資料1-1 令和5年度研究事業実施方針(案)【AMED研究】 (113 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26761.html |
出典情報 | 厚生科学審議会科学技術部会(第130回 7/14)《厚生労働省》 |
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【医薬品プロジェクト】
・JAK 阻害剤を使用したアトピー性皮膚炎の外用剤(デルゴシチニブ:コレクチム®
)
が令和2年に世界で初めて日本で承認・販売された。
・αKetoA の産生を担う腸内細菌の同定や食事との関係等を明らかにし、病態と結びつ
けることで、層別化医療の実現が期待される。
【ゲノム・データ基盤プロジェクト】
・関節リウマチに合併する間質性肺炎の病態解明への寄与が期待される。
・作成された miRNA-eQTL カタログを利用することで、アジア人集団における疾患感受
性多型の背後に潜む分子メカニズムの解明が加速することが期待される。
・スギ花粉症の治療法「舌下免疫療法」の治療効果を予測する遺伝子型を発見し、今後
バイオマーカーとしての臨床応用が期待される。
【疾患基礎研究プロジェクト】
・「アトピー性皮膚炎の慢性掻痒を引き起こす末梢神経変化の解明」の研究班による成
果は、新規メカニズムによる新たな治療法の開発に貢献すると期待できる。
・アレルギー性気管支肺真菌症にかかわる研究班の成果により、気管支・肺の破壊が進
行する前の適切な治療の提供が期待できる。
2 令和5年度に推進する研究課題
(1)継続研究課題のうち優先的に推進するもの(増額要求等するもの)
【医薬品プロジェクト】
・「重症/難治性/治療抵抗性免疫アレルギー疾患に対する治療薬の実用化に関する開発
研究」
免疫アレルギー疾患では、長期間にわたり患者の QOL を大きく損ねる重症・難治性・
治療抵抗性のケース、あるいはアナフィラキシーのように急速かつ重篤な症状をきた
し致命的となるケースも珍しくないため、これらに関する研究開発課題について、シ
ーズ同定や剤型・投与経路・投与量の設定等に係わる費用を拡充する必要がある。
【ゲノム・データ基盤プロジェクト】
・「将来の予防的・先制的医療の実用化を目指すゲノム・データ基盤研究」
本疾患領域ではゲノム・データ研究に対する需要が強く、開発成果も強く期待され
ている。このためゲノム情報やエピゲノム情報取得等の検体解析、及びデータ解析結
果に基づく病態解明とシーズ候補の探索準備に係わる費用を拡充する必要がある。
【疾患基礎研究プロジェクト】
・「アレルゲン免疫療法の開発に資する研究」
アレルゲン免疫療法はアレルギー患者の自然歴に介入することのできる唯一の治
療法であるが、我が国では製薬企業等による開発が十分でない状況にあるため、重点
的に推進する必要である。
・「食物アレルギーの解決に資する研究」
食物アレルギーは患者の長期的な QOL 低下につながるばかりか、アナフィラキシー
等により致命的な転帰を取ることもあり、その解決が患者及びその家族や関係者等か
ら強く求められていることから、重点的に推進する必要がある。
・「免疫アレルギー疾患における宿主因子と外的因子の関係に着目した病態解明研究」
免疫アレルギー疾患の発症や経過には、ヒト自身が持つ様々な宿主因子に外的因子
が関連して影響を及ぼすことが明らかとなってきたため、微生物、気候、大気汚染、
食品、化粧品、住宅、ヘルスケアなど専門家との連携を拡充・強化し、発症や増悪に
影響する病態解明を疾患予防や治療法に導出するための研究をさらに推進する必要
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