令和7年度予算の編成等に関する建議 (131 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20241129/index.html |
出典情報 | 令和7年度予算の編成等に関する建議(11/29)《財務省》 |
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量を摂取しているかという、時代によって変化する点に大きく影響を受
けるものでもある。実際、全て国内で自給している米の消費が減り、輸入
の割合が大きい油脂類・畜産物の消費が増えたことにより、食料自給率は
1990 年代後半にかけて大幅に減少し、それ以降は 40%程度で安定推移し
てきた。このように食料自給率とは、国民の食生活に左右されるゆえ、政
策的に働きかけることが困難な面を持つ指標でもある。そのため、平時に
おける国内生産と消費の状況を表す指標として参考とはなるが、食料安
全保障の確保に関する政策目標として食料自給率のみを過度に重視する
ことは不適当と言わざるを得ず、新基本法の趣旨にも必ずしも合致しな
いものである。〔資料Ⅱ-7-12 参照〕
既述のとおり、麦・大豆を含む土地利用作物には現状でも多額の財政支
出を行っているところであるが、更に小麦・大豆を国内生産することで食
料自給率を1%引き上げようとすれば、畑地で 400~500 億円程度、水田
で 800~900 億円程度の国費が必要となる。つまり、単純に食料自給率の
向上を目指して国内生産の底上げを進めようとすれば、そのために必要
な国民負担は相当な大きさとなる。こうしたことを踏まえると、食料安全
保障の確保においては、常に輸入と備蓄の活用という視点を欠いてはな
らず、国内生産の増大を基本とするという新基本法の趣旨を踏まえつつ、
各手段を比較較量して進めることが重要である。
〔資料Ⅱ-7-13 参照〕
また、今後、基本計画において定める目標については、食料安全保障の
確保の状況を総合的に評価できるよう複数の指標等を設けることとし、
食料自給率については、平時における国内生産と消費の状況を表す指標
としての性格を明確にした上で活用すべきである。
③
備蓄の在り方
備蓄に関しては、令和6年(2024 年)6月に成立した「食料供給困難
事態対策法」に基づき今後定める同法の実施に関する基本方針において、
食料・資材などの備蓄についても定めることとなっている。我が国では、
米・小麦・飼料穀物・肥料など主要な食料・資材等についてこれまでも備
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