よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


提案書01(0001頁~0202頁)医療技術評価・再評価提案書 (187 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

概要図書式

提案番号(6桁)

申請技術名

申請学会名

215201

「ポジトロン断層撮影及びポジトロン断層・コンピューター断層複合撮影 2
18FDGを用いた場合(一連の検査につき)不明熱の診断」 について

日本核医学会

【技術の概要】
18FDGを患者に静脈内投与し、滞留した18Fから放射されるガンマ線

をPETカメラで撮像して得られたデータを3次元的に画像化し、診断
する技術である。18FDGを用いたポジトロン断層撮影については、て
んかん、心疾患、血管炎の診断、悪性腫瘍(早期胃癌を除き、悪性リン
パ腫を含む。)の病期診断若しくは転移・再発の診断を目的として保険
適用が認められている。
一般的な検査や診断基準、既存の形態学的画像で不明熱の診断に至
らない場合、糖代謝に基づく悪性及び炎症病変の局在等に関する全身
的な情報を提供できる18FDGを用いたPET及びPET/CT検査の有
用性は高く、 その適応疾患として、不明熱への拡大を要望する。
欧米では炎症性疾患の診断に対する18FDG-PET/CTの有用性を記
載したEANM/SNMMI ガイドラインが公開され、英国、独国及び仏国
では、18FDG を有効成分とする医薬品について「原発不明熱における
病原学的診断の指針となる異常な病巣の局在診断」の効能・効果が承
認されている。

【対象疾患】

【既存の診断法との比較】
一般的な不明熱の診療、診断基準、形態学的検査画像等で診断不能の
不明熱患者に対する熱源検索方法として、糖代謝を反映する18FDGPET/CT検査を実施する(検査時間:約1時間半。悪性腫瘍や血管炎と
同じ検査方法)。
18FDGの異常集積部位を核医学専門医が判断し、熱源としての妥当
性を担当医と協議した上で、確定診断もしくは生検等の確定診断のた
めの手技を追加する。
1975年以降、不明熱の診断としてガリウムシンチグラフィーが選択さ
れてきたが、 「低感度」、「被ばく」、「前処置」、「2日以上の検査期間」
などの問題があり、 18FDG PET/CTは全てを改善する。
日本臨床検査医学会の臨床検査のガイドライン(JSLM2021)では、
不明熱と診断された場合の診断アプローチとして、18FDG-PETが主
な検査として挙げられている。

【有効性及び診療報酬上の取扱い】
メタアナリシスで、18FDG-

18F-FDG PET/CT

ガリウム
SPECT/CT

PET/CTの感度は86%、特異度
不明熱は、「38.3 度以上の発熱(舌下温)が 3 週間以上持続し、3日
52% (ガリウムシンチグラフィー
間の入院検査あるいは3回の外来検査で診断が不明」と定義される。
はそれぞれ60%、63%)。
18FDG-PET/CTは高い熱源検
不明熱の原因疾患群は「感染症」、「悪性腫瘍」、「炎症性疾患」であるが、
出感度によって不明熱診断に貢
一般的な検査や診断基準、既存の形態学的画像診断では原因疾患の
献できる。
特定に至らない場合があり、日常生活の長期にわたる制限の他、放置
すれば様々な重大な障害が生じる可能性が高い。
診療報酬上の取り扱いとして、E
「総理府統計 平成29年度(2017年)の患者調査(傷病分類編)」によ
画像診断 E101-2、E101-3
れば、本邦における不明熱患者の総患者数は7,000人/年である。
2 18FDGを用いた場合(一連の
内藤らの国内調査では約 31.2%の不明熱患者に自費診療での
検査につき)の対象疾患に不明熱
18FDG-PET/CTが必要と判断された。これらから、 18FDGを追加する。
*FDGの陽性部位から「感染性心内膜炎」
PET/CTを必要とする不明熱患者数は推定2,200人/年である。
187

の診断に至り、治療によって軽快。