令和7年度予算の編成等に関する建議 (18 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20241129/index.html |
出典情報 | 令和7年度予算の編成等に関する建議(11/29)《財務省》 |
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価高や賃金上昇などを反映すれば、給付費を賄うためには更なる保険料
の上昇を余儀なくされる。その結果、現役世代の負担が増加(可処分所得
が減少)することにも留意が必要である。〔資料Ⅰ-2-4参照〕
また、物価上昇が継続する局面におけるマクロ財政金融政策運営につ
いて、IMF や OECD は、高インフレ、高債務、金利上昇、不確実性の高
まりという状況下では、金融政策と財政政策の整合性が重要であり、物価
上昇圧力に対応するよう財政政策も金融政策と歩調を合わせ引き締め的
なスタンスにすべきと提言している。米国、英国などの主要先進国も、
2021 年以降、世界的に物価上昇が進行する中で、同様のスタンスの下、
経済財政運営に当たってきた。
〔資料Ⅰ-2-5、6参照〕
米国では、金利上昇による利払費増加や財政支出の拡大等により財政
赤字が拡大し、2034 年度の債務残高対 GDP 比は第二次世界大戦後で最
大になることが見込まれているが、「インフレ抑制法」8や「財政責任法」
9等を通じて、財政規律の確保に努めてきた。2024 年3月に公表された予
算教書では、富裕層や大企業に対する課税強化等により、今後 10 年間で
財政赤字を約3兆ドル削減することなどを提案した。同様に英国では、
2022 年 11 月の財政計画公表時には、財政再建はイングランド銀行のイ
ンフレとの戦いを支援することとなる旨を表明した。
日本では、消費者物価もコストプッシュ型の物価上昇から基調的な物
価上昇へ変化し、GDP ギャップも今後プラスで推移する見通しである。
日本銀行が2%の物価安定の目標の持続的・安定的な実現に向けて、金融
政策の調整を進める中、財政政策も金融政策と整合的なスタンスとし、物
価高対策は、支援対象を物価高の影響を特に受け、厳しい状況に置かれて
いる者に重点化するなど、真に必要かつ効果的なものに集中すべきであ
る。
2022 年8月成立。気候変動対策(10 年間で約 4,370 億ドル)を講じるとともに、大企業への課
税強化等により財源を確保し、10 年間で 3,000 億ドル規模の財政赤字削減を見込んでいる。
9 2023 年6月成立。歳出抑制(国防費以外の裁量的支出について、2024 年度は現行水準据え置
き、2025 年度は前年比1%増以内)や債務上限の 2025 年1月までの凍結等を規定。
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