提案書11(2003頁~2199頁)医療技術評価・再評価提案書 (89 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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整理番号
※事務処理用
提案される医療技術名
申請団体名
主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科
336102
ロボット支援下膀胱尿管逆流手術(膀胱外アプローチ)
日本小児泌尿器科学会
38その他(診療科名を右の空欄に記載する。)
小児泌尿器科
24泌尿器科
関連する診療科(2つまで)
20小児外科
提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無
無
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年度)
リストから選択
「実績あり」の
場合、右欄も記 提案当時の医療技術名
載する
追加のエビデンスの有無
有無をリストから選択
提案される医療技術の概要
(200字以内)
臍部にカメラポート、両側腹部にロボットアーム用ポート、左上腹部に助手用ポートを配置し、気腹完了後に膀胱背側の腹膜
を切開して、膀胱尿管移行部近傍の尿管を十分に剥離する。尿管径に対し5倍以上の十分な長さの粘膜下トンネルを確保する
ように、膀胱漿膜・筋層の切開を行う。膀胱筋層を十分に切開した後、膀胱粘膜下に尿管を埋め込むように膀胱筋層を左右か
ら結節縫合する。
文字数: 176
対象疾患名
保険収載が必要な理由
(300字以内)
膀胱尿管逆流
膀胱尿管逆流に対する手術治療としては、開放手術[K809-2 膀胱尿管逆流手術]、気膀胱手術[K809-3 腹腔鏡下膀胱内手術]、
内視鏡的注入療法[K823-3 膀胱尿管逆流症手術(治療用注入材によるもの)]が既に保険収載されているが、本術式は未収載
である。本術式には、膀胱粘膜を外気にさらさないため術後の血尿や膀胱刺激症状が少ない、容易に尿管膀胱移行部に到達で
きる、拡大視野での愛護的な操作により排尿筋を支配する神経損傷を回避し術後の排尿障害を低減できるなど安全面での利点
がある。しかし、本術式に対する診療報酬点数がないため早急な保険収載を要望する。
文字数: 277
【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等
膀胱尿管逆流。 ①予防的抗菌薬投与を行っても尿路感染を反復する例、②高度の膀胱尿管逆流例、③腎機能低下例(発見時
もしくは観察期間中)、④予防的抗菌薬投与の対象年齢以降の尿路感染反復例、予防的抗菌薬投与を継続しても改善が認めら
れない例、⑤尿路感染を起こしやすい下部尿路機能障害を伴う高度膀胱尿管逆流例、⑥耐性菌による尿路感染を起こした例、
が手術の適応となる。主に乳幼児期に治療対象となることが多いが、発症・診断の時期によっては年長児や成人でも治療対象
となりうる。
ロボット支援手術の適応は開放手術や腹腔鏡手術に準ずるが、体格が小さいとトロッカー間の距離を確保できずロボットアー
ム干渉の原因となるため、原則として体重10kg以上の患児が対象となる。
②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)
全身麻酔下に手術を行う。ロボット支援手術に先行して、膀胱鏡下に患側尿管内に尿管カテーテルを挿入する。臍部にカメラ
ポート、両側腹部にロボットアーム用ポート、左上腹部に助手用ポートを配置し、気腹完了後に膀胱背側の腹膜を切開して、
男児では精管、女児では子宮動静脈や卵管などに注意しながら尿管膀胱移行部近傍の尿管を十分に剥離する。尿管径に対し5
倍以上の十分な長さの粘膜下トンネルを確保するように、膀胱漿膜・筋層の切開を行う。膀胱筋層を十分に切開した後、膀胱
粘膜下に尿管を埋め込むように膀胱筋層を左右から結節縫合する。通常、患者1人につき手技は1度であるが、まれに再発例に
対しては複数回実施されることもある。状態が安定していれば、術後3日-7日程度で退院可能である。現在、本術式は保険未
収載であり、医師主導の臨床研究として行う必要がある。
区分
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)
K
番号
医療技術名
809-2、809-3、823-3
膀胱尿管逆流手術、腹腔鏡下膀胱内手術、膀胱尿管逆流症手術(治療用注入材によるもの)
既存の治療法・検査法等の内容
膀胱尿管逆流手術(開放手術)には、膀胱を切開・開放し粘膜下トンネルを作成した後に新尿管口を形成する膀胱内手術
(Cohen法、Politano-Leadbetter法など)と、膀胱を開放せず膀胱外で膀胱筋層を切開して切開部の粘膜下に尿管を埋め込ん
で筋層を縫合する膀胱外手術(Lich-Gregoir法)がある。
腹腔
鏡下膀胱内手術(気膀胱手術)は、膀胱内に炭酸ガスを注入し気膀胱を作成した状態で膀胱内手術の手技を行う術式である。
膀胱尿管逆流症手術(治療用注入材によるもの)は、膀胱鏡下に尿管口の粘膜下に治療用注入材(ヒアルロン酸;Deflux)を
注入し、尿管口の形態を変えることで逆流を防止する術式である。
④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム
ロボット支援下膀胱尿管逆流手術(膀胱外アプローチ)は、開放手術(膀胱内手術)や腹腔鏡下膀胱内手術(気膀胱手術)に
比べて腹腔内という広いスペースを利用でき、膀胱粘膜を外気にさらさないため術後の血尿や膀胱刺激症状が少ないという利
点を持つ。さらに、開放手術(膀胱外手術)と比べて容易に尿管膀胱移行部に到達でき、拡大視野で愛護的な操作を行うこと
により、排尿筋を支配する神経損傷を回避し術後の排尿障害を低減できるため、通常の膀胱外操作よりも安全性が高い手術で
ある。また、高解像度の3D画像、関節機能を持つ自由度の高い鉗子、モーションスケールによる微細な操作などの利点を有し
ており、腹腔鏡手術と比べて剥離・縫合などの操作が安定して施行できる。本術式は国外で従来より施行され、国内でも一部
の施設で保険診療外として施行されており、その有効性は確立している。
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