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提案書02(0203頁~0398頁)医療技術評価・再評価提案書 (144 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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医療技術評価提案書(保険未収載技術用)
整理番号

※事務処理用

提案される医療技術名
申請団体名

229101
トレイルメイキングテスト(TMT-J)
日本高次脳機能障害学会

主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科

36リハビリテーション科
12神経内科

関連する診療科(2つまで)
29脳神経外科

提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
「実績あり」の 度)
Trail Making Test日本版(TMT-J)
場合、右欄も記 提案当時の医療技術名
載する


令和4年度

追加のエビデンスの有無



提案される医療技術の概要
(200字以内)

MMSEやHDS-R等の認知症スクリーニングテストでは評価できない「視覚性・空間性の注意、処理速度等」を測定できる神経
心理学的検査法である。紙面に散在する数字あるいは平仮名を順に鉛筆でできるだけ早く結ぶ課題であり、特別な設備は要
しない。検査時間は30分程度(記録・判定時間・結果処理を含む)。

文字数: 146
対象疾患名

保険収載が必要な理由
(300字以内)

脳血管障害、外傷性脳損傷等による高次脳機能障害、軽度認知障害等

認知機能の簡便な検査法であるMMSEやHDS-Rはほとんどが言語性の課題からなり、視覚性・空間性の注意・処理速度は測定
できなかった。TMTは、視覚性・空間性の課題であり、幅広い注意、作動記憶、空間的探索、処理速度、保続、衝動性など
を総合的に測定できる。自動車運転再開・復職に向けての医学的評価法の1つとして特に定評がある。TMTは国際的に広く用
いられてきたが、TMT日本版(TMT-J)は、わが国ではじめて20~89歳の年齢で判定方法を明確化した標準化版である。臨床
現場での使用頻度及び運転適性評価等の社会的ニーズの高さから、早急な収載が望まれる。

文字数: 274
【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等

脳血管障害、外傷性脳損傷等、軽度認知障害等で、注意、作動記憶、空間的探索、処理速度、保続、衝動性などの障害が疑
われる者。適応年齢は20~89歳。

②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)

2つの検査課題からなる。Part Aでは、紙面に散在する数字を1から順に25まで、鉛筆を紙面から離すことなくできるだけ早
く結ぶ。Part Bでは、紙面に散在する数字(1~13)と平仮名(あ~し)を交互に「1-あ-2-い-3-う…」の順番で、
「13」まで鉛筆を紙面から離すことなくできるだけ早く結ぶ。いずれも所要時間と誤反応を記録して成績を判定する。検査
時間は30分程度(記録・判定時間・結果処理を含む)。実施頻度は、症例の障害(疾病)により異なるが、3ヶ月程度の間
隔をおいて実施することを原則とする。

③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)

区分



番号

-

医療技術名

特になし

既存の治療法・検査法等の内容

国際的にはComprehensive Trail Making Test(CTMT)等が出版されている。我が国では、個別に翻訳・作成したものがTMT
として実施されてきたが、検査用紙は統一されておらず、標準化され正式に出版されたものは無かった。

④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム

研究結果

従来のTMTの問題点を検討した上で適切な改訂を行い、20~80代の年代別正常値を設けたほか、「正常」、「境界」、「異
常」の判定基準を明確にした。本検査の開発により、多くの症例での障害を正当に把握できるようになった。

標的配置と探索の長さを適正化した検査用紙を用い、20~80代の各年代約20名(計約150名)の健常者を対象とした検討を
行い、Part BがPart Aに比べて認知的負荷が高く、また、年齢により所要時間が延長することを確認した。
2a

⑤ ④の根拠と
なる研究結果等
ガイドライン等での位置づけ

ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
る。)

346

注意と処理速度等に関する評価を行う検査法として既に広く用い
られている。医師は、日常診療において、就労支援や自動車運転
の継続/再開をはじめとして、患者の注意と処理速度を含む認知
機能について、正確な医学的評価を行うことが求められる。本検
査法は、「脳卒中,脳外傷等により高次脳機能障害が疑われる場
合の自動車運転に関する神経心理学的検査法の適応と判断、2020
年、日本高次脳機能障害学会」、「加齢等により認知機能低下が
疑われる場合の自動車運転に関する神経心理学的検査法の適応と
判断、2022年、日本高次脳機能障害学会」にて、推奨されてい
る。また、両指針は、東京都医師会会員向け「実地医家における
高齢ドライバーへの指導ガイド」(令和5年4月頃発行予定)(高
齢ドライバーへの診察の流れや法令制度、運転に関する諸機能と
その影響などが簡便に記された日常診療の運転に関するガイド
ブック)への掲載準備が進められている。