提案書02(0203頁~0398頁)医療技術評価・再評価提案書 (55 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
⑤ ④の根拠と
なる研究結果等
1a
ガイドライン等での位置づけ
⑥普及性
上記の有用性に関してはRCTやメタ解析の結果として報告されており、本邦の肝硬変診療ガイドライン2020や欧米肝臓学会
の総説・ガイドラインに記載されている。
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
る。)
年間対象患者数(人)
42,000
国内年間実施回数(回)
420,000
肝硬変診療ガイドライン2020、欧州およびアメリカ肝臓学会の総
説(J Hepatol 2018、Hepatology 2019)
※患者数及び実施回数の推定根拠等
本邦における肝硬変患者数は約30万人である。厚生労働省の令和3年人口動態統計月報年計(概数)に基づく肝疾患の死亡
者数(そのほとんどは肝硬変による慢性肝不全)は1.8万人/年、肝癌の死亡者数は2.4万人/年であり、生命予後(死亡)に
直結する入院を必要とする肝疾患患者数は、少なくとも4.2万人/年以上と推定される。同患者の1回の入院期間中に10回
(10単位)のリハビリを施行すると仮定し、年間実施回数を算出した(4.2万人x10回=42万回)。
⑦医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)
日本肝臓学会は「肝臓リハビリテーション指針」をホームページ(HP)で2023年4月に公開し、肝臓リハの対象患者、疾患
ごとの実際の運動療法の内容、医学的メリット、医療経済的効果について説明している。肝硬変診療ガイドライン2020(日
本消化器病学会・日本肝臓学会編)、欧州および米国肝臓学会の総説・ガイドラインにおいても、肝硬変のサルコペニアに
対する運動療法の有用性が記載されており、国内外を問わずその必要性は広く認知されている。肝疾患におけるサルコペニ
アの判定基準は日本肝臓学会により提案されており(HPで公開)、握力と骨格筋量を測定(握力計とCTまたは生体電気イン
ピーダンス法で評価)し診断することが広く周知されている(同判定基準を用いた論文・エビデンスも多数報告されてい
る)。
・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)
施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体
制等)
肝臓内科、消化器内科、消化器外科を標榜し、理学療法士やリハビリテーション部門と十分に連携がとれる施設。
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門
性や経験年数等)
日本肝臓学会専門医、日本消化器病学会専門医を有する医師。日本肝臓学会が公開するサルコペニアに対する指導研修を受
講した医師、理学療法士、作業療法士が管理指導行う場合に算定する。がんリハビリテーションや内部障害リハビリテー
ションの経験を有している理学療法士や、肝炎医療コーディネーターの資格を有しているメディカルスタッフ(看護師、管
理栄養士、薬剤師など)が配置され連携していることが望ましい。
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の
要件)
日本肝臓学会の「肝臓リハビリテーション指針」を遵守する。欧州(J Hepatol 2018)および米国肝臓学会(Hepatology
2019 & 2021)が公表している、肝硬変に合併したサルコペニアに対する運動療法の総説・practice guidance・ガイドライ
ンを理解していることが望ましい。
⑧安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度
厚生労働科学研究補助金肝炎等克服緊急対策研究事業の研究結果(2013年、研究課題:ウイルス性肝疾患患者の食事・運動
療法とアウトカム評価に関する研究)にて、Child-Pugh Aの肝硬変患者における安全な運動療法は「1回1エクササイズ(1
METs)、1日1回、週4日」であることが報告されている。欧州および米国肝臓学会の総説にて、Child-Pugh Bを含む肝硬変
患者における安全性を担保した運動療法のレジメン・内容が提示されている。
⑨倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)
倫理性・社会的妥当性に関する問題はない。肝臓リハは「肝臓疾患に基づく身体的・精神的影響を軽減させ、症状を調整
し、生命予後を改善し、心理社会的ならびに職業的な状況を改善することを目的として、運動療法、栄養療法、薬物療法、
教育、精神・心理的サポート等を行う、長期にわたる包括的なプログラム」と定義される。すなわち肝臓リハの目的は、肝
硬変や肝癌の合併症を予防し症状を軽減することにより、患者の予後と生活の質を改善することであり、その社会的妥当
性・意義は大きいものと考えられる。特にChild-Pugh AからBへの移行を抑制できれば、肝機能障害による身体障害者手帳
交付対象患者を減らすことができる。またChild-Pugh BからCへの移行を抑制できれば、さらなる医療費の削減も期待でき
る。
H
妥当と思われる診療報酬の区分
⑩希望する診療
報酬上の取扱い
点数(1点10円)
180
その根拠
廃用症候群リハビリテーション料(I)180点、運動器リハビリテーション料(I)185点、呼吸器リハビリテーション料(I)175
点、がん患者リハビリテーション料(1単位)205点を参考にした。
区分
関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(③対象疾
患に対して現在
行われている医
療技術を含む)
区分をリストから選択
番号
無し
技術名
無し
具体的な内容
無し
減(-)
プラスマイナス
予想影響額(円)
420,000,000円/年
その根拠
運動療法の効果を「10%」および「20%」と仮定した際のサルコペニア合併肝硬変患者1人あたりの医療費削減額は、それぞ
れ「2.8万円/年」および「5.9万円/年」と推定される(数理疫学的モデル:マルコフモデルによる検討、日本肝臓学会の
「肝臓リハビリテーション指針」より)。肝臓リハ10回(180点x10回=1,800点=1.8万円/年)の診療報酬を上回る医療費の
削減が期待できる。
備考
上記の予想影響額は対象症例数を42,000人(⑥普及性で算出)、運動効果を「10%」と設定して算出した。肝リハの医療費
抑制効果は、運動療法の効果が高いほど大きくなる(運動効果を「50%」と設定すると、医療費削減額は「16.8万円/年」と
なる)。早期から肝臓リハを導入することで、より運動療法の効果を高める臨床的および社会的意義は大きい。
予想影響額
⑪提案される医療技術において使用される医薬品、医療機
サルコペニアを評価するために握力計、CT、体組成計、DXAを用いる。
器又は体外診断薬
(主なものを記載する)
⑫提案される医療技術の海外における公的医療保険(医療
保障)への収載状況
※ 該当する場合、国名、制度名、保険適用上の特徴
(例:年齢制限)等
2)調べたが収載を確認できない
1)を選択した場合は、下の欄に詳細を記載。
無し
⑬提案される医療技術の先進医療としての取扱い
d. 届出はしていない
257