提案書11(2003頁~2199頁)医療技術評価・再評価提案書 (129 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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整理番号
※事務処理用
提案される医療技術名
申請団体名
338103
重度褥瘡栄養療法指導管理料
一般社団法人
33形成外科
主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科
日本褥瘡学会
23皮膚科
関連する診療科(2つまで)
13外科
提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無
有
過去に提案した年度
「実績あり」の (複数回提案した場合は、直近の年度)
場合、右欄も記
提案当時の医療技術名
載する
重度褥瘡栄養管理加算
追加のエビデンスの有無
有
提案される医療技術の概要
(200字以内)
文字数: 192
対象疾患名
保険収載が必要な理由
(300字以内)
文字数: 295
令和4年度
皮下組織に至る重度褥瘡(筋肉、骨等含むDESIGN-R分類D3以上)を有する患者に対して、褥瘡に関する診療ガイドライン※に
基づき、褥瘡治癒促進を目的とした栄養療法(エネルギー・蛋白質に配慮し、アルギニンやコラーゲン加水分解物など特定栄
養素の付加)を行い、一定の経験を有する管理栄養士が栄養指導・管理した場合にB医学管理料等として月1回350点(2月ま
で)を算定する。
※追加エビデンス
褥瘡
重度褥瘡に対するエネルギー、蛋白質、特定栄養素(亜鉛、アルギニン、コラーゲン加水分解物など)を強化した栄養療法
は、創面積縮小を促進し、費用対効果に優れているため、各学会の褥瘡に関する診療ガイドラインにて推奨されている。特定
栄養素の必要量を満たすには、通常の食事以外に補助食品が必要であるが、コスト面から実施・継続することが困難な状況が
ある。
当該技術には褥瘡の治癒過程に基づく特定栄養素の選択や量の調整、補助食品の継続使用の指導(嚥下機能評価含む)等が必
要であるが、従来の栄養食事指導料の算定要件は、基礎疾患を併存し、治癒までに長期間を要する重度褥瘡患者の栄養指導に
は十分ではない面がある。
【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等
皮下組織に至る褥瘡(筋肉、骨等に至る褥瘡を含む。)(DESIGN-R分類D3、D4およびD5)
・敗血症など全身的な感染状態(DESIGN分類 I9)にない褥瘡
・低栄養状態にあり、経口または経腸栄養による栄養管理が行われている
・18歳以上の入院および外来患者
②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)
上記の重度褥瘡を有する患者に対して、褥瘡に関する診療ガイドライン(日本褥瘡学会『褥瘡予防・管理ガイドライン第5
版』(文献1)など)に基づき、エネルギー、蛋白質の必要量を満たし(概ねエネルギー30kcal/体重/日以上、蛋白質
1.0g/kg/日以上)、特定の栄養素(亜鉛、アスコルビン酸、アルギニン、L-カルノシン、n-3系脂肪酸、コラーゲン加水分解
物、β-ヒドロキシβ-メチル酪酸、α-ケトグルタル酸オルニチンのいずれか)を十分に強化した栄養療法を実施する。
また、一定の経験を有する管理栄養士が、医師や皮膚・排泄ケア認定看護師と連携し、褥瘡の治癒過程に応じた特定栄養素の
選択・調整、補助食品の継続摂取のための指導(嚥下機能評価含む)、有害事象(腎機能や血糖コントロール、消化器症状な
ど)のモニタリングを実施する。
アルギニンは敗血症患者には推奨されていないため、全身的な感染徴候を示す者は対象には含めない。また、国際ガイドライ
ンにおいて特定栄養素が推奨されていない小児患者も除く。
当該加算は月1回350点を2月まで算定する。B001 9外来栄養食事指導料、B001 10入院栄養食事指導料とは同月別週であれば併
用算定可能とする。
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)
区分
その他(右欄に記載する。)
番号
B001 9、B001 10、C013、J000、J001-4、J003
医療技術名
外来栄養食事指導料, 入院栄養食事指導料, 在宅患者訪問褥瘡管理指導料, 創傷処置, 重度褥瘡処置, 局所陰圧閉鎖処置
既存の治療法・検査法等の内容
現在、皮下組織に至る重度褥瘡には、外用薬や創傷被覆材による保存的局所治療(J001-4重度褥瘡処置、2月まで、以降は
J000創傷処置)または局所陰圧閉鎖療法(J003、4週まで)が実施される。重度褥瘡の治療には、以上の局所治療に加え、肉
芽形成促進や創面積縮小に関わる特定栄養素を含む専門的な栄養療法が必要となり、各学会が発刊するガイドラインにおいて
も推奨されている。
特定栄養素の必要量は、通常の食事のみでは満たすことができないため、経口補助食品を患者に追加で提供する必要がある。
しかし、特定栄養素を含む補助食品は、標準組成の補助食品よりも高額であり、コスト面から該当の補助食品を使用・継続で
きないことがある。そのため、入院基本料の算定要件である褥瘡診療計画書に栄養管理に関する計画を立案しても、最善の当
該栄養療法が実施できていない現状がある。
在宅においては医師、看護師、管理栄養士による専門チームが行う褥瘡栄養ケアがC013在宅患者訪問褥瘡管理指導料として算
定できる。しかし、入院、外来では褥瘡の治癒促進を目的とした専門的な栄養療法に対する診療報酬はない。
入院中の一般的な栄養指導としてB001 9入院栄養食事指導料を週1回入院中2回算定できるが、治癒までに半年-1年以上を要
し、長期入院する重度褥瘡の場合には算定回数が不足する。また、重度褥瘡患者に対する栄養指導は、毎週の褥瘡回診や創処
置時に頻回短時間で実施することも多く、指導実態と報酬上の指導時間の条件が合致していない。外来では、B001 10外来栄
養食事指導料を初回月2回、以降月1回算定できるが、重度褥瘡を有する患者は基礎疾患を併存することも多く、他科受診時に
基礎疾患の栄養指導を受けた場合、褥瘡に対する栄養指導が同月に実施できない現状がある。
④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム
B,C,J
・カテゴリー2以上の褥瘡に対して、高エネルギー、高蛋白質、アルギニン・亜鉛・アスコルビン酸を含む栄養療法を8週間実
施すると、通常の褥瘡局所処置・栄養管理よりも創面積が15.7%減少した(文献2)。その結果、当該栄養療法によって、処置
料、人件費を含めた総費用が8週間で約1万円低下し、費用対効果に優れていた(文献3)。
・DESIGN-R分類D3・D4の深さの褥瘡を有する患者に対し、コラーゲン加水分解物、微量栄養素を含む栄養療法を4週間実施す
ると、通常の褥瘡局所処置・栄養管理よりも、褥瘡の重症度を示すDESIGN-R点数が平均3.3点減少した(文献4)。
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