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提案書11(2003頁~2199頁)医療技術評価・再評価提案書 (47 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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⑦医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

大腸ESD自体、難易度の高い手技であり、厚生労働省より保険収載された本手技を施行するための術者・施設基準が示され
ている。対象病変は、粘膜下層に高度線維化を伴っており、ESD時の穿孔などリスクが高く、より高度な技術的が求められ
る。内視鏡試案上の難易度は、「E」である。

施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体
制等)

①消化器内科、消化器外科、内視鏡内科又は内視鏡外科を標榜していること。
②実施診療科において、常勤の医師が2名以上配置されていること。外科において医師が2名以上配置されていること。
③病床を有していること。
④当直体制が整備されていること。
⑤緊急の場合における開腹手術を実施する体制が整備されていること。
⑥医療機器保守管理体制が整備されていること。
⑦医療安全管理委員会が設置されていること。
⑧大腸ESDを50例以上の症例を実施していること。

人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門
性や経験年数等)

①実施医師の要件として、専ら消化器内科、消化器外科、内視鏡内科又は内視鏡外科に従事し、消化器内視鏡専門医(日本
消化器内視鏡学会が認定したもの)であること。
②消化器内視鏡専門医のみならず、経験のある病理医、消化器専門医,大腸外科専門医が合議できるよう、全てが該当施設
の常勤もしくは非常勤で勤務すること。

その他
(遵守すべきガイドライン等その他の
要件)

大腸ポリープ診療ガイドライン2020(日本消化器病学会)、大腸ESD/EMRガイドライン(第2版)(日本消化器内視鏡学会)、炎
症性腸疾患関連癌診療ガイドライン(大腸癌研究会より発刊予定)

⑧安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

最も注意すべき合併症は穿孔であり、前述の多施設共同研究によるとそのリスクは、エキスパートが実施したにも関わら
ず、6%と通常の大腸ESDよりも高い。また、術後出血は、1%に認められた。

⑨倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

問題なし。



妥当と思われる診療報酬の区分
点数(1点10円)

⑩希望する診療
報酬上の取扱い
その根拠

30,000点
(ここから)外保連試案データ--------------------------外保連試案費用(人件費+償還できない材料等):946,898円
外保連試案2022掲載ページ:2024収載予定
外保連試案ID(連番):E15-5M10670
技術度:E 医師(術者含む):3 看護師:1 その他:0 所要時間(分):180分
------------------------------------------------------------------(ここまで)
早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術(K721-4 )よりも治療時間が長く合併症も増加する潰瘍性大腸炎関連腫瘍大腸粘膜下層剥
離術においては、技術的な難易度(技術度)も高く、治療時間の延長による人件費の上昇、合併症対策に要する追加の医療
材料費などを勘案して、より高い評価をすることが妥当と考える。

区分
関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(③対象疾
患に対して現在
行われている医
療技術を含む)

予想影響額

区分をリストから選択

番号
技術名

具体的な内容

潰瘍性大腸炎関連腫瘍(特に癌とhigh grade dysplasia)に対する腹腔鏡下全結腸・直腸切除嚢肛門吻合術、腹腔鏡下人工
肛門造設術、腹腔鏡下人工肛門閉鎖術は、外科的標準治療であること、潰瘍性大腸炎疾患数の増加に伴って潰瘍性大腸炎関
連腫瘍の増加も予想されることから、適切に減点や削除が可能と考えられる医療技術はないと考える。

プラスマイナス
予想影響額(円)

減(-)
年間 54,630,000円(技術料のみの計上)(外保連試案費用のみの計上した場合、年間 23,427,525円)

その根拠

潰瘍性大腸炎関連腫瘍大腸粘膜下層剥離術が保険適用の上で実施された場合、術前診断困難な病変に対して正確な病理診断
が可能となり、腸管温存や大腸全摘術の実施時期を延長出来る可能性がある。本技術の50%が、年間の潰瘍性大腸炎関連腫
瘍合併症例に対する外科手術(腹腔鏡下全結腸・直腸切除嚢肛門吻合術、腹腔鏡下人工肛門造設術、腹腔鏡下人工肛門閉鎖
術)件数の削減に影響した場合、技術料のみで、年間54,630,000円のマイナス(45,000,000円(希望する300,000円 x 150
件と予測)- 99,630,000(1,328,400円 x 75件))となることが予想される。外保連試案費用で計上した場合、年間
23,427,525円のマイナス(142,034,700円(946,898円 x 150件と予測)- 165,462,225円(2,206,163円 x 75件))となるこ
とが予想される。

備考
⑪提案される医療技術において使用される医薬品、医療機
器又は体外診断薬
特になし
(主なものを記載する)
⑫提案される医療技術の海外における公的医療保険(医療
保障)への収載状況

2)調べたが収載を確認できない

1)を選択した場合は、下の欄に詳細を記載。

※ 該当する場合、国名、制度名、保険適用上の特徴
(例:年齢制限)等
⑬提案される医療技術の先進医療としての取扱い

d. 届出はしていない

⑭その他

医療技術の要件として、腫瘍の最大径が1cm以上とすることが望ましい。最近のメタ解析(参考文献1)によると大腸ESDを
実施した対象病変の平均腫瘍径は、26.7mmであり、1cm未満の病変が多くは含まれていないことから考える。

⑮当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等

連名要望学会以外でその他あれば記載ください。

1)名称
⑯参考文献1

2)著者
3)雑誌名、年、月、号、ページ
4)概要
1)名称

⑯参考文献2

2)著者
3)雑誌名、年、月、号、ページ
4)概要

Efficacy and Safety of Endoscopic Submucosal Dissection for Dysplasia in Ulcerative Colitis Patients: A
Systematic Review and Meta-Analysis.
Zeng QS, Zhao ZJ, Nie J, Zou M, Yang JH, Zhang JZ, Gan HT.
Gastroenterol Res Pract 2022;25;2022:9556161
8論文のシステマティックレビュー・メタ解析論文である。対象病変に対するESDの有用性と安全性を示した。
Treatment outcomes of endoscopic submucosal dissection and surgery for colorectal neoplasms in patients with
ulcerative colitis.
Kasuga K, Yamada M, Shida D, Tagawa T, Takamaru H, Sekiguchi M, Sakamoto T, Uraoka T, Sekine S, Kanemitsu Y,
Saito Y.
United European Gastroenterol J 2021;9(8):964-972
がん専門施設での対象病変に対するESDと外科切除の成績を明らかとした。

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