令和7年度予算の編成等に関する建議 (41 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20241129/index.html |
出典情報 | 令和7年度予算の編成等に関する建議(11/29)《財務省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
日本では、現在、有効性・安全性が認められ薬事承認された医薬品は、
年4回、事実上全て公的保険に収載されている。年度途中の保険収載によ
り生じる財政影響は、予算編成においては勘案されておらず、予算統制の
枠外となっている。また、保険収載された新薬に対する費用対効果評価の
適用も極めて限られている。
〔資料Ⅱ-1-29 参照〕
b)諸外国における費用対効果評価と追加的有用性評価の活用状況
公的な医療保険等が医療の財源の中心である国においては、薬事承認
のほかに、薬価のコントロール手段として、費用対効果分析(イギリス等)
や追加的有用性評価(フランス、ドイツ等)により、保険償還37の有無や
償還価格を決める仕組みを採用しているのが一般的である。
イギリスでは、薬事承認後に費用対効果評価を行い、その結果に応じて
公的医療制度での償還についても判断される。1割強の新薬について保
険収載が非推奨となっているほか、3割の新薬の適用場面を限定した上
で保険収載を推奨している。推奨された新薬について費用対効果の結果
を踏まえて償還価格の調整・決定がなされる。フランス38やドイツでは、
追加的有用性評価を幅広く適用し、新薬の価格を決定・調整している。新
薬の5~6割程度について「追加的有用性無し」と評価され、こうした追
加的有用性評価の結果に基づき、メリハリの効いた表面価格が決定され
る。その上で、フランスでは費用対効果評価結果とあわせて価格交渉が行
われている。
〔資料Ⅱ-1-29、30 参照〕
費用対効果評価と追加的有用性評価のいずれの方法にせよ、統一的な
手法により、真に革新的な新薬とそうでないものとを区分し、差別化した
価格設定を行っている。
37
公的医療保険からの支払いを受けること。
フランスでは、追加的有用性評価に基づき新薬の表面価格(list prices)を設定。新薬の約6割
が評価5(追加価値なし)とされるなど厳格に運用されている。追加的有用性がある新薬(評価
1~3とされた新薬)については、費用対効果評価結果とあわせて価格交渉が行われ、表面価格
(list prices)から値引きされる(値引き後価格は対外秘)。薬剤費が規定値を超えた場合は製薬
業界が売上超過額の一定額等を払い戻す仕組みを採用している。〔資料Ⅱ-1-31 参照〕
38
-29-