令和7年度予算の編成等に関する建議 (123 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20241129/index.html |
出典情報 | 令和7年度予算の編成等に関する建議(11/29)《財務省》 |
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加えて、これまでの整備新幹線等の整備の過程では、様々な課題やリス
クがあることが判明している。今後の整備新幹線の着工判断に際しては、
過去の事例を教訓として、こうした課題・リスクについても十分に検討・
評価した上で、着工判断を行う必要がある。〔資料Ⅱ-6-22 参照〕
ア)
「見切り発車」により無駄が生じるリスク
例えば、九州新幹線(新鳥栖~武雄温泉間)では、フリーゲージトレイ
ン141の導入が前提とされていたが、着工後、技術開発の難航により導入
を断念した。結果、現状ではフル規格の新幹線が武雄温泉~長崎間のみを
往復している状況にあり、本来の整備効果が発揮されていない状況にあ
る。
〔資料Ⅱ-6-23 参照〕
イ)長大トンネル建設におけるリスク
また、北海道新幹線(新函館北斗~札幌間)はその8割が長大トンネル
で占められているが、着工前のボーリング調査では把握しきれなかった
巨大な岩塊の出現や、地質不良などのため、工事の遅れが生じており、令
和 12 年度(2030 年度)末の開業は困難であることが報告され、現時点
において完成時期を明示できない状況である。長大トンネルには、このよ
うに事前には把握困難な地質上の問題により、完成時期が当初見込みよ
りも後倒しになるリスクがある点を考慮することが必要である。
〔資料Ⅱ
-6-24 参照〕
ウ)建設発生土処理や地下水等による環境リスク
さらに、北海道新幹線(新函館北斗~札幌間)では、トンネル工事中、
事前の調査で判明していた以上のヒ素等の自然由来重金属等が含まれる
要対策土が発生し、受入地確保に市民の理解を得るのに時間を要した。ま
た、リニア中央新幹線では、トンネル工事により、地下水の流れに影響し
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フリーゲージトレインは、車輪の幅を切り替えることにより、在来線用の幅が狭い線路(狭軌)
と新幹線用の幅が広い線路(標準軌)の両方を運行することができ、新たに標準軌の線路を整備
しなくて済むため、地元負担が少なくなることが期待されていた。
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