よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


資料1-1 令和5年度研究事業実施方針(案)【AMED研究】 (48 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26761.html
出典情報 厚生科学審議会科学技術部会(第130回 7/14)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

るエビデンスの提供を行うことにより、早期診断・重症度判定に有用なバイオマーカー
が得られるとともに、今まで困難を極めていた認知症疾患修飾薬の臨床治験の迅速化が
期待される。
(2)これまでの研究成果の概要
○「脳内アミロイドβ蓄積を反映する血液バイオマーカーの臨床応用に向けた多施設共
同研究」
(平成 28〜30 年度)では、企業と共同で血液バイオマーカーを開発し、それ
が脳内 Aβ蓄積量と相関し、脳内 Aβ蓄積有無の推定に有用であることをオーストラ
リアの研究グループ(AIBL)との共同研究で明らかにし、Nature 誌に発表した(平成 30
年2月)。その後、国内外大規模コホートの既存サンプルにおいて血液アミロイドβ
バイオマーカーの測定を行い、血液バイオマーカーが Nature 誌で平成 30 年2月に報
告した結果と遜色のない検査性能を持つことが確認された(令和元年 12 月)。
○「健康長寿社会の実現を目指した大規模認知症コホート研究」
(平成 28 年度〜令和2
年度)では、全国8地域における地域高齢住民 11,957 名を対象とした認知症コホー
ト研究のベースライン時における臨床情報、頭部 MRI 画像情報、食事調査情報、保存
生体試料に関するデータベース構築を完了した。
○「認知症プレクリニカル期・プロドローマル(発病前)期を対象とするトライアルレ
ディコホート構築研究」
(令和元年〜5年度)においてウェブスタディを構築し、運用
を開始した。令和元年 10 月末にウェブスタディを公開し、令和 3 年 12 月の時点で登
録者数は 7,060 名となっている。
(3)これまでの研究成果の政策等への活用又は実用化に向けた取組
○「脳内アミロイドβ蓄積を反映する血液バイオマーカーの臨床応用に向けた多施設共
同研究」
(平成 28〜30 年度)の成果である血液バイオマーカーは、認知症の早期診断・
早期対応の体制整備に向けて活用できる。
○「認知症プレクリニカル期・プロドローマル期を対象とするトライアルレディコホー
ト構築研究」
(令和元年〜5年度)で構築・運用しているウェブスタディは、今後オン
サイトスタディを実施する体制を構築することで、治験ニーズに対応する体制が整備
される。

2 令和5年度に推進する研究課題
(1)継続研究課題のうち優先的に推進するもの(増額要求等するもの)
○(「血液バイオマーカーを用いた超早期アルツハイマー病コホートの構築」
(令和2〜
5年度)、
「画像・バイオマーカー縦断コホート研究によるプレクリニカルアルツハイ
マー病進行機序の解明」(令和3〜7年度)、「多施設連携プラットフォーム(MABB)を
基盤にした各種認知症性疾患に対する日本発の包括的な診断・層別化バイオマーカー
システムの確立」
(令和3〜7年度)、
「血液バイオマーカーと神経画像検査による BPSD
の生物学的基盤の解明、および認知症者の層別化に基づいた BPSD ケア・介入手法の
開発研究」(令和3〜7年度)、「疾患修飾薬の実用化を見据えた認知症性疾患の標準
的診断方法の標準化と普及を目指す研究」(令和3〜5年度))。
代表的な認知症疾患であるアルツハイマー病(AD)患者の脳内には非 AD 性病態(病
変)も混在することが多いため、新規薬剤の治験を行う上で大きな問題となっている。
48