令和7年度予算の編成等に関する建議 (145 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20241129/index.html |
出典情報 | 令和7年度予算の編成等に関する建議(11/29)《財務省》 |
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いわゆるグローバルサウス176の市場成長力や経済安全保障上の重要性
の高まりを踏まえ、我が国の産業構造の高度化・強靱化等に資する共創案
件に取り組む企業を支援し、当該国との連携強化につなげていくことと
している。具体的には、グローバルサウスに進出する企業による、①
DX/GX 等の我が国のイノベーション創出につながる共創型、②我が国の
高度技術の海外展開型、③サプライチェーン強靱化型、のいずれかに該当
する案件について、支援を実施するため、令和5年度補正予算において
1,400 億円を措置している。
しかしながら、令和6年(2024 年)8月までに公表されている採択結
果から見れば、本事業は現状において、積極的に活用しているのは大企業
という実態がある177。本来、補助金は、それに依らずとも実施されたはず
の投資を代替するものではなく、当該補助金が無ければ実施できなかっ
た事業に追加的な効果が見込めるものでなければならない。本事業につ
いては、広く海外進出について、大企業も含めて補助金を活用できるスキ
ームとした結果として、真に必要とは言い難い公的支援となってしまっ
ていないか、検証が求められる。
真に必要な範囲での支援とするためには、自己調達によっては必要十
分な投資が見込めない中小企業やスタートアップの取組を後押しするこ
とが望ましい。また、企業の海外展開は従来、民間企業の自律的な取組に
よっており、政府は JBIC・JICA 等の金融支援を通じ役割を果たしてき
た分野である。これまでにない大型補助金の導入が、既存の公的支援の機
能やガバナンスを損なわないようにすべきである。
その上で、本事業は不特定多数を対象とする支援ではなく、その政策目
的に鑑みて、
・ 二国間の「フラッグシップ」となる案件を採択することで連携強化を
加速し、経済安全保障の確保に寄与すること、
176
グローバルサウスとは、明確な定義や国のリストがあるわけではないが、国際社会における影
響力が増している途上国、新興国の総称。
177 本事業においては、公募の結果として採択された実証事業と同様の案件が、企業自らの取組で
同地域に展開されていたケースも確認されている。
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