提案書11(2003頁~2199頁)医療技術評価・再評価提案書 (193 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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整理番号
342203
※事務処理用
提案される医療技術名
申請団体名
周術期人工膵臓療法チーム設置加算
日本人工臓器学会
18消化器外科
主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科
15心臓血管外科
関連する診療科(2つまで)
31麻酔科
提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した
医療技術の提案実績の有無
有
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
場合、右欄も記
載する
提案当時の医療技術名
令和4年度
人工膵臓療法
有
追加のエビデンスの有無
診療報酬区分
診療報酬番号
再評価区分(複数選択可)
J
043-6
1-A
算定要件の見直し(適応)
該当する場合、リストから○を選択
1-B
算定要件の見直し(施設基準)
該当する場合、リストから○を選択
1-C
算定要件の見直し(回数制限)
該当する場合、リストから○を選択
2-A
点数の見直し(増点)
該当する場合、リストから○を選択
2-B
点数の見直し(減点)
該当する場合、リストから○を選択
3
項目設定の見直し
該当する場合、リストから○を選択
4
保険収載の廃止
該当する場合、リストから○を選択
5
新規特定保険医療材料等に係る点数
該当する場合、リストから○を選択
6
その他(1~5のいずれも該当しない)
「6
提案される医療技術の概要(200字以内)
その他」を選んだ場合、右欄に記載
○
新たなチーム加算の評価の新設
人工膵臓療法は、人工膵臓装置を使用して血糖管理を行う技術である。人工膵臓装置は、患者の静脈から連続的に採血し血糖測定を行い、さら
に、得られた血糖値情報に基づき、生体を模擬したアルゴリズムにより必要なインスリンおよびグルコースの注入量を算出、インスリンおよびグ
ルコースを自動注入し、設定した目標血糖値に対して血糖管理するためのクローズドループシステムである。
文字数: 178
再評価が必要な理由
人工膵臓療法が一般に認められた治療方法として普及する中で、装置の特性上、本来は医師・看護師・臨床工学技士といった各職種がそれぞれの
専門性を活かして適切なタスクシェアが行われるべきである。一方で、人工膵臓療法をチーム医療で実現する仕組み作りがない場合には役割分
担、教育、業務の引継ぎがされず、担当医師が対応するか、担当医師の指示を待って医療スタッフが対応することから待機時間が発生してしまう
上、すべての事象に担当医師が関与するために医師の過重労働となり、患者対応に時間がかかってしまうのが現状である。人工膵臓療法を実施す
るための作業として、薬剤の準備、回路のセッティング、ICUでの術後の血糖管理など、それぞれの工程に専門性のある多職種からなる医療チー
ムを設置し、タスクシェアすることで、医療機関内における労働環境の改善を図り、安心・安全で質の高い医療が実現できる。2024年医師の働き
方改革を推進する動きを後押しするためにも、人工膵臓療法による周術期の血糖管理を多職種によるタスクシェア、チーム医療を推進したい。
【評価項目】
①再評価すべき具体的な内容
(根拠や有効性等について記載)
(ここから)外保連試案データ--------------------------外保連試案費用(人件費+償還できない材料等):115,144円
外保連試案2022掲載ページ:298-299
外保連試案ID(連番):T72-01445
技術度:B 医師(術者含む):1 看護師:1 その他:1 所要時間(分):120
------------------------------------------------------------------(ここまで)
人工膵臓療法は、消化器外科分野において新たな臨床エビデンスが示されている一方(参考文献1)、本邦の消化器外科周術期管理ガイドライン
で、糖尿病合併の有無にかかわらずSSI予防効果が示されているために厳格血糖管理が有効であるとともに、厳格血糖管理における副作用である
低血糖を生じない安全な技術として人工膵臓療法について述べられている(参考文献2)。消化器外科分野だけでなく、心臓外科分野などにおい
ても有効性を示す臨床エビデンスが続々と示されている(参考文献3)。諸外国の近年のガイドラインでも、血糖値の目標範囲を明確にしている
ものが多く、適切な血糖管理に対する認知度はさらに増している(参考文献4)。より厳格な血糖管理を行うにあたっては、人工膵臓装置を使用
することで、労務負荷の軽減に繋がると報告されている(参考文献5)。このように人工膵臓療法は患者へのメリットが大きいことが既に示され
ており、本療法を全国へ普及拡大し、患者メリットを極大化させたい。人工膵臓療法実施に際して医師に労働負荷が偏らないようにするため、医
師、看護師、臨床工学技士(以下、技士)の多職種間でタスクシェアを行い、役割分担または業務フロー(パス)など取り決めをする。例えば技
士であれば、術前の回路セッティングは主担当、術中はOn call、術後ICUでは看護師が主担当で、技士はOn callとするような仕組みである。こ
の取り決めにより医師の業務負担軽減のみならず、医療スタッフが医師の指示を待つなどの待機時間を合理化し、働きやすい環境を作ることで医
療従事者全体の負担軽減に繋がっていく。特定の人物に労働負荷を集中させないためにも交代勤務や患者移動(病棟・手術室・術後ICU)をカ
バーできるだけの複数人数が必要であり、さらには役割を確実に実施するための外部教育・院内教育、さらには運用継続に伴う改善活動などの振
り返り(フィードバック)が重要になってくる。これらの院内の各科の連携体制を確実なものとし、適切な運用を構築するための動機付けとし
て、医療チーム設置への加算が必要である。チーム医療の実践により人工膵臓療法で目指す高血糖、低血糖、血糖変動の出現抑制、目標血糖範囲
への安定実現と安全性向上に向けた血糖管理の「自動化」は、ERAS(Enhanced Recovery After Surgery)の栄養管理の一環としても重要であ
り、手術成績向上など患者メリットを高めるものである。
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