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提案書11(2003頁~2199頁)医療技術評価・再評価提案書 (158 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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②現在の診療報酬上の取扱い
・対象とする患者
・医療技術の内容
・点数や算定の留意事項

・対象とする患者:急性心筋梗塞患者
・技術内容:冠動脈の狭窄・閉塞部位にガイドワイヤーを通過させ、ガイドワイヤーに沿って先端にバルーンのついたカテーテルを挿入し、狭
窄・閉塞部位で加圧・拡張することにより、狭窄・閉塞を取り除く手技
・点数や算定の留意事項:心臓カテーテル法における75%以上の狭窄病変が存在する症例に対して当該手術を行った場合に算定する。なお、医
学的根拠に基づきこれ以外の症例に対して算定する場合にあっては、診療報酬明細書の摘要欄にその理由及び医学的根拠を詳細に記載する。
急性心筋梗塞に対するものは、次のいずれにも該当する急性心筋梗塞患者に対して実施した場合に算定する。ただし、冠動脈インターベンショ
ン治療(K546からK550-2まで)又は冠動脈バイパス術(K552及びK552-2)後24時間以内に発症した場合は、急性心筋梗塞に対するものは算定で
きない。なお、診療報酬明細書の摘要欄にアからウまでのそれぞれについて、要件を満たす医学的根拠について記載する。
ア 心筋トロポニンT(TnT)又は心筋トロポニンIが高値である又は心筋トロポニンT(TnT)若しくは心筋トロポニンIの測定ができない場合で
あってCK-MBが高値である。なお、診療報酬明細書の摘要欄に測定項目及びその値について記載する。
イ 以下の(イ)から(ホ)までのいずれかに該当する。なお、診療報酬明細書の摘要欄に該当項目及びその所見の得られた時刻を記載する。
(イ) 胸痛等の虚血症状
(ロ) 新規のST-T変化または新規の左脚ブロック
(ハ) 新規の異常Q波の出現
(ニ) 心臓超音波検査又は左室造影で認められる新規の心筋の可動性の低下又は壁運動異常
(ホ) 冠動脈造影で認められる冠動脈内の血栓
ウ 以下の(イ)又は(ロ)までのいずれかに該当する。なお、診療報酬明細書の摘要欄に該当項目、発症時刻、来院時刻及び再開通した時刻
を記載する。
(イ) 症状発現後12時間以内に来院し、来院からバルーンカテーテルによる責任病変の再開通までの時間(door to balloon time)が90分以
内である。
(ロ) 症状発現後36時間以内に来院し、心原性ショック(Killip 分類 class Ⅳ)である。



診療報酬区分(再掲)
診療報酬番号(再掲)

546 1

医療技術名

経皮的冠動脈形成術(急性心筋梗塞に対する)

治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期
予後等のアウトカム

ST上昇型心筋伷塞(STEMI)に対する再灌流療法は、急性期治療として現在では広く受け入れられており、発症12時間以内のSTEMI対して再灌流
療法を行うことの有効性も確立している。再灌流療法の代表がprimary PCIであるが、その実施について、2020年度実態調査結果に基づく必要
人員数と手術時間、外保連試案2022に記載の各種人件費から算出した人件費合計と、さらに、別途請求が認められていない必要材料のコストを
含めると、現在の点数では大幅な赤字にならざるを得ない。よって算定の見直しを提案する。

ガイドライン等での位置づけ

近年はSTEMIに対して薬剤溶出性ステント(DES)が使用されることが多いが、2剤の抗血小
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す 板薬内服による出血のリスクが高い場合や、近日中の手術など侵襲的手技の必要性があ
る。)
る場合等には、ステント留置術ではなく、経皮的冠動脈形成術(バルーン形成術)が考
慮される。

③再評価の根
拠・有効性

④普及性の変化
※下記のように推定した根拠

年間対象者数の
変化

年間実施回数の
変化等

見直し前の症例数(人)

6,106

見直し後の症例数(人)

6,106

見直し前の回数(回)

6,106

見直し後の回数(回)

6,106

⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

日本心血管インターベンション治療学会で実施しているJ-PCIレジストリーの2021年分集計結果(2022年公表)によると、急性心筋梗塞に対す
るPCIは61,058件であった。急性心筋梗塞に対するPCIのうち約10%の症例が、2剤の抗血小板薬内服による出血のリスクが高い、近日中の手術
など侵襲的手技の必要性がある、あるいは冠動脈血栓が多い等の理由でステント治療に適さないため、経皮的冠動脈形成術(バルーン形成術)
で治療が行われていることより、算出した。
今回の申請は、技術変革に伴うものではないので、前後での変化はないと思われる。

難易度:D
循環器医であり虚血性心疾患の専門知識及び熟練したカテーテル・ガイドワイヤーの操作技術を必要とする。

施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 施設基準は、1年間の件数を院内掲示および地方厚生局長等に届け出ること。
制等)
人的配置の要件
人的配置:医師3名、看護師2名、放射線機器、心電図、血圧モニター、超音波診断機器、光学診断機器を扱う技師2名。高度な熟練および連携
(医師、看護師等の職種や人数、専門 を要する。
性や経験年数等)
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の 遵守すべきガイドライン:日本循環器学会
要件)

急性冠症候群ガイドライン(2018年改訂版)

⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

急性期~慢性期にかけての血栓症・再狭窄などによる再治療率は約5-10%。
急性冠閉塞の可能性がある場合は、経皮的冠動脈ステント留置術を併用する。

⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

問題なし

⑧点数等見直し
の場合

見直し前
見直し後
その根拠

36,000
76,298
人件費合計と償還できない医療材料費

区分
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)

区分をリストから選択

番号
技術名

特になし
特になし

具体的な内容

特になし
増(+)

プラスマイナス
⑩予想影響額

特になし

予想影響額(円)

2,460,577,562

その根拠

(増点した場合に予想される当該技術にかかる医療費-現在の診療報酬額(円)(加算除く))×年間対象患者数
(762,977-360,000)× 6,106 = 2,460,577,562

備考

特になし

⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
特になし
品、医療機器又は体外診断薬

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