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提案書01(0001頁~0202頁)医療技術評価・再評価提案書 (3 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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増(+)

プラスマイナス
予想影響額(円)

その根拠
⑩予想影響額

備考

183,750,000~367,500,000(円)
血漿交換療法の本症1例当たりの施行件数は15回ほどと考えられる。診療報酬点数4,200点のほか新鮮凍結血漿といった血液製剤、血漿交換用血
漿分離器などを用いた1回の治療あたりの医療費は合計245,000円程であるため、保険適応した場合の予想年間医療費:245,000(円)×年間50~
100名×15回≒1.84億~3.68億円となる。なお、血漿交換療法を併用することで病態が改善し、結果として集中治療室に在室する日数が減少する
ことが予想されるが、これについては減少すると予想される医療費の計算の基礎となるデータが報告されていないため、明確な金額を示すことが
できない。このため予想影響額を技術に係る予想年間医療費のみで表記した。

対象となる患者一人当たりにかかる医療費の増分は245,000円×15回=3,675,000円と想定されるが、これにより既存治療では発症から2カ月後頃ま
でに急激に亡くなってしまっていた方(中央値55歳)が平均寿命を全うできるほどに改善すると考えられるため、その増分費用効果比:
Incremental Cost Effectiveness Ratio (ICER)は147,000円/QALYほどと比較的少ないものと考えられる。

⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬

なし

⑫その他

既に血漿交換療法(J-039)においては、血液中から血漿を分離することを目的として膜型血漿分離器(販売名:プラズマフローOP 薬事承認
番号:16300BZZ00991000)が主に用いられている。本提案が認められた場合には血漿交換療法の際に同様の材料機器を用いることが想定される。
同医療材料については医薬品医療機器法に基づき、製造販売元の旭化成メディカル株式会社より本疾患に対する使用申請がなされている。

⑬当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等

特になし

⑭参考文献1

⑭参考文献2

⑭参考文献3

⑭参考文献4

1)名称

Therapeutic plasma exchange for steroid refractory idiopathic inflammatory myopathies with interstitial lung disease.

2)著者

Thompson TZ, Bobr A, Juskewitch JE, Winters JL

3)雑誌名、年、月、号、ページ

J Clin Apher、 2022年、11月、 Online ahead of print.

4)概要

米国からの報告。同国において、標準治療で肺機能の改善が認められない抗体MDA5抗体陽性例を含む多発性筋炎の患者8名に対し血漿交換療法を
施行したところ、過去10年間で8人中7名に肺機能の改善を認めていた。

1)名称

Clinical parameters of therapeutic apheresis induction in clinically amyopathic dermatomyositis patients with rapid progressive
interstitial lung disease.

2)著者

Kagitani M, Nomi H, Azuma H.

3)雑誌名、年、月、号、ページ

Ther Apher Dial、 2023年、2月、27巻1号、152-158ページ

4)概要

本邦からの文献的報告のレビュー(Literature Review)。これまで皮膚筋炎に合併した急速進行性間質性肺炎に対し血漿交換療法を施行された
48名について、そのうち35名が生存し、13名が亡くなっていた。同病態の機序から、悪化に関与する活性化した単球とマクロファージによって引
き起こされる炎症性サイトカインを減少させることが血漿交換療法の有効性機序ではないかと考察されている。

1)名称

A case of clinically amyopathic dermatomyositis that was refractory to intensive immunosuppressive therapy including tofacitinib,
but successfully treated with plasma exchange therapy.

2)著者

Hiraoka D, Ishizaki J, Horie K, Matsumoto T, Suemori K, Takenaka K, Hasegawa H.

3)雑誌名、年、月、号、ページ

Mod Rheumatol Case Rep、2022年、6月、24巻6号、194-198ページ

4)概要

トファシチニブを含む集中的な免疫抑制療法に抵抗性の患者に対し血漿交換療法を施行したところ救命した例の症例報告。

1)名称

Successful treatment of anti-MDA5 antibody-positive refractory interstitial lung disease with plasma exchange therapy

2)著者

Abe Y, Kusaoi M, Tada K, Yamaji K, Tamura N.

3)雑誌名、年、月、号、ページ

Rheumatology (Oxford)、2020年、4月、59巻4号、767-771ページ

4)概要

2008年から2019年に新たに診断された抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎に伴う急速進行性間質性肺炎患者28名のうち集中的な知免疫抑制療法に抵抗を示し
た10名について、血漿交換療法をうけていた6名と血漿交換療法が施行されていなかった4名(歴史的対照群として)の予後を比較。
血漿交換を受けていた群の1年生存率は100%であったのに比較し、血漿交換を受けていなかった群では生存率は25%であった。両群には有意差をみ
とめており、治療抵抗性の同疾患患者に対しての血漿交換療法の有効性が示唆された。

1)名称

Multicenter Prospective Study of the Efficacy and Safety of Combined Immunosuppressive Therapy With High-Dose Glucocorticoid,
Tacrolimus, and Cyclophosphamide in Interstitial Lung Diseases Accompanied by Anti-Melanoma Differentiation-Associated Gene 5Positive Dermatomyositis.

2)著者

Tsuji H, Nakashima R, Hosono Y, Imura Y, Yagita M, Yoshifuji H, Hirata S, Nojima T, Sugiyama E, Hatta K, Taguchi Y, Katayama M,
Tanizawa K, Handa T, Uozumi R, Akizuki S, Murakami K, Hashimoto M, Tanaka M, Ohmura K, Mimori T.

3)雑誌名、年、月、号、ページ

Arthritis Rheumatol、2020年、3月、72巻3号、488-498ページ

4)概要

抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎に伴う急速進行性間質性肺炎の予後を調査した多施設共同研究である。2014年から2017年にかけて新たに発症し、前向き
なプロトコールを用いて強力な免疫抑制療法を積極的に行った群(n=29)と、免疫抑制剤を徐々にステップアップして投与していた以前の群
(n=15)を比較した。
強力に免疫抑制治療をおこなっていた群はステップアップ群と比較しより免疫抑制剤投与のタイミングがより早く、より血漿交換療法を受ける割
合が高いとされたが、6か月生存率は積極治療群89%に対しステップアップ群33%と有意に積極治療群のほうが良好であった。
また、血漿交換療法の施行が許可されていた積極的治療群29名(うち血漿交換の使用は9名)と、同様の強力な免疫抑制剤がなされていたものの
血漿交換療法は施行されないで治療がなされていた歴史的対照群15名との予後を比較すると、その生存率は6か月時点で積極的治療群で89%、対照
群で71%、12か月時点では積極的治療群85%、対照群71%と有意差はついていないものの血漿交換療法を含めた積極治療群のほうが良好な成績を示
していた。
同疾患の間質性肺炎難治例においては血漿交換療法を併用することが有効であると考察されている。

⑭参考文献5

※⑬については、1.の「主たる申請団体」および「上記以外の申請団体」以外に、提案される医療技術に関する研究、会合、論文発表等を実施している学会等の関連団体や研
究者等の名称を記載すること。

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