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参考資料 (319 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000198111_00025.html
出典情報 医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議(第27回 3/12)《厚生労働省》
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15.1.2 本剤の投与が、胃癌による症状を隠蔽することがあ
るので、悪性でないことを確認して投与すること。
15.1.3 海外における複数の観察研究で、プロトンポンプイ
ンヒビターによる治療において骨粗鬆症に伴う股関節骨
折、手関節骨折、脊椎骨折のリスク増加が報告されている。
特に、高用量及び長期間(1年以上)の治療を受けた患者で、
骨折のリスクが増加した。
15.1.4 海外における主に入院患者を対象とした複数の観察
研究で、プロトンポンプインヒビターを投与した患者に
おいてクロストリジウム・ディフィシルによる胃腸感染
のリスク増加が報告されている。
〈非びらん性胃食道逆流症〉
15.1.5 食道内酸逆流の高リスクであると考えられる中高齢
者、裂孔ヘルニアを合併する患者のいずれにも該当しな
い場合には本剤の治療効果が得られにくい可能性がある。
15.2 非臨床試験に基づく情報
15.2.1 ラットに1.7mg/kg以上を2年間経口投与した毒性試
験で、胃にカルチノイドの発生がみられたとの報告があ
る。このカルチノイドの発生にはラットに種特異性が認
められている。
15.2.2 ラットに類薬であるランソプラゾール(50mg/kg/
日)、アモキシシリン水和物(500mg/kg/日)及びクラ
リスロマイシン(160mg/kg/日)を併用投与した試験で、
母動物での毒性の増強とともに胎児の発育抑制の増強が
認められている。

ル濃度は、投与約2.5時間後にCmaxを示し、約2時間の半減
期で消失した3)。オメプラゾールのCmax及びAUCは、単回
投与時に比して反復投与により上昇したが、投与4日目と
7日目ではほぼ同様で、4日目までには定常状態に達した。
健康成人11例、3剤併用反復投与(平均値±SD)
Cmax(ng/mL)Tmax(hr)AUC0-∞(ng・hr/mL) T1/2(hr)
794±410
2.7±1.6
2936±1752
1.78±0.62
16.2 吸収
16.2.1 生物学的同等性
オメプラゾールの20mg錠×1錠と10mg錠×2錠は生物学的
に同等である4)。
16.3 分布
16.3.1 蛋白結合率
96~98%(限外ろ過法)
16.4 代謝
外国人のデータでは、健康成人にオメプラゾールを経口
投与したとき、血漿中の主代謝物はオメプラゾールスル
ホン及びヒドロキシオメプラゾールで、これらの代謝物は
いずれも胃酸分泌抑制作用をほとんど示さなかった5),6)。
また、ヒト肝ミクロソームによるin vitro試験の結果か
ら、ヒドロキシ体及びスルホン体の生成にはそれぞれ主に
CYP2C19及びCYP3A4が関与し、ヒドロキシ体への代謝ク
リアランスはスルホン体の4倍であると報告されている7)。
CYP2C19には遺伝多型が存在し、遺伝学的にCYP2C19の
機能を欠損する個体(PM)は日本人を含むモンゴル系人
種で13~20%、コーカサス系人種で3~4%と報告されてい
る 8)。PMにおけるオメプラゾールの緩やかな代謝は、他

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 オメプラゾール単独投与時のデータ
健康成人(6例)にオメプラゾール10mg及び20mgを空腹時
に単回経口投与したとき、投与後約2時間で最高血漿中濃度
に達し、
消失半減期はそれぞれ2.8時間及び1.6時間であった1)。
健康成人6例、10mg及び20mg単回経口投与(平均値±SE)

のプロトンポンプ阻害剤9),10)と同様である。
[10.参照]
16.5 排泄
14
外国人のデータでは、
C標識オメプラゾールを投与したとき、
投与放射能の約80%が尿中に、約20%が糞中に排泄された5)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 血液透析
慢性透析患者を対象にオメプラゾールを1日1回20mg経口
投与し、血漿中濃度を検討した試験において、血液透析
による除去はほとんど認められず、透析日及び非透析日
で体内薬物動態に影響はみられなかった11)-13)。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 ジアゼパム、ワルファリン、フェニトイン
外国人のデータでは、ジアゼパム、ワルファリン(R-ワル
ファリン)

フェニトインがCYP2C19により代謝されるため、
本剤との併用によってジアゼパム14)及びフェニトイン15)の
クリアランスは、それぞれ27%及び15%低下し、ワルファリ
ン16)の血中濃度は12%上昇したとの報告がある。
[10.2参照]
16.7.2 その他の薬剤
オメプラゾールの血漿中濃度は、クラリスロマイシンと
の併用により、Cmax及びAUCは約2倍に上昇した。一方、
アモキシシリン水和物との併用は、オメプラゾールの血
漿中動態に影響しなかった17)。

AUC0-10hr
T1/2
投与量 Cmax(ng/mL)Tmax(hr)
(ng・hr/mL) (hr)
10mg
184.1±31.5 2.3±0.6 480.7±160.2
2.8
20mg 406.2±152.0 2.3±0.2 1160.4±646.3 1.6

17. 臨床成績

健康成人(6例)にオメプラゾール20mgを朝食前に1日1回
7日間投与したとき、第7日目のCmax及び血中濃度曲線下面
積(AUC)はいずれも第1日目の約1.4倍に増加した1)。
また、胃潰瘍患者(5例)及び十二指腸潰瘍患者(4例)
にオメプラゾール20mgを1日1回朝食後に14日間投与した
とき、第7日目のAUCは第1日目に比べ有意な増加が認め
られたが、第7日目と第14日目の間ではCmax、AUCのいず
れも増加は認められなかった2)。
16.1.2 オメプラゾール、アモキシシリン水和物及びクラリ
スロマイシン投与時のデータ
健康成人(11例)にオメプラゾール20mg、アモキシシリ
ン水和物750mg(力価)及びクラリスロマイシン400mg(力
価)を1日2回7日間反復経口投与後の血漿中オメプラゾー

17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、
Zollinger-Ellison症候群〉
17.1.1 国内臨床試験
716例を対象に実施された一般臨床試験の概要は次のとお
りである18)-25)。
また、二重盲検比較試験(胃潰瘍、十二指腸潰瘍)にお
いて本剤の有用性が認められている。

(4)

疾患名
胃潰瘍
十二指腸潰瘍
吻合部潰瘍
逆流性食道炎

有効率
治癒率
98.0%(388/396例)92.5%(359/388例)
98.3%(238/242例)95.7%(223/233例)
100%(34/34例) 97.1%(33/34例)
97.5%(39/40例) 100%(37/37例)