令和7年度予算の編成等に関する建議 (23 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20241129/index.html |
出典情報 | 令和7年度予算の編成等に関する建議(11/29)《財務省》 |
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政策対応を機動的に実施してきたこともあり、黒字化は一度も達成され
ないまま、目標年限が先送りされてきた。結果として債務残高対 GDP 比
は累増の一途にある。
〔資料Ⅰ-3-5参照〕
本年7月に内閣府が公表した中長期試算では、歳出等に関する一定の
前提の下で、2025 年度に黒字化を達成する姿が示されたが、今般閣議決
定された経済対策の 2025 年度のプライマリーバランスへの影響も踏ま
えれば、引き続き、骨太方針に基づき、これまでの歳出改革努力を継続し、
目安に沿った規律ある予算編成を行うことが肝要である。
さらに、我が国の財政状況は諸外国と比べて最悪の水準である。今後、
経済社会を巡る様々なリスクが顕在化した場合に十分な財政措置を講じ
るためには、2025 年度プライマリーバランス黒字化のみならず、それを
一里塚として、これまでの取組の進捗・成果を後戻りさせることなく、債
務残高対 GDP 比の安定的な引下げを目指し、経済再生と財政健全化を両
立させる歩みを、まなじりを決して前進させる必要がある。
〔資料Ⅰ-3
-6、7参照〕
その際、我が国の財政に対する市場からの信認を維持していくために
は、政策フレームワークについて、主要先進国のスタンダードと軌を一に
する必要がある。
そうした観点から諸外国の財政規律について見ると、IMF によれば、
調査対象 106 か国のうち 78 か国が、フローの規律(収支ルール又は歳出
ルール)とストックの規律(債務ルール)を組み合わせた財政ルールを導
入している。さらに、債務ルールを導入している 85 か国のうち 81 か国
が具体的な数値目標を設けており、その多くは 60%を上限としている。
我が国は現在フローの規律のみと位置付けられており、フローの規律と
ストックの規律を組み合わせていくことも重要な課題であろう。
〔資料Ⅰ
-3-8、9参照〕
また、財政ルールを導入している先進国 32 か国のうち 25 か国が、事
後的に政府に履行する責任を持たせるなど、ルールの実効性を高めるた
めの履行確保メカニズムを備えている。例えば、EU は各国に財政ルール
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