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令和7年度予算の編成等に関する建議 (42 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20241129/index.html
出典情報 令和7年度予算の編成等に関する建議(11/29)《財務省》
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c)我が国における費用対効果評価の適用の在り方の見直し
一方、我が国では、費用対効果評価制度が平成 31 年(2019 年)4月
から運用されているが、その対象が、市場規模が大きい、又は著しく単価
が高い医薬品・医療機器に限定されており、令和6年(2024 年)8月時
点で、38 品目の費用対効果評価の実施にとどまっている39。
その結果、評価結果を反映させる価格調整範囲は、薬価全体ではなく、
有用性系加算や営業利益に関する部分に限られており、これまでの薬価
の引下げ幅は最大▲9.4%にとどまる。また、保険償還の可否の判断に用
いられていない40。
保険収載された医薬品の費用は、窓口負担・保険料負担・公費負担によ
り賄われており、費用対効果が低い医薬品に多額の支出が行われること
は、費用を負担する国民から見て好ましくない。今後、日本でも、真に革
新的な新薬とそうでないものを区分し差別化した価格設定を行うことは、
我が国の医薬品市場の魅力を高め、製薬企業の国際競争力の強化にもつ
ながるとともに、ひいては国民の革新的な医薬品へのアクセスを改善す
ることにもつながると考えられる。
したがって、諸外国において費用対効果評価や追加的有用性評価を本
格適用して保険収載・薬価設定に活用していることも踏まえれば、我が国
で既に一部導入されている費用対効果評価を実施する薬剤の範囲や価格
調整対象範囲を拡大するとともに、他国における費用対効果評価制度や
薬価制度の例も踏まえ、費用対効果評価の結果を保険償還の可否の判断
に用いることも検討すべきである。その際、革新的な新薬を適切に評価す
ることを含め他国における運用上の工夫や国際的な議論の動向にも配意
することが重要である。あわせて、費用対効果評価を実施する体制を強化
する必要がある。
さらに、費用対効果評価の結果については、各学会が定める診療ガイド
ラインや厚生労働省が作成する最適使用推進ガイドラインなどの各種ガ
39

医療機関等で保険診療に用いられる医療用医薬品の品目数は約1万2千程度(令和6年(2024
年)11 月 12 日時点で薬価基準に収載されているもの)。
40 費用対効果が顧みられることなく、原則、薬事承認された医薬品がすぐさま保険収載されると
いう日本の薬価制度の特徴を一つの背景として、日本で承認された新薬の製品数は米国と遜色な
く、むしろカントリードラッグ(日本でしか流通していない新薬)が多いとの指摘がある。

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