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資料1-1 令和5年度研究事業実施方針(案)【AMED研究】 (108 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26761.html
出典情報 厚生科学審議会科学技術部会(第130回 7/14)《厚生労働省》
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とを明らかにした。平成 30 年度にはこの「メガリン」を阻害する候補物について特許
出願済みであり、令和元年度以降は「メガリン」を介した溶血関連腎症や造影剤腎症発
症機序を明らかにし(論文投稿中)、また「メガリン」の立体構造を明らかにし、インシ
リコ創薬を進め、新規メガリン拮抗薬開発を目指している。
「炎症の収束に着目した腎疾患の病態解明」研究では、腎疾患の進展機序として炎
症収束遅延が病因の一つであり、この炎症の収束に重要な鍵分子として新規 long
coding RNA (lncRNA)を同定した。この内容は PNAS に論文発表され、lncRNA は新規な
創薬標的になる可能性を示すとともに、ミクログリアのなかに炎症収束させるサブタ
イプを同定し、腎疾患に対する新たな治療アプローチを見出した。(令和3年度終了)
(3)これまでの研究成果の政策等への活用又は実用化に向けた取組
「メガリン」や「NMN(nicotinamide mononucleotide)」に関連した医薬品開発を進め、
未だ実現されていない慢性腎臓病治療薬(治療法)の実用化を目指した研究を推進した。
また、
「D-アミノ酸」や「炎症」が CKD や急性腎障害(AKI)へ与える影響のメカニズム
を解明することにより、新たな治療戦略の創出を推進した。
2 令和5年度に推進する研究課題
(1)継続研究課題のうち優先的に推進するもの(増額要求等するもの)
腎領域では対症療法が行われている場合が多いため、治療効果が高く、かつ根治を目
指すための治療法の開発が急務である。そのため、「慢性腎臓病に対するリアノジン受
容体安定化薬併用療法の開発」
「日本発の特異的かつ可逆的 Keap1 阻害薬開発に繋がる
腎病態改善アプローチの探索」
「腎臓オルガノイドを用いた腎線維化修飾遺伝子の探索」
において新たなシーズの同定につながる腎疾患の病態解明研究を推進する必要がある
(2)新規研究課題として推進するもの
・「腎臓をターゲットにした画期的治療法の開発「シーズ最適化・非臨床 POC 確認」
CKD の原因としても重要な AKI の予防・治療にも活用可能なエビデンスを創出する。
また、治療標的分子などを確立し、新規腎疾患治療技術の実用化につなげる。さらに、
疾患基礎研究事業で発見したシーズを創薬事業で最適化、非臨床 POC 確認を目指す。
(3)令和5年度の研究課題(継続及び新規)に期待される研究成果の政策等への活用又は
実用化に向けた取組
「慢性腎臓病に対するリアノジン受容体安定化薬併用療法の開発」「日本発の特異的
かつ可逆的 Keap1 阻害薬開発に繋がる腎病態改善アプローチの探索」
「腎臓オルガノイ
ドを用いた腎線維化修飾遺伝子の探索」の成果を、治療効果の高い、かつ根治を目指す
ための治療法の確立に向けて活用する。


参考
1 研究事業と各戦略(新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画・フォローアップ、
成長戦略、骨太方針、統合イノベーション戦略、健康・医療戦略)との関係
【経済財政運営と改革の基本方針 2021】(令和3年6月 18 日閣議決定)
第3章 感染症で顕在化した課題等を克服する経済・財政一体改革
2.社会保障改革
(1)感染症を機に進める新たな仕組みの構築
また、がん、循環器病及び腎臓病について、感染拡大による診療や受療行動の変化の実
態を把握するとともに、健診・検診の受診控え等に関する調査の結果を踏まえ、新しい
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