提案書01(0001頁~0202頁)医療技術評価・再評価提案書 (98 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
年間対象患者数(人)
約18,000人
国内年間実施回数(回)
約18,000回
※患者数及び実施回数の推定根拠等
がんゲノム情報管理センター(C-CAT)統計情報によるとがん遺伝子プロファイル検査が保険診療として開始された2019年6月
1日から2023年2月28日までに50,032人が受検されており、年間約18,000人が受検されたと推定される。検査対象者は患者1
人につき月1回の算定が認められている。同一対象者に2回以上の遺伝カウンセリングの実施を行う場合も想定されるが、現
行では遺伝学的確認検査は保険未収載であることから保険診療上の算定回数は各人1回程度と見積もられ、遺伝カウンセリ
ング受診に至らない患者も想定されるため年間18,000回と推定した。
⑦医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)
令和4年度の診療報酬改定では、難病領域において個別の疾患の診断・治療に関する知識等を有する医師が必ずしも十分に
は存在しないことを踏まえ、情報通信機器を用いて遺伝カウンセリングを実施することが認められている。
遺伝カウンセリングの対象として疾患の希少性も評価されるべきであるが、各医療機関に多様な遺伝性腫瘍に精通している
遺伝カウンセリング担当者が在籍しているとは限らない。がんゲノムプロファイリング検査結果によっては希少疾患や専門
家の相談を求めるケースも想定され、全国的な医療の均てん化を目指す観点から専門分野の医師と協同して遺伝カウンセリ
ングを行うことが望まれる。
・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)
施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体
制等)
遠隔連携遺伝カウンセリングに準じ、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け
出た保険医療機関において行われる要件に加え、がんゲノム中核拠点・拠点・連携病院で遺伝性腫瘍カウンセリング加算に
関する施設基準を満たす届出を提出していること。
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門
性や経験年数等)
遺伝性腫瘍等の患者に対して専門的な遺伝カウンセリングが可能であることはがんゲノム医療連携病院の要件として掲げら
れており、人員配置についても規定されている。このため対面での遺伝カウンセリング担当者は確保され、専門医との連携
を担う。
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の
要件)
情報通信機器を用いた遺伝カウンセリングを実施するにあたり、「オンライン診療の適切な実施に関する指針」を遵守し体
制整備の上実施することが望まれる。
⑧安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度
情報通信機器を用いた遺伝カウンセリングでは、対面での遺伝カウンセリングでないことによるラポール形成の課題は想定
されるものの、診療の際に主治医・担当医が患者と同席する「D to P with D 」体制で実施される場合には克服できるため
大きな問題は想定されない。また主治医・担当医が同席することで、診断後のフォローアップについてもスムーズな連携が
可能となる。
⑨倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)
各患者家族が受ける遺伝カウンセリングとして質が担保される点で、倫理性・社会的妥当性は確保されている。
D
妥当と思われる診療報酬の区分
⑩希望する診療
報酬上の取扱い
点数(1点10円)
1,000点
その根拠
現行で行われている遺伝性腫瘍カウンセリング加算が1,000点であるため
区分
関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(③対象疾
患に対して現在
行われている医
療技術を含む)
区分をリストから選択
番号
―
技術名
―
具体的な内容
―
不変(0)
プラスマイナス
予想影響額
予想影響額(円)
0円
その根拠
既に各施設でがんゲノムプロファイル検査に紐づいて遺伝性腫瘍カウンセリング加算を算定しており、対象者に変更はな
い。
備考
新たに遠隔連携遺伝性腫瘍カウンセリング加算が認められた場合には、対象者に適切な遺伝カウンセリングが実施可能とな
ることが期待される。遺伝カウンセリングの質の向上が期待され、患者家族の理解と満足につながる他、遺伝カウンセリン
グ技術の向上による全国の医療の均てん化も期待される。
⑪提案される医療技術において使用される医薬品、医療機
―
器又は体外診断薬
(主なものを記載する)
⑫提案される医療技術の海外における公的医療保険(医療
保障)への収載状況
※ 該当する場合、国名、制度名、保険適用上の特徴
(例:年齢制限)等
2)調べたが収載を確認できない
1)を選択した場合は、下の欄に詳細を記載。
遺伝学的検査の実施状況と保険収載については各国で多様であり、一概に比較検討できない。
d. 届出はしていない
⑬提案される医療技術の先進医療としての取扱い
⑭その他
がんゲノムプロファイリング検査後の生殖細胞系列情報の返却体制については各医療機関に委ねられており、施設間で
germline findingsへの対応は差がある。AMED小杉班のアンケート調査結果によると遺伝学的確認検査に至る割合は約30%程
度と報告されており、十分な対応ができていないことは明確である。患者のみならず血縁者に対する適切な情報提供を可能
にするための遺伝カウンセリング機会の確保と質の向上は喫緊の課題といえる。
⑮当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等
厚生労働科学研究費倫理的法的社会的課題研究事業「国民が安心してゲノム医療を受けるための社会実現に向けた倫理社会
的課題抽出と社会環境整備」
研究代表者:京都大学 大学院医学研究科社会健康医学系専攻 医療倫理学・遺伝医療学分野
小杉 眞司教授
98