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提案書01(0001頁~0202頁)医療技術評価・再評価提案書 (88 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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②現在の診療報酬上の取扱い
・対象とする患者
・医療技術の内容
・点数や算定の留意事項

申請技術である抗HLA抗体検査は、2020年度診療報酬改定において、移植が成立した場合という条件付きで、新たに臓器移植前の患者に対してス
クリーニング検査(1算定1,000点)と抗体特異性同定検査(1算定4,850点)が一度のみ算定可能となった。適応患者は肺移植、心移植、肝移植、
膵移植、膵島移植、小腸移植、腎臓移植の全臓器移植患者が対象となっている。ただし、臓器移植待機中の検査実施の算定はできないこととなっ
ている。


診療報酬区分(再掲)
診療報酬番号(再掲)

014-46, 47

医療技術名

抗HLA抗体検査(スクリーニング・同定)
腎移植前に抗HLA抗体パネル検査(PRA)が高値であったハイリスク待機患者20症例に対して脱感作療法(リツキシマブ+高容量ガンマグロブリン
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 療法)を行い、PRA値を下げることができ(施行前平均77% → 施行後平均44%に低下)80%(16/20)の症例で腎移植を実施することができた(参考
後等のアウトカム
文献3 p245-246 黄色ハイライトより)。1年目の移植臓器生着率は94%であった。

③再評価の根
拠・有効性
ガイドライン等での位置づけ

④普及性の変化
※下記のように推定した根拠

年間対象者数の
変化

年間実施回数の
変化等

日本臓器移植ネットワークに現時点で登録されている臓器移植待機患者15,863人に年一度抗HLA抗体スクリーニング検査(1検査1,000点)を実施
し、さらにその内10%は陽性となると見込みそれらに同定検査を実施するとして算出した。

見直し前の症例数(人)

0人

見直し後の症例数(人)

15,863人

見直し前の回数(回)

0回

見直し後の回数(回)

15,863回

⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

2020年KDIGO の腎移植待機患者ガイドライン(参考文献4)のs80-s81 (参考文献内の黄色
ハイライト)のSection 19の19.2に移植待機患者や感作歴のある患者に対して定期的なHLA
抗体検査の実施が推奨されている。欧米では古くから一般化されているために比較試験が
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
ないため推奨gradeは付かないが、すでに一般化されていて有用な検査であるとの記載があ
る。)
る。また、日本移植学会からも2023年夏に臓器移植抗体陽性診療ガイドラインが刊行予定
であるが、CQ3-3に脱感作療法は有効か、において移植前HLA抗体を有している場合、脱感
作療法が推奨されている(グレードB)

抗HLA抗体検査(スクリーニング/抗体特異性同定検査)は平成30年度診療報酬改定で新規算定可能項目となり臓器移植後の測定が可能となった
ため、現在はほとんど全ての移植施設において実施されており、さらに令和2年度改定で移植が成立した場合の術前検査としても適応拡大された
ことによりより多くの移植実施施設で普及しており、技術の成熟度としては問題ない。また、日本移植学会編集の「臓器移植抗体陽性診療ガイド
ライン2018年版」でもその重要性が明記されている。またその改訂版である「臓器移植抗体陽性診療ガイドライン2023]が2023年夏に刊
行予定であり、そこでも移植前抗HLA抗体陽性の場合の脱感作療法が推奨されている。また、この検査は専門性の高い検査であるので外注検査を
実施している施設が多い。

施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 B001 25移植後患者指導管理料を算定できる、厚生労働大臣が定める移植施設基準を満たす施設に限定される。
制等)
人的配置の要件
B001 25移植後患者指導管理料査定が定めるところの、当該保険医療機関の保険医、看護師、薬剤師等が共同して計画的な医学管理を行う施設で
(医師、看護師等の職種や人数、専門 算定される。
性や経験年数等)
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の 「臓器移植抗体陽性診療ガイドライン2018年版」「臓器移植抗体陽性診療ガイドライン2023(今夏刊行予定)」
要件)

⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

検査そのものには特別の危険性はない。

⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

倫理性に関しては問題ない。本検査を実施することで早期の移植臓器機能不全を防ぐことが可能となれば臓器移植を受ける臓器不全患者の生命予
後の向上や他の代替治療(血液透析等)へ移行する場合の医療費の削減につながるので社会的妥当性は極めて高いと考えられる。

⑧点数等見直し
の場合
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)

見直し前
見直し後
その根拠

該当なし
該当なし
該当なし

区分

該当なし

区分をリストから選択

番号
技術名

該当なし
該当なし

具体的な内容

該当なし
増(+)

プラスマイナス

⑩予想影響額

予想影響額(円)

235,551,000円

その根拠

日本臓器移植ネットワークに現時点で登録されている臓器移植待機患者15,863人に年一度抗HLA抗体スクリーニング検査(1検査1,000点)を実施
し、さらにその内10%は陽性となると見込みそれらに同定検査を実施するとして算出した。

備考

なし

⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬

該当なし

⑫その他

該当なし

⑬当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等

特になし

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