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提案書02(0203頁~0398頁)医療技術評価・再評価提案書 (54 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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医療技術評価提案書(保険未収載技術用)
整理番号

※事務処理用

提案される医療技術名
申請団体名

221101
肝臓リハビリテーション(運動療法)肝疾患運動管理加算
一般社団法人日本肝臓学会

主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科

04消化器内科
18消化器外科

関連する診療科(2つまで)
01内科

提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無



過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
場合、右欄も記 提案当時の医療技術名
載する

リストから選択

なし

追加のエビデンスの有無



提案される医療技術の概要
(200字以内)

肝硬変および肝癌患者に対してサルコペニア(筋力と骨格筋量)を評価し、当学会が示す「肝臓リハビリテーション指針」
に従って運動療法(肝臓リハ)を処方する(2023年4月HP公開)。指示書様式は日本リハビリテーション医学会と作成し、医
師、理学療法士と多職種が連携して、医療施設における肝臓リハの導入と在宅での運動指導を行う。肝臓リハを実践するこ
とでADL・QOLの向上や長期予後の改善、医療費の削減を図る。

文字数: 200
対象疾患名

保険収載が必要な理由
(300字以内)

サルコペニアを合併した肝硬変および肝癌。ウイルス性、アルコール性、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD/NASH)な
ど、肝疾患の成因は問わない。

サルコペニアは肝硬変の代表的な合併症であり、腹水や肝性脳症などの発症、QOLの低下、予後と関連する。NAFLD/NASHも
サルコペニアを悪化させるが、これらの病態を背景とする肝硬変も増加している。本邦や欧米のガイドラインにおいて、サ
ルコペニア対策における運動療法の重要性が明記されている。肝臓リハとは体組成や身体機能の評価に基づき、運動療法や
生活指導を包括的に実践するプログラムである。肝臓リハによってサルコペニアを回避することは、肝硬変および肝癌患者
の入院やADL・QOLの向上、合併症発症の予防、長期予後の改善に寄与するとともに、医療費の削減につながる。

文字数: 279
【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等

対象疾患は、サルコペニアを合併した肝硬変および肝癌とする。ウイルス性、アルコール性、非アルコール性脂肪性肝疾患
(NAFLD/NASH)など、肝疾患の成因は問わない。肝硬変に関してはChild-Pugh分類AおよびBを絶対的対象、Child-Pugh分類
Cの一部を相対的対象とする(欧州肝臓学会の指針に基づく)。Child-Pugh Bは身体障害者手帳交付における肝機能障害の
認定基準であり、障害度のさらなる進展を抑制するためにも介入対象とする。肝癌も肝予備能を評価し、実施する(肝予備
能の評価は肝硬変に準ずる)。

②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)

身体的評価(サルコペニア、栄養状態、ADL、QOLなど)と肝予備能(Child Pugh分類、肝性脳症、静脈瘤、脱水など)の評
価を行い、肝臓リハを導入する。サルコペニアの判定は、日本肝臓学会の「肝疾患におけるサルコペニア判定基準(第二
版)」または日本サルコペニア・フレイル学会の「サルコペニア診療ガイドライン2017(改訂版2020)」を用いて行う。筋
力は握力計を用いて、筋肉量はCT画像、生体電気インピーダンス法、DXA(Dual Energy X-Ray Absorptiometry)で評価す
る。
肝臓リハは、日本肝臓学会が示す「肝臓リハビリテーション指針」に従って実施する。肝硬変患者では「1日1回1 METsの運
動(速歩歩行・水泳など)を週4回」を基本とする。肝予備能を評価した上で、米国肝臓学会のガイドラインが推奨する
「週150~300分の中強度から高強度の運動と、週に少なくとも2日の筋力強化」も参考基準とする。肝癌患者では背景肝の
予備能を評価した上で、がんリハビリテーションと連携して行う。

区分
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)

区分をリストから選択

番号

なし

医療技術名

なし

既存の治療法・検査法等の内容

なし

④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム

肝硬変患者を対象にした複数のランダム化比較試験で、8~14週間の運動によるサルコペニアの改善効果が報告されてい
る。また運動能力の低下とピーク酸素消費量の減少は生存率の低下と関連するが、運動療法によってこれらの指標が維持さ
れることが報告されている。海外では、肝移植対象の慢性肝不全患者に対する運動療法の安全性と有効性が報告されてい
る。また運動療法は、身体機能のみならず肝硬変患者の精神面やQOLも改善する。
肝癌患者も高頻度にサルコペニアを合併し、治療効果や患者予後に悪影響を及ぼす。肝切除術を受けた肝癌患者を対象とし
たランダム化比較試験にて、術前・術後の運動療法は、術後6ヶ月後の無酸素性代謝閾値と最高酸素摂取量を改善すること
が示されている。American College of Sports Medicineのガイドラインでは、肝癌患者に対するリハビリテーションプロ
グラムが考案されている。肝癌治療患者において、運動療法によって骨格筋量の増加と身体的フレイルの改善がみられたこ
とや、肝動脈化学塞栓療法治療患者の予後が改善することが報告されている。本邦においても、20分の運動プログラムが肝
癌患者の筋萎縮を予防し、ADLと予後を改善することが報告されている。

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