よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


提案書01(0001頁~0202頁)医療技術評価・再評価提案書 (2 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

②現在の診療報酬上の取扱い
・対象とする患者
・医療技術の内容
・点数や算定の留意事項

血漿交換療法は遠心分離法や膜分離法等により血漿と血漿以外とを分離し、二重濾過法、血漿吸着法等により分離した血漿から有害物質等を除去
する療法(血液浄化法)であり、診療報酬点数の処置料J039、血漿交換療法の項目には「血漿交換療法は、多発性骨髄腫、マクログロブリン血
症、劇症肝炎、薬物中毒、重症筋無力症、悪性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、血栓性血小板減少性紫斑病、重度血液型不適合妊娠、術
後肝不全、急性肝不全、多発性硬化症、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎、ギラン・バレー症候群、天疱瘡、類天疱瘡、巣状糸球体硬化症、抗糸球
体基底膜抗体(抗GBM抗体)型急速進行性糸球体腎炎、抗白血球細胞質抗体(ANCA)型急速進行性糸球体腎炎、溶血性尿毒症症候群、家族
性高コレステロール血症、閉塞性動脈硬化症、 中毒性表皮壊死症、川崎病、スティーヴンス・ジョンソン症候群若しくはインヒビターを 有する
血友病の患者、ABO血液型不適合間若しくは抗リンパ球抗体陽性の同種腎移植、 ABO血液型不適合間若しくは抗リンパ球抗体陽性の同種肝
移植又は慢性C型ウイルス肝炎の患者に対して、遠心分離法等により血漿と血漿以外とを分離し、二重濾過法、血漿吸着法等により有害物質等を
除去する療法(血漿浄化法)を行った場合に算定できる」と記載がなされている。点数は1日につき4,200点、算定の留意事項は各疾患毎に定め
られている。


診療報酬区分(再掲)
診療報酬番号(再掲)

J039

医療技術名

血漿交換療法

③再評価の根
拠・有効性

抗MDA5抗体陽性の皮膚筋炎に伴う急速進行性間質性肺炎は従前は2年生存率が28.6%と非常に予後不良な疾患として知られていたが、大量ステロイ
ド、シクロスポリン、シクロホスファミド静注の有用性報告により2年生存率が75%に改善した。それでもなお25%の患者においては治療抵抗性を
示し、その場合は多くの例において発症から6ヶ月以内に死亡する。
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 しかし、強力な免疫抑制療法によっても低酸素血症への進行が抑制できない難治性疾患に対し血漿交換療法を追加した場合、従来療法を継続した
歴史的対照群では、生存率0%(生存0名/5名)であったのに対し血漿交換追加群では生存率62.5%(生存5名/8名)であったという報告や
後等のアウトカム
(Shirakashi M, et al: Rheumatology (Oxford) 2020;59:3284-92)、従来群の生存率25%(生存1名/4名)であった一方で血漿交換追加群では生
存率100%(生存6名/6名)であったという報告があり(Abe Y, et al: Rheumatology (Oxford) 2020;59:767-71)、本疾患において治療抵抗性の
難治例に対する血漿交換療法の予後改善効果が示されている。

日本アフェレシスガイドライン(2021年発行、発行団体:日本アフェレシス学会)にはカ
テゴリーⅡ(弱い推奨、弱いエビデンスの質)として「病態の重篤性を鑑みアフェレシス
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
は可及的速やかに併用すべきである」と記載されている。この診療ガイドラインは診療ガ
る。)
イドライン評価ツールAGREEⅡを用いた自己点検により評価がなされており、このガイドラ
インの使用が推奨されている。なお本診療ガイドラインはMindsにも掲載されている。

ガイドライン等での位置づけ

④普及性の変化
※下記のように推定した根拠

年間対象者数の
変化

年間実施回数の
変化等

見直し前の症例数(人)

0人

見直し後の症例数(人)

50~100人

見直し前の回数(回)

0回

見直し後の回数(回)

450~1,500回

⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

本邦において皮膚筋炎/多発筋炎患者のうち抗MDA5抗体が陽性である患者数は19~35%程とされ(Lupus.25(8):925-33,2016.)、その中で急速進行
性間質性肺炎をきたす患者の割合は71%程とされる(Rheumatology (Oxford).56(9):1492-1497,2017)。平成29~令和元年度の医療受給者証保持者
数の推移から皮膚筋炎/多発性筋炎の総患者数は約21,400-23,200人、皮膚筋炎/多発性筋炎はほぼ同数であり、5年生存率が皮膚筋炎で50%、多発
性筋炎で90%程であるとされていることから、皮膚筋炎の年間新規発症者数は約1,460-1,650人/年と推計される。このため、同疾患の中で抗MDA5
抗体が陽性で(19~35%)急速進行性間質性肺炎を新規に発症し(71%)、かつ多剤免疫抑制療法によっても改善が認められずに(25%)血漿交換療法
の追加施行が対象となる患者数は全国で約50-100名/年と推測される。

血漿交換療法は本学会の認定制度が定める専門医、認定技士、認定施設によって全国的に施行されている。血漿交換療法は肝臓疾患、神経疾患、
皮膚疾患、膠原病・リウマチ性疾患、血液疾患、循環器疾患、腎臓疾患など様々な難治性病態や急性期病態が適応となることから基本領域のみな
らず各専門領域(いわゆるサブスペシャリティ領域)の専門医を中心に本学会認定の専門医は構成され技術のみならず、疾患領域の専門的な知識
を習得している。

施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 アフェレシス専用装置を有し、本学会が定める認定専門医ならびに認定技士が処置に携わることが望ましい
制等)
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門 各科専門医を取得後、特にトレーニングを受けた指導医クラスの医師(医師免許取得後15年程度)1名、看護師1名、臨床工学技士1名
性や経験年数等)
その他
アフェレシスマニュアル(日本アフェレシス学会編集)
(遵守すべきガイドライン等その他の 日本アフェレシスガイドライン
要件)

⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

血漿交換療法の際に挿入するブラッドアクセス用ダブルルーメンカテーテル挿入の際の血腫や動脈穿刺などの合併症(0.3~1.6%)、同ブラッド
アクセス用カテーテルの感染症(0.1%)、抗凝固剤による出血傾向(0.1%以下)、薬剤アレルギー(0.1~1%未満)、体外循環中の血圧等の血
行動態悪化(頻度不明)が想定される。

⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

問題なし

⑧点数等見直し
の場合

見直し前

0

見直し後

4,200

その根拠

他疾患の血漿交換療法の診療報酬点数に準拠

区分
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)

該当なし

区分をリストから選択

番号
技術名

該当なし

具体的な内容

該当なし

2