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提案書11(2003頁~2199頁)医療技術評価・再評価提案書 (31 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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医療技術評価提案書(保険既収載技術用)
整理番号

332202

※事務処理用

提案される医療技術名
申請団体名

POEMの増点
日本消化器内視鏡学会
04消化器内科

主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科

13外科
関連する診療科(2つまで)
31麻酔科

提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した
医療技術の提案実績の有無



過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
場合、右欄も記
載する

提案当時の医療技術名

令和4年度

内視鏡下筋層切開術(POEM)



追加のエビデンスの有無
診療報酬区分
診療報酬番号

再評価区分(複数選択可)


K530-3
1-A

算定要件の見直し(適応)

該当する場合、リストから○を選択

1-B

算定要件の見直し(施設基準)

該当する場合、リストから○を選択

1-C

算定要件の見直し(回数制限)

該当する場合、リストから○を選択

2-A

点数の見直し(増点)



2-B

点数の見直し(減点)

該当する場合、リストから○を選択



項目設定の見直し

該当する場合、リストから○を選択



保険収載の廃止

該当する場合、リストから○を選択



新規特定保険医療材料等に係る点数

該当する場合、リストから○を選択



その他(1~5のいずれも該当しない)

該当する場合、リストから○を選択

「6

提案される医療技術の概要(200字以内)

その他」を選んだ場合、右欄に記載

食道アカラシア(以下、アカラシア)は、下部食道括約部の弛緩不全および食道体部の蠕動運動の障害をきたす原因不明の疾患である。内視鏡下
筋層切開術(POEM)は2010年に報告されたアカラシアに対する治療法のひとつで、体表に傷をつけることなく、内視鏡的に食道の内腔から筋層切
開を行うものである(参考文献1)。有効性、安全性、恒久性、低侵襲性においてバランスのとれた治療法であるため患者の受け入れも良い。

文字数: 199

再評価が必要な理由

アカラシアの標準治療であるPOEM、腹腔鏡手術、バルーン拡張術の現在の保険点数はそれぞれ、POEM(12,470点)、腹腔鏡手術(44,500点)、バ
ルーン拡張術(12,480点)であり、POEMが最も低いものとなっている。しかしながら、その難易度はバルーン拡張術よりもはるかに高く、内視鏡
治療の中でも高度な技術と知識を要するものである。またPOEMの治療効果は、単回の治療で腹腔鏡手術と同等か、それ以上のものを期待できる。
外保連試案2020では、POEMの試案総額は416,535円となっており、現在の腹腔鏡手術(44,500点)とほぼ同額の査定となっている。
令和4年度4月より食道アカラシアに対する経口内視鏡的筋層切開術(POEM)の保険点数は113,40点から、現在の12,470点に改定されたものの、日
本消化器内視鏡学会が要望していた改定案(提案書番号②:336201)の内容とは、大きく乖離しており、低額なものに留まっていた。そのため、
令和6年度の改定でも、保険点数の増額を再度要望する。技術的難易度、手技に要する時間、人員数、コストを勘案すると、POEMの保険点数は、
前述のように腹腔鏡手術の保険点数(44,500点)と同等であることが望ましい。しかしながら、現在は、POEMと腹腔鏡手術の保険点数に大きな差
があるため、今回の提案では、 POEMを行う上での施設条件となっている早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術の保険点数(22,100点)と同等の保険点数
を要望する。

【評価項目】

①再評価すべき具体的な内容
(根拠や有効性等について記載)

◆POEM:体表に傷をつけることなく、内視鏡的に食道の内腔から筋層切開を行うもので、国内の多施設共同研究の報告では、その奏効率は97%で
あったとされている(参考文献2)。腹腔鏡手術と同様に、単回の治療で効果を維持することができ、バルーン拡張術のように繰り返しの治療は
必要ない。また腹腔鏡手術では対応できない、シカゴ分類typeⅢ(長い筋層切開が必要なアカラシア)に対しても、対応が可能である。有効性、
安全性、恒久性、低侵襲性においてバランスのとれた治療法であるため、患者の受け入れが良く、現在、アカラシアに対し最も行われている治療
法となっている。またPOEMの普及に伴い、アカラシアと診断される患者数も相対的に増加していることも分かっている(参考文献3)。アカラシ
アの患者に対し、より早期にPOEMによる治療を行うことが出来れば、患者の受診回数や医療機関における繰り返しの検査や治療行為も減ずること
ができるため、総合的にみて、医療コストは削減されると考えられる。
◆腹腔鏡手術:開腹(開胸)し、食道と胃の筋肉を切開することで、長期にわたって症状の改善をはかる治療法で、最近は、腹腔鏡を用いて行わ
れる。前述のシカゴ分類3型以外のアカラシアに対する奏効率は、POEMと同等と考えられている。
◆バルーン拡張術:バルーンを用いて狭窄部を拡張する内視鏡治療である。手術やPOEMに比べると、技術的な難易度が低く、比較的簡便に行うこ
とができる治療法である。しかしながら、POEMや腹腔鏡手術と異なり、筋肉を完全切開するものではないため、筋層の再癒合による症状の再燃が
短期間で発生する。そのため、手術やPOEMと同等の効果を維持するためには、繰り返し治療を行うことが前提となる。Pondsらが行った多施設共
同ランダム化試験(JAMA 2019年)によると、POEMとバルーン拡張術の奏効率は、それぞれ92%、54%であった。同論文では、POEMをアカラシア
の第一選択の治療として勧めている。また、食道全体に強い収縮を伴うタイプのアカラシアや、40歳以下の患者に対しては、効果が低いというこ
ともわかっている。

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