令和7年度予算の編成等に関する建議 (43 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20241129/index.html |
出典情報 | 令和7年度予算の編成等に関する建議(11/29)《財務省》 |
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ある。〔資料Ⅱ-1-32、33 参照 〕
d)新規医薬品の薬価算定方式の見直し
我が国では、既に後発医薬品が使用可能で、新規性に乏しい新薬であっ
ても、類似薬効比較方式(Ⅱ)により、比較的高い薬価で新薬として収載
されることが可能となっている。
こうした薬価算定方式は、新規性に乏しい新薬を開発するインセンテ
ィブを製薬企業に与え、我が国のドラッグラグ・ドラッグロスやカントリ
ードラッグが多いとの指摘が生まれる要因の一つとなっている可能性が
ある。
現役世代の保険料負担軽減を含め、国民皆保険制度の持続可能性を確
保するとともに、創薬イノベーションの推進を着実に図っていく観点か
ら、費用対効果評価の対象範囲を拡充し、薬価の一層のメリハリ付けを促
進していくべきである。特に、新規性に乏しい新薬に係る薬価収載時の評
価方式である類似薬効比較方式(Ⅱ)については、比較対象となる類似薬
として後発医薬品も勘案することも含め、具体的な見直しを早急に検討
すべきである。〔資料Ⅱ-1-34 参照 〕
e)患者本位の治療の確立に向けた取組
質の高い医療の効率的な提供という観点からは、患者本位の良識ある
腫瘍治療研究の確立に向けて、将来ビジョンや基本的考え方を共有しよ
うとする専門家の取組(Common Sense Oncology)がカナダを起点に世
界の腫瘍治療研究専門家により実践されている。
そこでは、患者の立場に立って、専門家として意味ある改善が期待でき
ない治療を推奨しないことや、患者や政策当局者のがん治療の選択肢に
対する理解を深めていくことが目指されている。多くの新薬は患者の
QOL(生活の質)の改善等につながっていないこと、全ての抗がん剤治
療は何らかの副作用をもたらすこと、患者の QOL 等を改善しない治療を
見極めることも重要であるといった問題意識が示されている。
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