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令和7年度予算の編成等に関する建議 (40 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20241129/index.html
出典情報 令和7年度予算の編成等に関する建議(11/29)《財務省》
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を図ることを基本としつつ、流通コスト等を勘案して「調整幅」の乖離を
認めている。調整幅(2%)については、平成 12 年(2000 年)以来見直
しが行われていないが、その後の流通市場の変化等を踏まえ、現役世代の
保険料負担軽減を含め、国民皆保険制度の持続可能性を確保する観点か
ら、その制度趣旨に遡って、価格や薬剤の種類によらず調整幅を一律に
2%としていることの妥当性をはじめ、その在り方の見直しを検討すべ
き時期に来ていると考えられる。〔資料Ⅱ-1-27 参照 〕
ウ)費用対効果など経済性の勘案・患者本位の治療
日本では、費用対効果評価や追加的有用性評価35を経ることなく、薬事
承認された医薬品は原則として公的保険の対象となり薬価収載36される
が、このことは、同じく税や保険料で支えられている諸外国の医療制度に
は見られない我が国の医療保険制度の大きな特徴である。さらに、日本の
医療現場では、高額療養費制度の下で、患者側・医療機関側ともに高額医
療に対するコスト意識が働きにくい中で、医師の判断に基づき診療・薬剤
処方が行われている。
日本の医薬品市場は、ドラッグラグ・ドラッグロスの課題が指摘される
一方で、承認された新薬の製品数は米国と遜色なく、むしろカントリード
ラッグ(日本でしか流通していない新薬)が多いとの指摘もある。また、
例えば、効果を維持しつつ減薬・休薬を含む医薬品の適正使用を行うこと
は副作用の軽減にもつながるものであり、こうした患者本位の治療の確
立に向けて一層の努力が必要との指摘もある。
現役世代の保険料負担軽減を含め、国民皆保険制度の持続可能性を確
保するとともに、創薬イノベーションの推進を図っていく観点から、諸外
国の例も踏まえ、費用対効果などの経済性や患者利益を考慮した保険診
療が効率的に行われる仕組みを構築すべきである。〔資料Ⅱ-1-28 参
照 〕

35

評価対象について、比較対照技術(既存の治療法等)と比して追加的に有用性等が認められる
かどうかを評価すること。
36 医薬品を保険償還の対象とすること。

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