提案書11(2003頁~2199頁)医療技術評価・再評価提案書 (12 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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整理番号
※事務処理用
332101
提案される医療技術名
大腸内視鏡のAI診断支援
申請団体名
日本消化器内視鏡学会
主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科
04消化器内科
13外科
関連する診療科(2つまで)
18消化器外科
提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した
医療技術の提案実績の有無
無
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
場合、右欄も記 提案当時の医療技術名
載する
人工知能による大腸内視鏡診断支援
追加のエビデンスの有無
有
提案される医療技術の概要
(200字以内)
大腸内視鏡検査中に人工知能(AI)を用いることで、腫瘍性ポリープの見落としが抑制され、結果腫瘍の検出率をあげるこ
とができる技術(CADe)および、発見されたポリープが切除する必要がある腫瘍性か非腫瘍性かの鑑別について医師の診断を
支援する技術(CADx)。※前回の申請時から、ランダム化比較試験、大規模前向き研究、および費用対効果研究がエビデンス
として追加された。
文字数: 181
対象疾患名
保険収載が必要な理由
(300字以内)
文字数: 294
【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)
大腸ポリープ・大腸腫瘍
大腸内視鏡検査中にAIによる診断支援を行うことで、大腸腫瘍の発見率が医師単独で行うよりも高まり、見逃し割合が減る
ことが示されている。また、内視鏡検査中に発見された大腸ポリープや大腸病変に対しては内視鏡的ポリープ切除術が広く
普及している。内視鏡的ポリープ切除術では、出血のリスクがあるため不必要なポリープ切除を避ける必要がある。AIによ
る診断支援を行うことで、切除する必要がある腫瘍性病変と必要がない非腫瘍性病変を、医師単独で行うよりも、正しく鑑
別することが出来る。AIによる診断支援を行うことで、医療安全向上、大腸がん発生・死亡率減少、医療費抑制効果が示さ
れているため収載する必要がある。
大腸内視鏡検査を受ける患者
大腸内視鏡検査中に、病変が疑わしい部位に対して、指摘診断支援を行い、「腫瘍性」「非腫瘍性」である可能性を推定し
鑑別結果を画面上に表示し鑑別診断の支援を行う。我が国のガイドラインでは、初回大腸内視鏡検査で、粘膜内癌や10個以
上の腺腫を認めた場合は1年後、9個以内の腺腫を認めた場合は3年後、2個以内の腺腫を認めた場合には3-5年後の頻度で定
期的な内視鏡検査を実施することが推奨されている。
②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)
区分
D
番号
医療技術名
313
大腸内視鏡検査
既存の治療法・検査法等の内容
医師が内視鏡検査中にポリープや病変を指摘し、それらに対して色素内視鏡法や拡大内視鏡を併用した狭帯域光などによる
内視鏡診断の上で、内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術で治療している。
④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム
研究結果
⑤ ④の根拠と
なる研究結果等
ガイドライン等での位置づけ
⑥普及性
令和4年度
年間対象患者数(人)
国内年間実施回数(回)
①本邦で実施された前向きランダム化比較試験において、AIを使うことで、腫瘍の見落とし率が36.7%から13.8%に減少する
ことが示された。(Kamba et al. J Gastroenterol 2022).②本邦を含む多国籍で実施された前向き試験において、AIを使
うことで、腫瘍診断の特異度が83.1%から85.9%に上昇し、不要な非腫瘍の切除割合が減ることが示された(Barua et al.
NEJM Evidence 2022) ③本邦の人口を対象にしたシミュレーション研究において、AIを使うことで腫瘍見落としが減り、こ
れにより、長期的に大腸がんの罹患率が抑制され、医療費も全体として減少しうることが示された。(Sekiguchi et al.
Digestive Endoscopy, in press)
④に詳述。
1b
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
る。)
日本消化器内視鏡学会としてAI医療機器の管理指針「人工知能技
術を活用した内視鏡画像診断支援ソフトウェアの臨床使用に関す
る管理指針」を公開している。
(https://www.jges.net/medical/content/ai-software)
360万人
3万回
※患者数及び実施回数の推定根拠等
全大腸内視鏡検査は、年間360万件実施されているが(NDB2014年データ)。AI医療機器は、発売直後でもあり現時点では販
売台数が限られるため、年間3万回と概算した。
⑦医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)
当該技術は、新しい技術ではあるが日本消化器内視鏡学会では教育セミナーではその検査方法や有効性についての講義、適
正使用指針やポジションステートメントを作成し学会員に適正使用についての周知を行っている。また、当該技術は、「外
保連試案2022」に大腸内視鏡検査(AI診断支援)として掲載されており、技術的区分は「C」であり難易度は高くない。
・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)
施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体
制等)
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門
性や経験年数等)
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の
要件)
大腸内視鏡検査が行える施設であれば実施については問題なく、特別な標榜や体制は必要としない。
医師1名、介助看護師または検査技師1名。医師の技量としては、基本的な内視鏡挿入・観察技術があれば実施可能であり、
基本領域の専門医程度の経験年数で実施可能である
日本消化器内視鏡学会としてAI医療機器の管理指針「人工知能技術を活用した内視鏡画像診断支援ソフトウェアの臨床使用
に関する管理指針」を公開している(https://www.jges.net/medical/content/ai-software)
2014