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令和7年度予算の編成等に関する建議 (130 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20241129/index.html
出典情報 令和7年度予算の編成等に関する建議(11/29)《財務省》
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の状況を見てみると、主食用米以外の作付に対して所得補填を行う「水田
活用の直接支払交付金」や、小麦等について生産コストと販売価格の差額
を補填する「畑作物の直接支払交付金(ゲタ対策)
」等の経営所得安定対
策等として、年間 5,000~6,000 億円規模の多額の財政支出を行っている
現状がある。これらの土地利用型作物は、熱供給量の高さから食料安全保
障上も重要性が高いと考えられるが、当初予算の2割~3割に当たる規
模の財政負担の在り方がそれに見合ったものかどうかは常に検証が必要
である。〔資料Ⅱ-7-8参照〕


新基本法における食料安全保障の確保の在り方と食料自給率
検証の視点の一つとして、新基本法における食料安全保障の確保の在

り方を見てみると、食料安全保障の確保の手段として「国内の農業生産の
増大を図ることを基本」としつつ、
「安定的な輸入」と「備蓄」の確保を
図るとともに、
「海外への輸出」により食料の供給能力の維持を図ること
も明記され、アプローチがより多角的なものとなっている147。また、基本
計画において定める目標についても、改正前は唯一の目標とされていた
食料自給率は、国内生産と消費に関する目標の一つとして相対化され、そ
のほかに食料安全保障の確保に関する事項の目標148を設定することとさ
れており149、国内生産の増大のみを重要視する考えには立っていない。
〔資料Ⅱ-7-9、10 参照〕
このうち、輸入に関しては、現在の輸入品の大宗が、政治経済的に良好
な関係の国からのものであることを踏まえれば、こうした品目について
は、あえて国民負担で国内生産を拡大するということではなく、輸入可能
なものは輸入し、ほかの課題に財政余力を振り向けるという視点も重要
である。〔資料Ⅱ-7-11 参照〕
また、食料自給率については、現行までの基本計画においては、もっぱ
ら食料の安定供給の観点から目標を設定してきた。しかしながら、食料自

「食料・農業・農村基本法」(令和6年(2024 年)5月 29 日改正)第2条2項
今後、新基本計画において示されることとなるが、例えば、農地面積や食料・生産資材の備蓄
数量等が考えられる。
149 「食料・農業・農村基本法」
(令和6年(2024 年)5月 29 日改正)第 17 条2項
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