提案書01(0001頁~0202頁)医療技術評価・再評価提案書 (184 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
拠・有効性
18FDGの不明熱の診断に関する薬事上の効能効果の追加については、その合成機器が「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会」
においてニーズ選定され、医療上の必要性は高いと判断されて、現在具体的な効能追加の方法が検討されている。18FDGを用いたPET検査による不
明熱の診断については、対象疾患が希少疾病のため大規模な臨床試験が実施困難であるものの、多くの臨床データによって、海外・国内における
有用性が確認されている(参考文献①、②)。欧米では炎症性疾患の診断に対する有用性を記載したEANM/SNMMI ガイドライン(参考文献➂)が作
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 成されており、英国、独国及び仏国においては、18FDG を有効成分とする医薬品について、「原発不明熱における病原学的診断の指針となる異常
後等のアウトカム
な病巣の局在診断」の効能・効果が承認されている。本邦においても先進医療研究において18FDG によるPET 検査の有用性として現行のガリウム
と比較して優位に熱源の検出感度が上回ったことが示されている(参考文献➃)。また国内の前向き調査では、約31%の不明熱患者に対してFDGPET/CT検査が診断ツールとして自費診療の上で利用されている実情が報告されていることから(参考文献➄)、国内における公知性は高いと判断
される。
ガイドライン等での位置づけ
④普及性の変化
※下記のように推定した根拠
年間対象者数の
変化
年間実施回数の
変化等
政府統計 平成29年度の患者調査(傷病分類編)において不明熱の総患者数は7,000人とされている.このうち、一般的な診療によって不明熱の診
断がつかず、18FDG-PET/CT検査が必要とされる例は、2016~2017年を対象に本邦における不明熱患者の状況を調査した内藤らの論文によって、
31.2%の不明熱患者に対して18FDG-PET/CT検査が診断ツールとして自費診療の上でも必要とされた実情を加味し、年間2,200人程度と考えられ
る。
7,000人×31.2%÷100=2,184人
見直し前の症例数(人)
2,200人
見直し後の症例数(人)
2,200人
見直し前の回数(回)
2,200回
見直し後の回数(回)
2,200回
⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)
・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す 日本臨床検査医学会の臨床検査のガイドライン(JSLM2021)では、不明熱と診断された場
る。)
合の診断アプローチとして、FDG-PETが主な検査として挙げられている。
日本核医学会の「FDG PET,PET/CT診療ガイドライン2020」には不明熱の原因である悪性腫瘍、大型血管炎に対するFDG-PET検査の内容が掲載され
ている。また、高安動脈炎等の大型血管炎以外の炎症性疾患において炎症の部位診断や原因特定が困難な症例にFDG-PETが非常に有用な診断法の
ひとつであるとされ、通常の FDG PET の手順にしたがって、検査施行,読影を行うと掲載されている。専門性は高いが専門医による診断に対し
て技術的には問題はなく、検査技術の難易度については、既存の18FDGを用いるPET検査と同等である。
日本核医学会の「FDG PET,PET/CT診療ガイドライン2020」には不明熱の原因である悪性腫瘍、大型血管炎に対するFDG-PET検査の内容が掲載され
施設の要件
ている。また、高安動脈炎等の大型血管炎以外の炎症性疾患において炎症の部位診断や原因特定が困難な症例にFDG-PETが非常に有用な診断法の
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 ひとつであるとされ、通常の FDG PET の手順にしたがって、検査施行,読影を行うと掲載されている。専門性は高いが専門医による診断に対し
制等)
て技術的には問題はなく、検査技術の難易度については、既存の18FDGを用いるPET検査と同等である。
人的配置の要件
(1) 核医学診断の経験を3年以上有し、かつ、所定の研修を修了した常勤医師が1名以上いること。
(医師、看護師等の職種や人数、専門 (2) 診断撮影機器ごとに、PET製剤の取扱いに関し、専門の知識及び経験を有する専任の診療放射線技師が1名以上いること。
性や経験年数等)
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の 日本アイソトープ協会医学・薬学部会ポジトロン核医学利用専門委員会において成熟技術として認められている。
要件)
⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度
海外及び本邦での不明熱患者等における18FDGを用いたPET検査の実施例では、安全性の懸念に関して特段報告されていない。また、先進医療研究
では重篤な副作用の出現はなく、先進医療技術審査部会によって安全性はA(問題なし)と判断されている。18FDGは悪性腫瘍、心疾患、てんか
ん、大型血管炎を対象に保険適用されており、既に150 万件を超える検査が実施されている。したがって、国内における使用経験は十分にあり、
18FDGを用いたPET検査に関する一定の安全性情報は既に確認されている.
⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)
問題なし。
⑧点数等見直し
の場合
見直し前
見直し後
その根拠
8,625
8,625
対象疾患の適用範囲の拡大のため、点数に変更なし。
区分
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)
E
番号
技術名
-
-
具体的な内容
特になし。
増(+)
プラスマイナス
予想影響額(円)
78,137,400
不明熱が適応疾患に追加されることによる影響を算出する。ただし、PET検査の増加する分、これまで実施されていたガリウムシンチグラフィ
(E100)等の実施が減少すると考えられることから、その減額分を考慮する。
⑩予想影響額
・予想される年間対象患者数(④の数値) = 2,200人
・予想される一人当たりの年間実施回数 = 2,200回
・現行の18FDG-PET/CTの診療報酬点数 = 8,625点
・PET検査の核医学診断料 = 450点
・電子画像管理加算 =120点
・現行のガリウムシンチグラフィの診療報酬点数 = 1,800点
・SPECTの核医学診断料 = 370点
・67Gaの薬価(111MBq) = 33,533円
その根拠
①
②
18FDGを用いるPET検査により増額する費用は
(8,625点+450点+120点)×10 × 2,200件 = 202,290,000円
減少するガリウムシンチグラフィの費用は
[(1,800点+370点+120点)×10 + 33,533円] × 2,200件 =
従って、影響額は、
と予想される。
備考
①-②
=
202,290,000円 - 124,152,600円
-
⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬
なし(別紙、添付文書ともに不要)
⑫その他
-
184
=
124,152,600円
78,137,400円