資料1-1 令和5年度研究事業実施方針(案)【AMED研究】 (103 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26761.html |
出典情報 | 厚生科学審議会科学技術部会(第130回 7/14)《厚生労働省》 |
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(2)これまでの研究成果の概要
・ビッグデータの解析により日本人女性の月経周期と基礎体温に新知見:世界的に前例
のない規模の日本人女性 31 万人、600 万月経周期のビッグデータを解析し、平均月経
周期は 23 歳で最も長く、45 歳にかけて徐々に短くなり、その後また長くなる年齢変
化を示した。また、基礎体温は低温期が年齢によらず一定である一方、高温期が年齢
により変化し、30 代で最も高いことが明らかとなった。<令和3年度終了>
・子宮腺筋症のゲノム解析から発症と子宮内膜症併発に関連する遺伝子変異を発見:子
宮腺筋症と子宮内膜症を併発した患者のゲノム解析を行い、臨床情報を照合した結
果、子宮腺筋症がゲノム異常を伴う多クローン性増殖疾患であることを初めて明らか
にするとともに、子宮内膜症を併発する患者の約4割で、子宮内膜症の要因でもある
がん関連遺伝子の変異が存在することを確認した。<令和3年度終了>
・多面的アプローチによる子宮内膜症の治療開発を推進:子宮内膜上皮を用いた網羅的
遺伝子解析のデータを用いて、新規子宮内膜症上皮マーカーや間質マーカーを同定
し、その有用性を示した。また、血清ビタミン D 値は子宮内膜症患者のコホートでも
日照時間や食事摂取に比例すること、副甲状腺ホルモンと逆相関すること、ビタミン
D 投与により血中濃度は上昇することを見出した。<令和2年度終了>
・ビタミン E の骨粗鬆症発症機構への酸化ストレスの可能性を確認:ホルモン補充療法
や骨粗鬆症治療薬による治療を行っていない 157 人(閉経前女性 46 人および閉経後
女性 111 人)の腰椎骨密度と 43 種類の主要栄養素との関連について横断的な解析を
行い、閉経前女性においてα-トコフェロール摂取量と骨密度との間に有意な正の相
関があることが明らかとなった。<令和2年度終了>
・冠動脈疾患が疑われる場合の CT 検査の意義に性差を確認:冠動脈硬化評価を目的と
した冠動脈 CT 検査の医療技術評価に関するシステマティックレビューを実施したと
ころ、性差を目的とした質の高い臨床研究は認められず、わが国における性差を加味
した冠動脈 CT 検査の医療技術評価の必要性が明らかとなった。冠動脈硬化指標のう
ち、形態評価として内腔情報である有意狭窄および血管壁情報である冠動脈石灰化に
関しては、心血管イベントとの関係に性差があることを証明した。<令和元年度終了
>
(3)これまでの研究成果の政策等への活用又は実用化に向けた取組
①研究成果の政策等への活用
・厚生労働科学研究「女性の健康の包括的支援政策研究事業」と連携し、女性の健康を
支援するため、月経、子宮関連疾患等のエビデンスに基づく情報発信による社会啓発
を実施。
・若年女性の健康支援に向けた教育・養成プログラムの開発と研修の実施。
・女性特有の疾患についての健診の創設。
②実用化に向けた取組
・性差に基づく疾患解明、予防・治療方法の確立。
・子宮内膜症、月経前症候群、骨粗鬆症など各女性ホルモンによる疾患の病態解明と予
防法・治療法の確立。
2 令和5年度に推進する研究課題
(1)継続研究課題のうち優先的に推進するもの(増額要求等するもの)
○子宮内膜ゲノム情報に基づいた子宮内膜症の病態解明と発症予測モデルの開発
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