提案書11(2003頁~2199頁)医療技術評価・再評価提案書 (94 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
整理番号
※事務処理用
提案される医療技術名
申請団体名
主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科
336103
精巣部分切除術
日本小児泌尿器科学会
38その他(診療科名を右の空欄に記載する。)
小児泌尿器科
24泌尿器科
関連する診療科(2つまで)
20小児外科
提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無
有
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年度)
「実績あり」の
場合、右欄も記 提案当時の医療技術名
載する
令和4年度
精巣腫瘍核出術
有
追加のエビデンスの有無
提案される医療技術の概要
(200字以内)
鼠径管を開放して精索を同定し、内鼠径輪の位置で一時的に精巣血管の血流を遮断後、陰嚢を切開して精巣を創外へ脱転し、
正常な精巣組織を温存して腫瘍性病変のみを切除する。迅速病理診断により、成熟奇形腫(思春期前型)や良性疾患であるこ
とを確認後に、精巣血管の血流遮断を解除し、精巣を縫合して閉創する。
文字数: 145
対象疾患名
保険収載が必要な理由
(300字以内)
精巣の成熟奇形腫(思春期前型)、精巣の良性疾患
精巣悪性腫瘍手術(K833)では血管および精管を高位結紮し腫瘍と精巣を一塊にして摘除するが、本術式では腫瘍性病変のみ
を切除し、非腫瘍性病変部の正常な精巣組織を温存することにより、妊孕性に寄与することが可能である。
また、精巣悪性腫瘍手術では血管を結紮した状況で腫瘍(精巣)摘除を行うが、本術式では一時的な阻血を行うことはあっても
完全な阻血は行わないため、通常の精巣悪性腫瘍手術の技術に加えて、切離面からの出血をコントロールする技術が必要であ
る。
しかし、本術式に対する診療報酬点数がないため早急な保険収載を要望する。
文字数: 258
【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等
精巣の成熟奇形腫(思春期前型)、精巣の良性疾患。
精巣の成熟奇形腫(思春期前型)や良性疾患のうち、超音波検査や術中迅速病理診断にて正常な精巣組織が温存可能と判断さ
れた場合。ただし、同様の基準で成人でも該当する症例がみられる。術前の画像診断や血液検査(腫瘍マーカー)の所見に
よって、本術式の適応を絞り込む。
②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)
全身麻酔下に手術を行う。鼠径管を開放して精索を同定し、内鼠径輪の位置で一時的に精巣血管の血流を遮断後、陰嚢を切開
して精巣を創外へ脱転し、正常な精巣組織を温存して腫瘍性病変のみを切除する。迅速病理診断により、成熟奇形腫や良性疾
患であることを確認後、精巣血管の血流遮断を解除し、精巣を縫合して陰嚢内に固定後に閉創する。
必要に応じて腫瘍性
病変の生検を行って迅速病理診断の結果を待つこともあるが、いずれにせよ悪性腫瘍と病理診断された際には、精索を高位結
紮し腫瘍と精巣を一塊にして摘除する精巣悪性腫瘍手術(K833)に移行する。通常、患者1人につき手技は1度であるが、まれ
に複数回実施されることもある。状態が安定していれば、術後3日程度で退院可能である。
区分
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)
K
番号
医療技術名
830
精巣摘出術
既存の治療法・検査法等の内容
鼠径部に皮膚切開を加え、鼠径管を開放して精索を同定し、内鼠径輪の位置で完全に血管および精管を高位結紮後、陰嚢を切
開して精巣を創外へ脱転し、腫瘍と精巣を一塊にして摘除する。
④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム
研究結果
⑤ ④の根拠と
なる研究結果等
精巣を全摘除する精巣摘出術と比較し、成熟奇形腫(思春期前型)や良性疾患である場合に、正常な精巣組織を温存する本術
式を適応することによって、根治性の担保と妊孕性の温存が可能である。尚、本術式は国内外で施行され、その有効性は確立
しており、患者のQOLは大幅に改善する。
Testicular sparing surgery in pediatric testicular tumors(Kooij CD,et al: Cancers, 2020, 12: 2867: doi:
10.3390/cancers12102867:文献2)
20論文、777精巣についてのシステマティックレビューでは、良性の胚細胞腫瘍の61.9%、性索間質性腫瘍の61.2%に精巣温
存手術(testis sparing surgery)が行われ、残存精巣が萎縮した症例はなく、4例の胚細胞腫瘍のみ再発が認められた。12
歳未満の思春期前の患者における精巣温存手術(testis sparing surgery)は、良性の胚細胞腫瘍、低悪性度の性索間質性腫
瘍では安全な治療である。術前の超音波検査所見で良性が疑われ、手術手技的に可能であると判断された症例において、さら
に術中迅速病理診断で良性と判断されたものに対しては精巣温存手術を選択しうる。
3
ガイドライン等での位置づけ
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
る。)
2096
EAU-ESPUの「思春期前小児精巣腫瘍のガイドライン(2021年)」
(文献1)では、本術式の有効性について推奨されている。