提案書01(0001頁~0202頁)医療技術評価・再評価提案書 (16 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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整理番号
※事務処理用
提案される医療技術名
申請団体名
202102
アルコール関連疾患患者減酒指導料
日本アルコール・アディクション医学会
主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科
21精神科
01内科
関連する診療科(2つまで)
11心療内科
提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
アルコール関連疾患患者減酒指導料
提案当時の医療技術名
場合、右欄も記
載する
有
令和4年度
追加のエビデンスの有無
有
提案される医療技術の概要
(200字以内)
アルコール関連疾患患者に対しAMED研究で示された「標準的な早期介入研修プログラム」を受講、修了した者が、AMED研究
成果物として作成されたABCDプログラムや国立病院機構肥前精神医療センターが作成したHAPPYプログラム等所定のプログ
ラムを用いた減酒指導を概ね30分間、最多で3回行い、1回あたり個人指導には350点、集団指導には150点を与える。
対象疾患名
アルコール多飲が発病および症状悪化の要因である高血圧、糖尿病、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、脳出血、高尿酸血症、脂
質異常症、肝臓病、膵臓病、胃潰瘍等の生活習慣病、及びアルコール多飲を伴ううつ病
保険収載が必要な理由
(300字以内)
文字数: 281
2013年に行われた調査結果では、わが国には健康被害のリスクの高い危険な飲酒者が1,036万人、多量飲酒者が728万人いる
と推定され,前者の63%、後者の56%が過去1年間に医療機関を受診しており、その多くはアルコール関連疾患で一般病院
を受診しているものと思われる。また、AUDIT12点以上の問題飲酒者のうち5%が断酒を、31%が減酒を希望している一方
で、実際に減酒指導を受けている者は全体の26%に過ぎない。アルコール関連疾患に係る医療費は総医療費の約3%を占め
ており、医療機関における減酒指導の普及は健康寿命伸長、医療費削減、自殺予防の点からも重要である。
【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等
AUDIT8点以上、あるいは生活習慣病のリスクの高い飲酒(男性で1日平均40g以上、女性では1日20g以上)を伴う高血圧、
糖尿病、心筋梗塞、脳血管障害、脂質異常症、肝臓病、膵臓病、胃潰瘍等の生活習慣病及びうつ病
②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)
アルコール関連疾患患者に対しAMED研究で示された「標準的な早期介入研修プログラム」を受講、修了した者が、AMED研究
成果物として作成されたABCDプログラム、HAPPYプログラム等所定のプログラムを用いた減酒指導を上記対象患者に対し最
多で3回行う。
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)
区分
B
番号
なし
医療技術名
なし
既存の治療法・検査法等の内容
特になし
④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム
研究結果
⑤ ④の根拠と
なる研究結果等
減酒指導の技法であるブリーフインターベンションは主に欧米で開発、研究がなされ、プライマリケアを中心にその有効性
が確認されいる。平均で約30%程度の飲酒量低減効果を生み、アルコール関連疾患のリスク低減に有効である。ブリーフイ
ンターベンションは、2010年にWHOで採択された「アルコールの有害な使用を低減するための世界戦略」においても有効な
介入施策の一つに挙げられている。
FlemingらのプライマリケアでのRCTでの効果検証研究では、2回の減酒指導で4年間にわたる効果の持続を認め、早期介入に
よる医療面でのbenefit/costは4.3であるという報告(Alcohol Clin Exp Res, 2002; 26: 36-43 )があり、ブリーフイン
ターベンションによる飲酒量低減効果を示すメタアナリシス研究(Prev Med, 1999; 28: 503-509, Arch Intern med,
2005; 165; 986-995, Cochrane Database Sys Rev, 2007; 18: CD004148)を含む様々な研究結果からU.S. preventive
services task forceはプライマリケアでのブリーフインターベンションの実施についてBランクの評価を与えている(Ann
Intern Med, 2004; 140: 554-556)。我が国でも職域でブリーフインターベンションの効果が示され、HAPPYプログラムを
用いた集団指導では約半数が飲酒量のコントロールができ、集団指導で約1年後でも平均31%の飲酒量低減効果を認めてい
る(労働科学、2013; 89: 155-165)
1a
ガイドライン等での位置づけ
⑥普及性
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
る。)
年間対象患者数(人)
10,000
国内年間実施回数(回)
30,000
※患者数及び実施回数の推定根拠等
U.S. preventive services task forceはプライマリケアでのブ
リーフインターベンションの実施についてgrade Bの評価を与え
ている(Ann Intern Med, 159: 210-218, 2013)。
当該指導料を算定するには、指導者が所定の研修を終了することが条件となるので、当初の年間実施回数は研修終了者数を
約1,000名とし、一人当たりの減酒指導の実施者数を年間10例とすると全国で10,000人程度と試算できる。また、実施回数
は、平均で患者一人当たり3回の指導ができたとして、年間30,000回の実施となる。将来的には、医療機関を受診した際
に、我が国に1036万人とされるアルコール関連疾患のリスクの高い危険な飲酒者に対して減酒指導が行われることが望まし
い。
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