資料1-1 令和5年度研究事業実施方針(案)【AMED研究】 (55 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26761.html |
出典情報 | 厚生科学審議会科学技術部会(第130回 7/14)《厚生労働省》 |
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・覚せい剤依存患者を対象とした二重盲検ランダム化比較試験により効果の探索的検証
試験を実施し、依存症の治療回復に資する研究開発の推進に寄与した。
・精神疾患レジストリのシステム構築を完了し、第1層(症例基本情報)、第2層(臨床
評価情報)、第3層(生体試料・情報)からなるデータ収集を開始し、今後のデータ利活
用研究の推進に寄与した。
・性格による層別化がトリプトファン、セロトニン、キヌレニンなどのうつ病血液バイ
オマーカーの識別性能を向上させることによって、うつ病の客観的診断法の開発の促
進に寄与した。
・応急的遠隔対応型メンタルヘルスケアの基盤システム構築が新型コロナウイルス感染
流行下での、メンタル不調者支援法の開発に寄与した。
2 令和5年度に推進する研究課題
(1)継続研究課題のうち優先的に推進するもの(増額要求等するもの)
○精神疾患レジストリの利活用による治療効果、転帰予測、新たな層別化に関する研究
・精神疾患レジストリを用いて、縦断的な経過を含む生体情報、臨床情報を基に、精神
疾患の治療効果、転帰の予測因子を明らかにするとともに、新たな層別化を行う。特
に、日本精神神経学会等の関連学会や日本精神科病院協会と連携して、レジストリデ
ータの収集を促進するとともに、大規模データの解析による質の高い研究利活用を推
進する。
○ゲーム行動症における視聴覚刺激による嗜癖行動悪化のメカニズム:アルコール依存
症との比較を通した検証
・行動実験・fMRI(Functional magnetic resonance imaging)・機械学習の技術を組み
合わせ、ゲーム行動症におけるゲームを連想させる刺激(cue 刺激)による嗜癖行動悪
化メカニズムの解明を推進する。特に Deep Learning の技術を駆使することで、ゲー
ム障害・アルコール依存症に特異的な表情変化を検出し、ニューロフィードバック等
による治療法開発に繋げる。
(2)新規研究課題として推進するもの
① 客観的診断法の確立と治療の最適化
○精神医療における客観的診断法の確立と、治療の最適化に関する研究
・現時点である程度臨床で活用できる指標を用いて、プレシジョンメディシン(遺伝情
報等に基づく精密医療)に資する研究を行い、疾患異種性を克服しうる、個人の特性
を踏まえた、治療法の最適化や治療効果予測を確立する。
・精神療法やリハビリ等の心理社会的介入手法は多岐にわたり、一定の効果も検証され
ているが、どのようにこれら手法を組み合わせることで、就労・就学、QOL 向上など
の社会的転帰を改善するのか、十分な検証は行われていない。そこで、包括的な治療・
介入プログラムを開発し、大規模な検証を行う。
・新型コロナウイルス等の新興感染症感染後の精神症状に関連する生物・心理・社会的
(BPS)なデータを解析し、精神疾患の新規治療法の開発並びに病態解明を促進する。
② 心の健康づくり等に資する研究開発の推進
○精神疾患や発達障害における早期発見、新規治療・支援法等に関する研究プロトコル
開発
・精神疾患や発達障害の早期発見や新規治療法に関する研究、並びに当事者やその家族
に対する新たな心理社会的治療や介入方法、支援プログラム等の研究プロトコルを開
発する。また、わが国のシステムの中で実装化するため、既存の介入手法等の検証研
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