を国内法で規定することを義務付け、その下で各国は中期的な財政計画
を策定し、計画を逸脱した場合は過剰赤字是正手続が発動する。スウェー
デンは中期的な債務残高目標の達成に必要となる毎年度の歳出上限額を
実額で設定しており、それを遵守するための措置も法定化され、独立財政
機関が達成状況の評価などを行っている。我が国は履行確保メカニズム
〔資
がなく、今後財政規律の在り方を検討する上での一つの論点である16。
料Ⅰ－３－10 参照〕
（２）効果的な政策運営
政府支出の伸びと経済成長の関係について、因果関係は明らかではな
いが、先進国において、インフレ要因・人口要因を取り除いた実質ベース
で見ると、政府支出の伸びと１人当たり GDP 成長率や TFP（生産性）上
昇率の間に相関関係は見られない。〔資料Ⅰ－３－11 参照〕
そうした中、今後金利上昇とともに政府の資金調達コストの上昇が想
定され、投資効果も見据えた政策運営が求められるため、政府支出の成果
として、潜在成長率の引上げや社会課題の解決を効果的・効率的に実現す
る必要性が一層増している。
このためには、
「規模ありき」の予算編成をするのではなく、EBPM （証
拠に基づく政策形成）による予算の中身の重点化や施策の優先順位付け
を行い、ワイズスペンディング（効果的・効率的な支出）を徹底すること
で、予算・政策の質の向上を図ることが不可欠である。そのため、使用デ
ータの特性や分析結果の多義性等に留意しつつ、データに基づく政策効
果の分析等を積極的・体系的に実施することが必要であり、経済財政諮問
会議の取組や行政事業レビューシート 17 などを活用することも含め、
EBPM の強化に向けた道筋を具体化し、効果的な予算配分・予算執行に
つなげていくことが重要である。〔資料Ⅰ－３－12 参照〕

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独立財政推計機関の創設に向けた検討の着手を求める意見があった。
行政事業レビューシートにおいて、事業の目的に沿った成果目標・指標を設定し、実績をフォ
ローアップすることは、予算・政策の質の向上を図るのみならず、事業の「見える化」を進め、
国民に対する説明責任を果たす上でも重要であり、その内容を不断に見直す必要がある。

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