令和7年度予算の編成等に関する建議 (101 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20241129/index.html |
出典情報 | 令和7年度予算の編成等に関する建議(11/29)《財務省》 |
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近年、ロシアによるウクライナ侵攻、中国による東シナ海・南シナ海に
おける力での一方的な現状変更の試み、ロシア・中国による領空侵犯、北
朝鮮による核・ミサイル開発と弾道ミサイル発射の継続など、我が国は、
戦後最も厳しく複雑と言われるような国際情勢に直面している。
〔資料Ⅱ
-4-1参照〕
こうした中、国益を最大化させる質の高い外交戦略に基づき、安全保障
環境への対応力を強化していくことが急務となっている。予算面でも、①
同志国の安全保障上の能力・抑止力向上を図るための新たな無償による
資金協力の枠組みである OSA(政府安全保障能力強化支援)91や、②偽情
報の拡散など国際的な情報戦への対応、③外交通信に係る情報セキュリ
ティの強化、などの優先度が上昇している。
一方、外務省予算の構造を見ると、無償資金協力や JICA(独立行政法
人国際協力機構)運営費交付金、国際機関等への分担金・拠出金92の占め
る割合が高く、その他の政策的経費は当初予算で2割程度にとどまって
いる。このため、現下の国際環境での優先事項に対応するためには、ODA
(政府開発援助)をはじめとする外務省予算全体のより一層のメリハリ
付けが必要である。
〔資料Ⅱ-4-2参照〕
(1)ODA の戦略的・効率的な活用
気候変動等のグローバルな課題解決への貢献や、台頭するグローバル・
サウス93諸国との関係強化等の観点から、ODA は引き続き重要な外交ツ
ールである。
一方、ODA 予算の検討に際しては、内外のマクロ経済環境や財政状況、
ほかの先進国の援助動向等も勘案する必要がある。すなわち、
Official Security Assistance の略。令和5年度予算において 20 億円、令和6年度予算におい
て 50 億円が措置され、令和7年度予算において外務省は 50 億円を要求するとともに、別途、事
項要求も行っている。
92 無償資金協力及び独立行政法人国際協力機構運営費交付金の全額と、国際機関等への分担金・
拠出金の約 45.6%(令和6年度当初予算額)は、ODA に該当する。
93 「グローバル・サウス」について、政府としての明確な定義があるわけではないが、一般的に
は国際社会における影響力が増している発展途上国・新興国を指すことが多い。
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