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提案書01(0001頁~0202頁)医療技術評価・再評価提案書 (167 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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医療技術評価提案書(保険未収載技術用)
整理番号

※事務処理用

提案される医療技術名
申請団体名

215101
18F標識フルシクロビンを用いた場合のポジトロン断層撮影、ポジトロン断層・コンピューター断層複合撮影、ポジトロン
断層・磁気共鳴コンピューター断層複合撮影
日本核医学会

主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科

28放射線科
29脳神経外科

関連する診療科(2つまで)
00なし

提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
提案当時の医療技術名
場合、右欄も記
載する


リストから選択
特になし

有無をリストから選択

追加のエビデンスの有無

提案される医療技術の概要
(200字以内)

18F標識フルシクロビンを投与し、脳内の腫瘍細胞のアミノ酸代謝亢進をポジトロン断層撮影装置で画像化することで可視
化する技術である。初発の悪性神経膠腫の腫瘍摘出計画時に磁気共鳴コンピューター断層撮影(以下、MRI)検査への上乗
せにより、MRI検査では特定できない腫瘍の局在や範囲等の情報を与え、摘出する腫瘍体積の増大とそれによる予後の改善
への寄与が期待できることが本剤の審査報告書により認められている。

文字数: 200
対象疾患名

保険収載が必要な理由
(300字以内)

初発の悪性神経膠腫

現在の悪性神経膠腫の治療では、神経機能の温存を図りつつ可能な限り多くの腫瘍を摘出することが原則とされ、摘出割合
が大きいほど生命予後が改善されると報告されている。腫瘍摘出範囲は、主に造影T1強調MRI画像の高信号領域に基づき決
定されるが、必ずしも腫瘍組織を反映していない。本技術は腫瘍細胞のアミノ酸代謝亢進を利用して腫瘍細胞を画像化す
る。したがって、本技術をMRI検査に上乗せすることで、形態的な組織異常に至らない腫瘍の広がりをより適切に特定でき
ることから、手術において腫瘍摘出量が増加し患者予後がより改善する可能性がある。本剤はすでに2021年3月に薬事承認
されており、早急に保険収載する必要がある。

文字数: 300
【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等

②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)

初発の悪性神経膠腫が疑われ、腫瘍摘出術が予定される患者

18F標識フルシクロビン(以下、本剤)は、半減期が110分のポジトロン断層撮影(以下、PET)検査用の放射性医薬品であ
る。
既存のPET検査用の放射性医薬品(FDGやアミロイドPET)は、医療機関内で合成されるものと、医薬品メーカーが製造し医
療機関に届けられるものが存在するが、本剤については、後者のみとなっている。
本剤185MBq(標準投与量)を静脈内投与した後に、PET装置、ポジトロン断層・コンピューター断層複合撮影(PET/CT)装
置、ポジトロン断層・磁気共鳴コンピューター断層複合撮影(PET/MRI)装置のいずれかを用いて撮影する。
本技術は患者一人につき1回のみ実施するものである。
各手技に要する時間は以下の通りである(PET検査部分のみ)。
① 投与:20~30分(静脈ラインの確保を含む。静脈内に本剤(約2mL)を急速静注し、生食でフラッシュする)
② 撮影:10分(投与10分後以降、50分後までに10分間のPET撮影を実施)
③ 画像再構成、読影:60分程度

③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)

区分



番号

202

医療技術名

磁気共鳴コンピューター断層撮影(MRI撮影)(一連につき)

既存の治療法・検査法等の内容

神経膠腫の腫瘍摘出術の適否や腫瘍摘出範囲の決定のための術前画像検査として、ガドリニウム造影剤を用いた造影T1強調
MRI画像の撮影や、FLAIR又はT2強調MRI画像の撮影が実施される。

④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム

悪性神経膠腫に対する既存の術前画像検査では、造影T1強調MRI画像の高信号領域、並びにFLAIR又はT2強調MRI画像の高信
号領域がそれぞれ腫瘍と判断されているが、FLAIR又はT2強調MRI画像は周辺の組織よりも水分が多い領域(浮腫を含む)を
高信号に示すことから、腫瘍範囲と必ずしも一致しない。従って、主として造影T1強調MRI画像の高信号領域に基づき摘出
術が計画されるが、造影T1強調MRI画像は、腫瘍により血液脳関門(以下、BBB)が破綻した部位を造影するものの、腫瘍が
浸潤しているがBBBが破綻していない部位がある場合があり、そのような状況では腫瘍浸潤範囲を正確に特定できない。造
影T1強調MRI画像の高信号領域から3cm以上離れた部位にも腫瘍が存在する可能性があることも報告されている(参考文献
1)。
本剤は、放射性同位元素である18Fで標識された非天然型アミノ酸のPET診断薬である。天然型アミノ酸と同様に、アミノ酸
トランスポーターを介して細胞内に取り込まれる。腫瘍細胞等では正常細胞よりもアミノ酸代謝が亢進しアミノ酸がより多
く取り込まれることを利用して、本剤を用いたPET検査により腫瘍の可視化が可能となる。現在、広く臨床で使用されてい
るPET診断薬であるFDGは腫瘍細胞の糖代謝の亢進を利用して腫瘍を画像化するが、脳腫瘍の検出に関しては、脳の正常細胞
も糖を栄養として取り込むことから、その画像化、特に浸潤性である悪性神経膠腫の浸潤範囲の評価は困難である。アミノ
酸である本剤はBBBを透過し、腫瘍細胞に集積する一方、脳の正常細胞へはほとんど取り込まれないため、造影T1強調画像
の高信号領域外の腫瘍組織の存在を一定以上の確度で特定することができる(参考文献2)。
このように本技術は、MRI検査で得られる情報のみでは特定できない腫瘍を特定できる新規の技術であり、予後改善のため
に神経機能の温存を図りつつ可能な限り多くの腫瘍を摘出することが原則とされる悪性神経膠腫の治療計画の決定に資する
新たな情報を提供することができる。

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