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令和7年度予算の編成等に関する建議 (129 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20241129/index.html
出典情報 令和7年度予算の編成等に関する建議(11/29)《財務省》
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まず、平成 12 年度(2000 年度)と令和6年度(2024 年度)を比較し
た場合の約1兆円の減少の大宗は、インフラの新設から更新・修繕に内容
をシフトさせてきた公共事業の減少であって、農業者への直接の財政支
援を含む公共事業以外の予算額は、食料安定供給特別会計への繰入を除
きほぼ同水準となっている。
また、近年では当初予算こそ 2.2~2.3 兆円の規模で推移しているが、
補正予算による総額の増額傾向が著しい。
この2点に留意しつつ、平成 12 年度(2000 年度)と令和4年度(2022
年度)の農業生産の規模を比較してみると、内訳に変化はあるものの、9
兆円程度の総額に大きな違いはない146。このことは、公共事業を含む農
業分野の予算総額の減少が農業生産の減少につながるという明確な関係
が見られるわけではないことを物語っており、裏を返せば、予算総額の増
額がすぐさま農業の振興につながるとは考えにくいことを示唆している。
このように考えれば、近年、TPP 対策やコロナ・物価高等に対応する中
で、補正予算を中心に予算総額が高水準で推移している状況は早期に是
正する必要がある。
〔資料Ⅱ-7-5~7参照〕
本質的に重要なのは、
「農業の行く末は財政支援の多寡にかかっている」
という発想から脱却し、法人経営や大規模化、輸出の推進等、可能な努力
を積み重ね、多額の国民負担に支えられている日本の農業を自立した産
業へと、まさに「構造転換」を果たしていくことであり、このことこそが、
合理的な国民負担の下で、食料安全保障の確保を持続可能な方法により
実現するための道である。
(2)農業の構造転換~米・水田政策を中心に


食料安全保障上の要請と財政負担の在り方
農業と国民負担の在り方を見直し、農業を自立した産業へと構造転換

していく上では、我が国の農政の主軸をなす米・水田政策を今後どのよう
に展開していくかが極めて重要なポイントとなる。
水田で作付けされている作物のうち、米・麦・大豆等について財政負担
146

「生産農業所得統計」(農林水産省)

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