よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


提案書02(0203頁~0398頁)医療技術評価・再評価提案書 (129 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

医療技術評価提案書(保険未収載技術用)
整理番号

※事務処理用

提案される医療技術名
申請団体名

228101
電子媒体記録あるいはデータ伝送システムによる夜間血圧測定
特定非営利活動法人

主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科

日本高血圧学会
03循環器内科
01内科

関連する診療科(2つまで)
リストから選択

提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医

療技術の提案実績の有無
過去に提案した年度
令和4年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
電子媒体記録あるいはデータ伝送システムによる夜間血圧測定
提案当時の医療技術名
場合、右欄も記
載する
追加のエビデンスの有無



提案される医療技術の概要
(200字以内)

昼間(覚醒時)の手動測定のほかに、夜間(睡眠中)に自動測定できる自動血圧計を、患者が医療機関から借り受け、一定
期間家庭で測定する。測定結果は自動血圧計に内蔵のメモリに蓄積、または通信機能によってサーバに自動送信され、客観
的かつ正確に 医師の診療に供される。

文字数: 128
対象疾患名

保険収載が必要な理由
(300字以内)
文字数: 235

本態性高血圧症・二次性高血圧症
家庭血圧は脳心血管疾患発症・死亡の予測能が随時外来血圧より高く、高血圧診療に重要とされるが1, 2)、患者による誤記
や恣意的操作などにより信頼性が疑われ、診療に充分応用できない場合がある。そこで、電子記憶・通信媒体や自動測定機
能を持つ医療機関向け血圧計を患者が借り受け、家庭で測定できれば有用で高信頼の血圧情報が得られ、合併症予防・管理
に効果的な診療を積極的に進めることで保険財政へ貢献し得るが、機器および評価の費用負担者が医療機関では普及が難し
く、保険収載が望まれる。

【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等

a. 仮面高血圧(診察室血圧が正常で、普段の血圧が基準以上である状態)
b. 夜間高血圧(夜間睡眠時の血圧が基準値以上である状態)
c. 治療抵抗性高血圧(降圧薬3剤以上服用にも関わらず、降圧目標を達成しない状態)

②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)

自動測定機能の搭載が認められている医用電子血圧計(医療機関向け非侵襲自動血圧計の分類)を医療機関が患者に貸出し
て、夜間(睡眠時)を含む普段の生活環境下での血圧を測定する。血圧計にはクロックとメモリが内蔵されているととも
に、管理プログラムをインストールした医師のパソコンと、インターネットやUSBなどの通信回線によりデータ通信手段を
有している。この通信手段により、医師は夜間血圧の測定タイミング(時刻やスイッチ操作からの経過時間など)を任意に
設定する。患者は、血圧計を自宅に持ち帰り、昼間(起床時や就寝前、その他の覚醒時)に家庭血圧を手動で行うととも
に、腕帯(カフ)を装着して就寝すると、睡眠中に医師が設定したタイミングで夜間血圧測定が行われる。一定期間の使用
後、患者が医療機関に血圧計を返却すると、内蔵メモリに保存されたデータを医師がパソコンに読み取り、所定のパソコン
ソフトで結果の評価を行う。血圧計内部に携帯電話回線による通信機能を備え、インターネットを介して医師のパソコンに
データを送信するものもある。

③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)

区分



番号

D225-3

医療技術名

24時間自由行動下血圧測定

既存の治療法・検査法等の内容

一定間隔で自動測定する携帯型自動血圧計を装着し、睡眠を含む普段の生活活動下での血圧を測定・記録する

④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム

家庭血圧は、24時間にわたる血圧コントロールの評価や、仮面高血圧、白衣高血圧の検出に有効であり1-3)、その測定結果
を、患者を介さず、電子媒体によって直接入手することにより、客観的かつ正確に診療に反映させ血圧コントロール率を向
上することができる。降圧薬が不要な白衣高血圧者への投薬中止による過降圧の防止や、薬剤費の削減が可能である4,
5)。仮面高血圧患者への投薬治療の開始、血圧管理が不充分である持続性高血圧患者への治療強化などを通じて、脳心血管
合併症発症を予防し国民のQOLを改善させることができると共に、合併症治療に必要な医療費の削減が可能である。
夜間血圧測定の手段として、現在行われている24時間自由行動下血圧測定(ABPM)は、一定間隔で自動測定する携帯型血圧
計を患者が24時間携帯し、普段の生活下での血圧を測定記録するものである。装置は医療機関が購入・所有し、患者に適用
するごとに保険料(200点)が支払われる。ABPMは昼間の生活活動下で測定する必要から、医療機関で特殊な器具を用いて
装着してもらい、24時間の測定完了後、再度来院して取り外してもらう必要がある。また、ABPMは患者負担が大きく、複数
日の測定は難しい。しかし、血圧には日間変動(日差変動)があるため、一昼夜の測定では不充分と考えられており1)、複
数日に同一被験者でABPMを繰返した時の再現性は71~77%に留まる6-8)。一方、夜間測定機能付の医用電子血圧計は、外観
上は家庭血圧計と同一であるが、医療機関向けに市販され、夜間測定機能の搭載も認められている。昼間は、被検者の手動
操作により従来の家庭血圧と同様の測定を行う。夜間(睡眠時)は腕帯(マンシェット)を腕に巻いてから就寝すると自動
測定が行われる。このため、医療機関での脱着の必要がなく、患者負担も小さいので複数日測定が可能であり、ABPMとの比
較において、夜間血圧と臓器障害9)やその退縮10)及び心血管イベント11)との関係がより緊密であったと報告されている。
したがって、夜間血圧を夜間測定機能付き血圧計で測定することによって、ABPMよりも正確な測定結果が期待できる。

331