
場合、右欄も記
載する
無
リストから選択
有無をリストから選択
追加のエビデンスの有無
提案される医療技術の概要
(200字以内)
潰瘍性大腸炎関連腫瘍(UCAN)に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)であり、従来の大腸ESD「K721-4 早期悪性腫
瘍大腸粘膜下層剥離術」とは、適応と技術難易度が異なる。i)現在の大腸ESDは早期癌が適応病変であるが、本手技の適応
は、dysplasia及び散発性腺腫である。ii)病変の粘膜下層は慢性炎症により線維化を来たしており、技術難易が高い。
文字数: 177
対象疾患名
保険収載が必要な理由
(300字以内)
潰瘍性大腸炎関連腫瘍
UCANのうち、癌とhigh grade dysplasiaは大腸全摘術の適応である一方で、low grade dysplasiaと散発性腺腫は局所切除
の適応病変である。UCANの術前診断は困難性が高く(参考文献3)、詳細な病理診断目的の病変の一括切除が望まれる。ESD
後正確な病理評価による適切な治療方針の提示ができ、臨床上の有用性は高い。しかし、同じ大腸で評価されているESDは
早期悪性腫瘍が対象であるため、本医療技術の保険収載が望ましい。また、本腫瘍は粘膜下層に高度線維化を伴っており、
ESD時の穿孔リスクが高く、より高度な技術的が求められることから、従来のESDより高い評価が妥当と考える。
文字数: 299
【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等
潰瘍性大腸炎患者の罹患大腸に発生した上皮性腫瘍。症状や年齢は問わない。
②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)
潰瘍性大腸炎において長期間の炎症が継続すれば腫瘍性異型であるdysplasiaが発生し、自然史として発癌の経路をたど
る。粘膜下層に線維化を伴う潰瘍性大腸炎関連腫瘍に対して一括切除が可能な内視鏡的切除法ではある。
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)
区分
K
番号
医療技術名
719-6、726-2、732-2
腹腔鏡下全結腸・直腸切除嚢肛門吻合術、腹腔鏡下人工肛門造設術、腹腔鏡下人工肛門閉鎖術
既存の治療法・検査法等の内容
潰瘍性大腸炎関連した癌やhigh grade dysplasiaと考えられる場合には、多発病変や内視鏡的に認識や浸潤度評価の困難な
病変の存在する可能性があるため大腸全摘術が適応される。また、二期的に手術が行われることが多いため、人工肛門造設
術および同閉鎖術が行われる。なお、それぞれの診療報酬点数は、75,690点、16,700点、40,450点である。外保連試案費用
上は、1,241,871円、476,693円、487,599円である。
④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム
研究結果
術前内視鏡や生検による病理診断の正診率が、通常の早期大腸癌のそれらよりも低い潰瘍性大腸炎関連腫瘍に対して、診断
治療目的にESDにて病変を一括切除し、正確な病理診断が可能となるESDに新規性があり、かつ、適切な治療方針の提示をす
るために有効である。ESD検体が、low grade dysplasiaと散発性腺腫と確定診断されれば、経過観察が推奨され、腸管温存
の観点からも有効である。一方で、③で示した腹腔鏡下全結腸・直腸切除嚢肛門吻合術、腹腔鏡下人工肛門造設術、腹腔鏡
下人工肛門閉鎖術は、患者のQOLを低下させる。
予後に関しては、文献上、長期予後を検討したものは少ないが、中期予後を検討したものを含め、腸管温存率の高いことと
大腸全摘術の実施時期を延長出来る可能性が報告されている。
④に詳述。
2a
⑤ ④の根拠と
なる研究結果等
ガイドライン等での位置づけ
⑥普及性
年間対象患者数(人)
国内年間実施回数(回)
※患者数及び実施回数の推定根拠等
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
る。)
大腸ポリープ診療ガイドライン2020(日本消化器病学会)及び大腸
ESD/EMRガイドライン(第2版)(日本消化器内視鏡学会)では、散
発性腺腫をESDの適応としている。さらに、大腸ポリープ診療ガ
イドライン2020では、生検でlow grade dysplasiaが検出された
場合には、散発性腺腫の可能性が高い場合は 内視鏡切除を行っ
て詳細な病理学的検索を行うことを強く推奨している。low
grade dysplasiaの場合、経験のある病理医、消化器専門医,大
腸外科専門医の合議のうえで経過観察及びサーベイランス内視鏡
実施時期を決定すべきと強く推奨している。
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最近の国内15施設による多施設共同研究(論文投稿中)によると6年間で96症例であった(1施設あたり1.1症例/年と換
算)。大腸ESDの先進施設を110施設(大腸ESDを50症例/年以上実施した施設数)とした場合、全国で120症例/年と推定さ
れ、症例数の増加を勘案し、年間150症例・150回と推定した。
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