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令和7年度予算の編成等に関する建議 (128 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20241129/index.html
出典情報 令和7年度予算の編成等に関する建議(11/29)《財務省》
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はなく、むしろ課題を積み残してきたことが現在の苦境を招いていると
言わざるを得ない。現在の農業の構造的課題は、すなわち、生産・経営に
おいて多額の国民負担に基づく財政支援や種々の規制等が存在すること
により、生産性向上・経営の効率化が十分に進まず、収益性の向上を通じ
た産業としての自立化が進まないことにある。これは、当審議会において
繰り返し指摘してきたとおりである。
我が国を取り巻く環境が大きく変化する中、こうした農業構造を今後
も国民の多くの負担により支え続けることは持続可能ではなく、我が国
の財政事情の厳しさを鑑みれば現実的でもない。何よりも、国全体として
の喫緊の課題となった食料安全保障を強固なものとするため、農業構造
を転換し、産業としての自立を果たしていくことが強く求められている。
新しい基本計画の策定とその実行に当たっては、こうした認識の下、こ
れまでの取組と成果の検証も踏まえつつ、改めて「どんな“構造”」に、
「どう“転換”していくのか」について将来像を明らかにするべき144であ
り、その上で、農業を支える合理的な国民負担・財政支援の在り方につい
て検討すべきである。
〔資料Ⅱ-7-1~3参照〕


合理的な国民負担による食料安全保障の確保
国民負担・財政支援の在り方を考える上で、国際的な農業保護の水準

(財政負担+消費者負担)を示す指標である PSE(Producer Support
Estimate)を参照すると、OECD 各国との比較において、日本は、
「名目
GDP に占める PSE の比率」
「農業者受取額に占める PSE の比率」とも
〔資料Ⅱ-7-4参照〕
に相対的に高い状況にある145。
この点、農林水産関係予算は長期的に減少してきているという指摘が
ある。確かに、当初予算ベースで見る限り、平成 12 年度(2000 年度)は
3.4 兆円であったものが、令和6年度(2024 年度)には 2.3 兆円に減少
しているが、次の2点に留意する必要がある。

144

さらに、農業の構造転換には相応の時間がかかることを踏まえれば、現行の基本計画が対象と
する5~10 年を超えた、より長期的な計画を策定することも検討の余地がある。
145 「日本の農業生産を維持する国民負担の水準は?」
(三菱総合研究所(令和5年(2023 年)10
月 19 日))

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